孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

転職1年記念カキコ -新卒企業短期離職第二新卒転職記-

新卒で入った会社を退社して第二新卒で転職してから、早くも1年が経ちました。

転職して何やかんやバタバタと過ごしていたらあっという間でした。月日が経つのは早いものです。

 

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新卒で入った会社の退職日、近所(と言っても会社から歩いて30分くらいかかるんですけど)に唯一あった街中華屋さんに駆け込んで空けた瓶ビールの味を思い出します。

あの日ほど旨いビールは、今後の人生で味わうことはないかも知れません。

 

第二新卒による転職を通じて1年、社会人としては3年目に差し掛かるというタイミングでいろいろと振り返ってみようと思います。

本ブログが投稿された4月1日という日付を意識しつつ、話半分に読んでいただければと思います。

 

目次:

 

転職活動について

当たり前ですが、新卒で入った会社、それも第1志望だった会社を1年も経たずに辞めることには相当な抵抗がありました。しかしながら、それでも退職に至ったのにはもちろん相応に我儘な理由があります。

そのきっかけはベタですが、開発・設計の部署を希望していたにもかかわらずひとつも引っかからず、全く志望していなかった生産管理に配属になったことでした。

ここら辺の心理については下記のブログに色々書いているので割愛しますが、要は『全然やりたくなかった仕事だからどうしてもつまんないし、周り田舎で気分転換もできないし、異動できる見込みもないしやーめた!』って感じです。

 

配属直後に書いたブログ。まだ元気。

2arctan-1.hatenablog.com

 

入社して3か月後のブログ。会社の内情が何となく見えてきて絶望してる。

2arctan-1.hatenablog.com

 

退職が決まった直後のブログ。

2arctan-1.hatenablog.com

 

 

今回は上記ブログに書かれていなかった転職活動について振り返ろうと思います……。

 

 

一度目の転職活動

新卒で入って生産管理配属されてしばらくはとにかく不貞腐れていました。絶対にこういうことを自分で言ってはいけないのですがそこそこ高学歴だったので、さすがに何かしら技術職のポストが宛てがわれるものだと思ってたからです。

技術職の勤務地は基本的に全国各地の田舎でしたが、配属先に関しては全然抵抗はないつもりでした。趣味が読書なので基本的には書物があればまあ生活は楽しいし、研究所や工場の設備が充実してて平日は色々な仕事ができて楽しいだろうな〜という希望的観測があったからです。

ですが、上記の考えは自分があくまで研究、開発、あるいは設計などの想定していた範囲の部署に配属されることを前提としたものでした。技術系の部署ではなく生産管理に配属されて、工場内の物品管理や発注をして、人手が足りない時(しょっちゅうある)には現場に入ってライン作業手伝って……という生活になるとつまんなさすぎてストレスが溜まってしまいます。

そもそも日中の仕事にある程度手応えを感じることを前提として入社していたので、それがなくなると縁もゆかりもない田舎というものは一気に牢獄と化すのです

周りの人がとても優しくていい方ばかりだったのでメンタルこそ崩しませんでしたが、ふとした瞬間に感情の命綱を引きちぎってしまいそうになるくらいピリピリした自分がいました。

 

半年も経ってないうちから辞めたくてしょうがなかったので、夏頃に1回転職活動をやり始めました。ただ、その当時は「辞めたい!」「なんでこんなことになったんだ!ここは本来俺がいる場所ではない!」という思いあがった偉そうな気持ちが先走りすぎて、一切転職の軸が定まっていませんでした。

とりあえず一番大手の転職エージェント経由で第二新卒で募集してる大手メーカーの研究開発や設計職の求人に片っ端から応募し、書類通過した数少ない企業の面接で甘すぎる転職理由を詰められて簡単にボロを出して撃沈してしまいました。

あっという間に全落ちして弾数を失い、「俺は何をやっているのだろう……」と途方に暮れ、そして我に返ります。

 

「上司に部署異動したいって直談判するしかねえ!」

 

部署異動したいと上司に訴えることは大きなリスクを伴います。要は「俺はこの部署で働きたくないです!」という訴えに他ならないからです。

とは言いつつも、生産管理をやり続けたくないし転職先も簡単に見つからない以上、もう動くしかない。そう思い、勇気を出して上司にご相談をしました。

返答は「開発設計に移るのは無理。生産管理でも色々やりがいがあるから一緒に探して行こう」というものでした。上司なりの最大限こちらに気を遣った表現であることは理解できました。

単純なもので話したらスッキリしたのか不本意な配属だったけど、生産管理として成長できるようにもう少し仕事を続けていこう……」とその時は心を切り替えました。これでそのまま続けていければよかったのですが、そうはいかなかったです。

 

本格的な転職活動に至るまで

転職エージェントに転職活動休止の連絡をして、しばらくはいつも通り仕事を続けました。仕事内容としては前述の通りですが、なにか技術的な真似事でもいいからやりたかったのでVBAをさくっと勉強してExcelAccessの事務作業を自動化したりしてました。(この経験は転職活動で少しは役に立つことになります)

しばらくは田舎の工場でのびのびとやっていたのですが、転機となったのは出張で自分が勤務していた工場と別の地方の工場に生産応援に行くことになったことです。

そちらの工場の生産台数が増えて人手が足りなくなってきたため、僻地からまた別の僻地へと飛ばされることになりました。期間は三カ月という話でしたが、現場の出張経験のある人に話を聞く限りだと「いつの間にか延長されてなんやかんや一年以上の長期出張が基本」とのことでした……。

まあ田舎から別の田舎に飛ばされるだけだし別にいいか……と思っていたのですが、移ってみると全然違いました。前の田舎は一応近くにコンビニやバス停があって近くの街まで買い出しに行くことができたのですが、出張先は工場の周りが見渡す限り田んぼで徒歩30分圏内にコンビニとバス停がなく、最寄り駅までは歩いておよそ2時間という陸の孤島でした。当たり前ですが車を持っていないと人権がありません。逆に言うと車があれば生活に問題ないのですが、すぐ近くに公共交通機関すらない環境が個人的にすごくストレスになりました。

生産ライン応援のための出張なので、毎日ライン作業をメインで合間合間に事務作業を挟み、残業して台数を上げる……という日々になっていきました。

出張先の現場の人も優しく人間関係で問題はなかったのですが、出張前と比べて単純作業を長時間繰り返す日々が苦痛となり、また田舎特有の周りの何もなさに虚しさを感じました。残業を毎日しているので給料はそれなりに入ってきましたが、そのお金を使う先がありません。休日に往復数時間かけて何とか近くの都市に出て、そこで買い出しをしてラーメンを食べて帰るのが唯一の心の支えでした。

そんな状況の中でも粛々と仕事をこなしているといつの間にか年末になっていて、実家に帰省しました。久しぶりに住み慣れた地元に戻り、家の布団の中でふとこれからに思いを馳せた時に「この仕事無理だな」と、ふと思いました。

「辞めたい」とか「なんで俺が」とか、入社直後にあったそういう悔しい気持ちよりは、単純に自分にとってこの仕事は受け入れられないし「あ、これは無理だな」と気づきを得たような感覚でした。

長期出張の合間に起きた友人の死や長年応援していたアイドルグループの解散と推しの芸能界引退など、心の支えが次々折られていったことも起因していたかもしれません。

 

そして年明け、仕事初めの時に上司が久々に出張して面会に来て申し訳なさそうに「申し訳ないけどもう半年ほど出張を延長してくれないか?」と告げられました。断れるわけもないのでその言葉に曖昧な表情で頷きながら、私はその時「転職しよう」と初めて明確に決意をしました。

 

二回目の転職活動

転職に向けた準備

二回目の転職活動を行うにあたって、まず初めに自分が何をやりたいかの分析と労働条件の優先順位を決めて、大学時代の研究内容と現職の仕事内容の棚卸を徹底的に行いました。第二新卒枠を狙って活動していくことになるので、大学院時代の研究も結構見られるからです。

これらの条件の掘り下げにあたっては、以下の書籍などを参考にしました。

 

 

 

分析を進めるにつれて、技術力をベースに何かを『創る』ことがメインの仕事じゃないと嫌だ!と思ったので、業界は広く見ながらも研究開発・設計職をメインに探していくことにしました。

 

転職エージェント活用

ある程度転職時に要求する条件が固まると、休止していた転職エージェントを連絡し、一回目の転職では行っていなかった複数の転職サイトに登録しエージェントと相談をしました。

求人数の多そうな大手二社の第二新卒のエージェント(R,Mから始まるあれです)に加えて、技術職で転職したいという目的を達成するために製造業特化のエージェントと大学院卒以上メインのエージェントを使用することにしました。

並行してエージェントを経由しない転職サイトにも登録し、さらに気になる企業のホームページやTwitterも見つつ第二新卒で応募できそうな求人はないか探しました。(ほぼありませんでしたが……)

転職活動を進める中での所感として、大手エージェントはサポートが正直微妙でした。

片方はこちらが話した転職の条件を無視して「受けるつもりは一切ない」と言ったはずの技術派遣や生産管理系の求人を送り続けてきたので、すぐにお断りをさせていただくことになりました。もう片方は基本放任であまり連絡もなかったので、サイトの求人内容で気になるものがあった時はお願いするという形でした。

一方で専門特化エージェントの方々はかなりサポートが手厚かったです。特に製造業特化エージェントの方には履歴書や職務経歴書のアピールの仕方から面接時の戦略に至るまで手厚くサポートいただきました。最終的には自分で応募した求人で通った会社に内定をもらったわけですが、この方には感謝してもしきれません。

エージェントを複数併用していることで研究開発職を中心に色々な求人に応募することが出来ましたが、予定の調整が大変でした。面接はオンラインですが基本的に平日に行われ、有給を使って対応することになります。そのため、有給を取りづらい企業はそれだけで転職のハードルが高いと思います……。

私の場合は志望度が高い企業をなるべく並列して進められるように調整を行いつつ、志望度の低い企業から先に面接を受けて悪かったところをフィードバックしつつ本命に臨むといった流れを組みました。複数のエージェントを併用していると言うと、まともなエージェントならある程度日程調整の融通を効かせてくれますので下手に隠さないようにした方が良いと思います。

 

書類・試験対策

第二新卒の求人は当たり前ですが新卒よりも枠が少なく人数充足次第終了であることがほとんどなので、求人内容を精査して自分の中で受けたいという求人には早めに応募しておいた方がいいと思います。(書類通過で面接日程待ちの段階で人数充足で見送りというケースが何件かありました)

また転職の求人は新卒の場合と違って送付する書類がきっちり決まっていないケースが多かったので、自分の場合は履歴書と職務経歴書に加えて大学院時代の研究内容の要旨や身につけているスキルの一覧などをまとめたものを一緒に送付していました。実際どれほど効果があったかはわかりませんが、書類突破率は想定していたよりは高かったように思えます。(70パーセントくらい?)

第二新卒求人とかだと、新卒同様にwebテストが設定されていることが多いです。だいたいは普通のSPIなので、自信がないならめんどくさがらずにメルカリで対策本を買って対策しましょう。

技術力を売りにしている企業だと、独自でコードテストやソフトウェア関連の論述テストを設けている企業もありました。これらの対策は一朝一夕とはいかないので、二卒で通ろうと思うなら転職エージェントに確認をしつつ相当しっかり準備する必要があると思います。(頑張って解いたけど自分の頭が悪くて通らなかった……)

 

面接対策

面接内容についてですが、第二新卒だと『なぜ新卒で入った会社をすぐ辞めて転職する必要があるのか?』という質問は必ず飛んできますし、そこで面接官を納得させられなかったら間違いなく落ちます。まあ最大限ストーリーを練って自分の思いを乗せてお話しすると、基本的には納得してくれるので大丈夫です。(一回目の転職活動の時はこの基本的なところがガバガバだった……)

その最初の振るいを突破して、初めて志望理由や今まで頑張ってきたことの掘り下げなど普通の面接対策が意味をなすわけです。

自分が大学院卒だったのもありますし、入社してまだ一年経っていなかったのもあって、掘り下げられるのは主に大学時代の研究内容でした。企業によっては学生時代打ち込んだことなど新卒採用で聞くような質問を普通にしてくることもありました。

新卒採用と違うのは、研究内容を掘り下げられる中で「その会社の募集ポジションとマッチしそうな部分はあるか」が割と探られていた気がします。自分の研究内容はニッチで特殊なものだったのですが、研究の過程で回路を組んだりプログラムを書いたりしていたのでその部分を主軸にアピールしていきました。

大学時代の研究内容ほどではありませんが、第二新卒でも現職で頑張ったところは聞かれることは多いです。とは言ってもたいていの企業は短期離職の面接者相手にそこまでの回答に期待はしていなさそうでしたが、ここで前述のVBAによる事務作業の自動化の話をするとそこそこウケが良かったです。何かエピソードがあった方がいいとは思います。

 

企業選定

しっかり面接対策を行ってブラッシュアップしながら面接をすると、面接で手ごたえのある企業はだいたい一次面接が通るようになりました。しかしながら有給の日数は限られており、企業によってはコロナ禍でも最終面接が現地のこともあるので企業を絞らなければいけません。そのために一次面接時や、次回面接までの日程調整期間の間にできるだけ色々な質問をしてその企業が本当に自分の志望とマッチングしているかを探りました。

応募先の部署の仕事内容や仕事の進め方について確認するのはもちろんのこと、社内の教育制度や異動制度がどうなっているかについても念入りに確認しました。新卒で入った会社はOJT丸投げかつ部署異動を希望できる制度などが一切存在しなかったため、同じ過ちをなるべく繰り返したくなかったからです。

これらに加えて一次面接で通った企業に対して、配属予定部署の社員とオンライン面談をお願いして話を聞くようにしていました。面接を行うのは人事や部署の責任者クラスですが、一緒に働く人がどんな人かやどう働いているかがよく確認できるからです。このお願いに応じてくれない企業もありますが、そういう企業は大体面接の時点で「ここは違うな」と感じていることが多いです。

これらの情報を踏まえて、「自分の希望と違うな」と思った企業にはお断りを入れるようにしていました。選り好みはいけませんが、とにかく技術職に移りたいからと焦って転職して労働環境が前より悪くなると本末転倒だからです。

これらの面接対策を含めて約一か月半、とにかく転職活動に集中して半休・全休をうまく活用しながら面接を進めていきました。繰り返しになりますが、有給が取りづらい企業だと転職活動はかなり難しいだろうと思います。この点については恵まれた環境でした。

 

内定後から退職の流れ

約一カ月半の転職活動の末、最終的に第一、第二希望の会社に落ちて、第三希望の会社に内定を頂きました。労働条件を比較して、内定先部署の人などと話して色々質問して熟考した後に転職することを決意致しました。

決意をしてからは後は簡単です。上司に連絡をして辞意を伝えて面談を行い日程を決定して、人事部宛に退職届を提出して諸々の手続きを行って終了です。新卒で入ってまだ一年も経っておらず大した仕事もしていなかったので慰留はほぼありませんでした。

退職の意志を伝えた時に知ったのですが、上司は私が生産管理の仕事を望んでいなかったことを心配して、希望していた開発や設計部署ではありませんが別の部署に異動できるよう交渉を裏で進めてくれていたようです。結果的に転職先の企業の方が良かったので転職しましたが、不貞腐れずに日々の仕事を頑張りながら「部署を移りたい」というアピールを行うことは必ずしも無駄ではないと感じました。

こうして、退職の手続きを済ませると後は最終出社日までに仕事をこなすのみです。誰にも言ってないはずの退職の情報をなぜか工場の人全員が知っていましたが、周囲の方々はみんな優しくエールを送ってくれて、本当にいい人ばかりの部署に配属されてよかったなと思いました。仕事内容は全く合いませんでしたが、人間関係では本当に恵まれていたと思います。

そうして最終出社日を終えると新天地に引っ越し、一カ月程度の無職期間を満喫して第二新卒による入社から一年経って今に至ります……。

 

 

転職前後でどう変わったか

前職と比べると、仕事内容や環境など何から何までガラッと変わりました。

もちろん前の仕事と比較して良くなったところもあれば悪くなったところもあります。

 

転職して良かったこと

転職してよかった点は主にこの3つになります。

 

  1. 仕事内容が納得できるものになった。
  2. 居住地が良くなった。
  3. 労働形態に余裕が出るようになった。

 

まず第一として、仕事内容が劇的に納得いくものになったことです。元々新卒時の就職活動時に志望していたソフトウェア系の技術開発職に転職することができました。大学時代の専攻とはあまり重なってはいないため、キャッチアップしなければならないところは沢山ありますが、日々自分の成長と生きている実感を得ています。

そして、居住地が田舎の工場近くからある程度都市部になったことで、周りに色々飲食店や大きい本屋や美術館などがあったりと、日々の暮らしが劇的に良いものとなりました。最低限度のライフラインがあれば人は生きていけますが、楽しく生きるためには周りに『文化』が必要なんだと実感しました。マクドナルドや王将が近くにない街ではもう生きていけません……。

最後に労働環境についてです。前職は職種の都合上、基本的には工場に張り付いていないければいけないし残業して作業を手伝うことも割と頻繁にありました。職種を変えたことで現在はリモートワークがメインとなり、時間の融通が効きやすく快適に過ごしています。もうフル出社に戻ることはできないかもしれません……。

良くなった点とは少し違いますが、新しい部署でも人間関係は良好です。技術系の部署ということで、非常に専門知識に詳しい方も多数おり、自分もそうなれるように今は研鑽中といったところでしょうか。(追いつけるのか……?と不安になることもありますが)

上記の内容はまさに転職によって変えたかったポイントなので、おおむね転職は成功したといってもよいのではないかと思います。

 

転職して悪かったこと

基本的に『転職しなければよかった』と思ったことは今のところはありません。ただ、もちろん前の会社と比較して悪くなったポイントはあります。

前職と比較すると規模が小さい会社に移ったため、将来的な給与見込みは下がりました。と言っても、業界平均よりは上ですし生活して行く分には問題ないので今のところそこまで不満がある訳ではありません。

また、勤務地がある程度の都市になり生活費用は高くなりましたし、住居手当などの福利厚生は前職と比べて微妙です。

しかしながら上記の事項は転職前にわかっていたことであり、また自分の中で妥協するポイントだったので特に不満はありません。これらの待遇を上げたくなった時にまた転職できるように、将来的なことも見据えながら仕事に取り組んでいきます。

 

 

これからについて

現状の仕事および労働環境には特に不満がなく、やりたいことがあるというありがたい状態なので暫くは今の会社でキャリアを積んでいこうと思います。

前職はとにかく毎日の仕事が嫌だったから、突き動かされるかのように転職活動に臨みました。そして現在、転職の目的は達成されたので本来は新卒時に叶える予定だったキャリアに向けて一歩ずつ着実に進んでいこうと思います。

仕事を通じて実現したいことや貢献したいことは沢山ありますし、個人としてもやりたいことは沢山あります。結局時間は有限なので優先順位をつけなきゃいけないですが、後々振り返った時に後悔がないようにここぞという選択を自分の責任で決めきれるような人生であり続けようと思います。

 

最後に

配属ガチャという言葉は就職するまでは他人事でした。自分が当事者になってみて初めてその「しんどさ」が身に染みてわかります。

中高や大学の同期の話などを聞くと、楽しく大企業で働いていたり、キツい部署に配属になって疲弊していたり、自分と同じように見切りをつけて転職していたりと様々です。色々な話を聞く限り、学歴や大学時代の実績があまり影響してるようには見えません。適当に就活して上手くいってる人もいれば、優秀でしっかりと就活をこなして企業に入ったはずの人が脳筋系部署で働いていたり、どこまで行っても運は付き纏ってくるものなのかもしれません。

自分が運よく転職して今それなりに働けているのも、突き詰めると運の要素が大きいと思います。そもそも就職氷河期という時代に生まれていたら、まともに就職すらできなかったでしょうし。

ただ、運のほかに大事だと思うことは「自分がしたいことを突き通すにはどうしたらよいかを考え続ける」ことだと思います。

新卒で選んだ企業はその時はしっかりとした考えに基づいて選んだつもりでしたが、今思うとネームバリューと博士課程進学断念の悔しさをごまかすために選んでいた部分が大きいと思います。

 

  • すべきことは何かを考える。
  • ベストな選択肢をその中から選ぶ。
  • 徹底的にどうなるか脳内でシミュレーション。
  • 上から目線は絶対にやめる。
  • その選択を実現するためのアクションを考える。
  • ダメだった時のリカバリーを決めておく。

 

最低限これくらいは意識して動くべきでした。そうすれば不幸なミスマッチは最初からある程度防げただろうし、起こったとしてももう少し余裕をもって動くことができたのではないかと思います。

すべて「たられば」ですが、思えば大学院時代の後期にしっかり自分と向き合わずに逃げたツケを1年かけて払うことになった形です。

割と人生は残酷なもので、しんどいときほど落ち着いて自分としっかり向き合わねばならないんだな……と新卒の配属から転職に至るまででひしひしと実感しました。

 

最後になりますが、自分と同じような境遇の人は山ほどいると思います。毎年Twitterでわんさか出てきますし。

そしてその大半は割り切って働いているか、自分のように退職するか、病んで休職しているか、のいずれかではないかと思います。

入社してすぐの第二新卒は精神的なハードルも難易度もそう低くはなく、先人の例を探してもあまり見つからないと思います。自分も当時は血眼で同じような境遇で転職成功して研究開発移った人を探しましたが、ほぼいませんでした。

なので、非常に抽象的な表現と嘘を混ぜまくりながらになりますが、転職して一年という節目に後進の同じような境遇の人にこのブログを書き残しておくことにしました。当時の気持ちを忘れたくないという意味があります。

ちょうど今日は4月1日、2022年度卒の新社会人がまた大量に配属ガチャで失敗して悲鳴を上げ始める時期だと思います。

 

そういう方々、特に大学院を卒業してプライドだけ高く目の前の仕事が受け入れられないかつての自分のような方へ、心の助けになるというか、「最悪ごねて転職するのもアリかな……」という選択肢の一つを感じられたならと思います。

 

自分は今後、入社一年もたたずに速攻転職した根性なしの中ではしぶとく生き残っているやつになれるように粘っていこうと思います。

 

それでは皆さん、良い人生を送りましょう。

 

 

 

 

2022.04.01 エイプリルフール