孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

2024年3月に読み終わった本リスト

3月の本の感想の整理をさぼっているうちに気が付いたら桜咲いて、散って、GW突入して、抜けていました。

 

 

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

大規模言語モデル入門

二月くらいから読み始めて、三月後半にようやく読み終わり。

LLMの骨子となるTransformerの解説から始まり、GPTなどを始めとするLLMの基礎、パラメータ数やデータセット数の進展、ファインチューニング方法、各タスクごとの章の解説がされている。jupyter notebookでコードがまとめられており一緒に走らせることによって理解も深められる。何よりありがたかったのは2章のTransformerの解説で、ネット記事などで読んでピンとこなかった注意機構のイメージがようやくぼんやりと掴めた気がする。。。

 

参考(本書のgithub):

github.com

 

 

星を編む

『汝、星の如く』の続編にあたる1冊。図書館で同時に予約したら続編の方だけ先に順番が来てしまい、先に読むという形になってしまった……。

何というか、他者だったり世間だったりに最大限配慮したりして生きている人間のキモい部分が現れたキモい小説だった。つらつらキモいやつらの1ミリも感情移入できない論調や色恋模様が描かれていて、面白かったと言われれば素直に首を縦に振れないのだが読んでいて退屈はしなかった。大学院生から教師になった人の謎の自意識でリスクとって子供受け入れるくだりも、女性編集者の剥き出しの自意識もそうせざるを得なかった陰湿な編集部の環境も、『これからのパートナーのあり方』をご高説されてるかのような最後の夫婦生活がずっと流れていく章も、収録されている3本の章が全部もれなくじんわりとキモい。でもキモさに謎の納得感がある。人間とは本来こんなに狙ってもないのに何故かキモくなれるものなのだ。

前作は本屋大賞のはずだし、所謂『本好き』はこういう小説が好きなんですかね。余談になるけど同じ本屋大賞の推し、燃ゆは普通につまんなかったです。この本はつまんない訳ではありません、キモいだけです。

 

 

 

プログラマー脳 ~優れたプログラマーになるための認知科学に基づくアプローチ

認知科学の観点からどのようにプログラミングを習熟するかが書かれた話。記憶の分類を長期記憶、短期記憶、ワーキングメモリの3つに分類しており、それぞれに応じた混乱がコードを読むときに生じ、認知負荷がかかるとのこと。

コードを読む際の注意すべきポイント、注目すべき箇所などが解説されており、本書の内容を踏まえてコードを読めば三つの記憶のどこに負荷がかかっているかを炙り出すことができる。仕事でそんな難しいコードは書いてないけど、それでも人のコード見てウェッてなることは結構あるので試していきたい。

 

 

 

ゲーム界のトップに立った天才プログラマー 岩田聡の原点: 高校同期生26人の証言

HAL研から任天堂社長を務めた岩田聡氏の札幌南高校時代の同級生たちによる、回顧録。どうやら電子書籍のみの出版のようだ。

当時から頭が良すぎて授業そっちのけで9桁の数字が映し出されるだけの電卓で頑張ってゲームを作っていたり、未経験ながらインターハイや国体に出場経験もある強豪バレー部に入部し熱心に練習する(といっても補欠だったようだが)岩田氏の学生時代が懐古されている。岩田氏が当時から数字に強く、自前のプログラム電卓で試合のスコアやサーブ・アタック決定率を分析していたのも面白いしそれらが全く有効に使われていなかったのも面白い。卒業式に和服の仮装をして同級生の担ぎ篭を持ち入場するなど、おちゃめな姿の写真もあり岩田氏は意外とノリが良くてお茶目な人物だったことが本書からわかる。

岩田氏は亡くなる直前に参加予定だったバレー部の同期の集まりを多忙を理由にキャンセルしており、同級生ですらニュースで初めて容態が悪くて亡くなるほどであったことを知ったという。岩田氏の素の人物像の一面が色々うかがえる面白い本だった。

 

 

 

ルポ歌舞伎町

歌舞伎町の裏事情についてルポライターが取材した本。歌舞伎町の『思い出の抜け道』には中国人が隠れて住む意外な場所がある、ホストや風俗嬢のお金事情、黒人ぼったくりバーの店主への取材、風俗嬢へのストーカー撲滅を裏の仕事をする男……などトピックは面白そうなのだが、各章全体的に取材が浅くて絶妙に物足りない。週刊誌に載ってる三文記事のレベルを出てない感じ。

まあ本当にギリギリのところまで載せたらやばいと言うのは理解するが、とはいえ情報として表に出せないものが多いのならば、取材結果からせめて何か問題提起するなり自分の意見を出すなり、もうちょっとなんか書いて欲しかった。ネット記事に似たような内容ありそうだし別に読まなくていい本だと思う。(この人が原作の西成の取材漫画も1巻だけkindleで読んだけど全然全然面白くなかった)

 

 

 

AIファースト・カンパニー――アルゴリズムとネットワークが経済を支配する新時代の経営戦略

AIを活用した組織運用についてまとめられた意識が高そうな本。難しい理論自体はないのでビジネス書に近いが、組織運営的な話は結構マクロな視点で難しいところはあると思った。

Amazon、アントオフィシャル(アリババの電子決済の運用企業)、NetFlixMicrosoft、ウーバーなど組織運営にAI、ソフトウェア、分析を組み込んだ企業の事例を踏まえつつ、組織体制の重要さを語っている。データ収集→AIなどによる分析→意思決定による組織運用体制(オペレーティングモデル)の有効性や効力だけでなく、それがどのように既存のシステムと食い合うか、新たなサービスをいかに持続可能なものに成長させていくかなどが語られている。

 

 

 

GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた ドキュメントの活用でオフィスなしでも最大の成果を出すグローバル企業のしくみ

世界最大のリモート企業と呼ばれているGitLabの組織づくりが解説された本。今働いている会社もリモートメインの勤務体制であり、どれだけ世界的な企業と差があるのか気になって読んでみた。本書の内容のベースは一般にも公開されている『GitLab HandBook』にあり、ここにあらゆる情報が集約され更新されて一元管理されており揮発性の低い情報源となっている。

GitLabでは情報を集約するドキュメント文化、GitLab Valueと呼ばれる6つのコアバリューとそれに対応するアクションの定義を行い、さらにはそれを運用ルールに落とし込んで評価項目にも紐づいている。この徹底ぶりは中々容易には実現できないが、個々の周知を徹底すると強いんだろうというのは読んでいて想像できるし、今勤めている会社の運用体制ではこのレベルまでは到底徹底できていない。印象的なのは『昇進を望まないメンバーも働けるプランを用意する』『360°フィードバックを評価ではなく能力開発に使用する』など。GitLabなどの有名な多国籍リモート企業でもやっぱり人材をいかに定着させるか、成長させるかには苦心して工夫を重ねているんだなあと思った。

 

参考:

handbook.gitlab.com

 

 

 

年齢学序説

博多大吉が書いた本ということで、ブックオフで安く売っていたのを買って読んでみたけどあんまりだった。基本的には偉大なお笑い芸人は26歳でなにか人生の転機を迎えている!っていう内容で主張内容は都市伝説めいたものに近い(元々そういう番組の企画から書籍の来たんだとか)。ダウンタウンの『ガキの使い』、とんねるずの『おかげでした』、明石家さんまひょうきん族高田純次の代打でブラックデビルとして出演、華丸大吉の児玉清モノマネを始めた、などが全て26歳の時のことらしい。へ~。

まあ風呂敷を広げてミュージシャンだのプロレスラーだの漫画家など、様々な他ジャンルに広げていって26歳以降でも何かを成し遂げている人の例とかめちゃくちゃ出てきて、例外が沢山出てきて自分で自分の首を絞めるような形でグダグダと終わった印象。多分コラムくらいの長さなら面白い文章だったんだけど、単行本くらいの文量になるとボロが出ちゃうんだろうなぁと感じた。

年表とかもあって、芸能人や有名人の雑学を吸収したい人は話半分で読んでもいいかも。

 

 

 

 

確率統計を人に教えられる本: 対話形式でスラスラ読めるほのぼの確率統計学

かの有名なマセマの本。実は高校大学通してマセマ読んだことなくて、初めて読んだけど途中式がかなり丁寧に書いてあってとっつきやすくていいなと思った。

基本は高校レベルに毛が生えた確率統計の話だけど、その延長線で最終的にはマルコフ過程の基本の考え方まで触れていたりと割とありがたい。この本だけで集合~確率~統計~行列周りの基本的な計算方法はわかるが、詳しい導出や統計検定クラスの難易度の問題を解くにはもう少し上のレベルの本が必要になるだろう。頑張ります……。

 

 

 

マツダスカイアクティブエンジンの開発: 高効率と低燃費を目指して

マツダのSKYACTIVを開発した人見光夫氏が監修したSKYACTIV開発全般に関する本。ブックオフで気軽に買い、流し読みした。

当然技術的な話が深く載っており、理論の深いところを理解するのは難しいがざっくりとSKYACTIVが従来のガソリンエンジンでは理論上ありえないとされていた低燃費・高効率を実現したことは伝わってくる。その発端となったのが実験でガソリンエンジンの圧縮比を思い切って一気に上げた時に意外とトルクが下がらなかったといういわば極端なパラメータを振った時の偶然の発見に起因するものであり、業界の『常識』が本当に妥当かを疑うことの重要性がよくわかる。エンジンの機械設計・CAE・生産・エネルギー供給など総合的に語られており、車や機械工学周りに詳しい人には中々面白い本であるはず(そうでもない自分でも雰囲気は楽しめた)。

 

 

2024年2月に読み終わった本リスト

もう3月も終わりなんですってね。

 

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

 

林業の魅力と専門職大学

静岡県立農林環境専門職大学の教員たちが、専門職大学の教育ならびに実践的な農林業教育や内容について記した本。たまにこういう全く自分と関係ない本を読みたくなるんだけど、面白かった。『専門職大学』とは2017年度に制定された新しい学校形態(そんな新しいものだったのか)であり、四年制かつ大学より実学・専門教育に重きを置いてカリキュラムが制定されているらしい。

3部構成で第1部は流通・加工・経営に至るまで総合的に学び県の農業従事者として進むための教育カリキュラム周辺に関する話、2部はいちごの品種開発、メロン温室栽培、畜産や林業などを例とした実習に関する話、そして3部は地域貢献や農業文化、国際交流(特に先進的なオランダの専門職大学による研究&農業技術の還元の話がメイン)についての話がそれぞれ述べられている。

第2部の5章で書かれているいちごの品種開発については、あの紅ほっぺを開発した人の話が書かれておりいちごの品種改良の苦労から栽培・流通の整理、新品種として普及するまでの話が事細かに書かれている。この章は特に面白かった。

 

 

 

アグリカルチャー4.0の時代 農村DX革命

著者は日本総研コンサルタントたち。農村DXという農業AIのアイディアを発展させ、農村生活圏全体でDX化を進めるような取り組みについて書かれている。

農業従事者の高齢化、耕作放棄地の増加などの問題と規制緩和に伴う農業の法人化傾向について触れ、日本のスマート農業技術の発展・DX化を通じて儲かる農業→誰でもできる農業→安心できる農業→ラストリゾートとしての農業、と4ステップでの事業実現を目指している。

この本は日本総研コンサルタントが書いたと言ったが、筆者らは実際にMY DONKEYと呼ばれる多機能農業ロボットの開発に携わっておりライターが書いた本と比べるとテクノロジー面での解説も一歩深く読みやすい印象を受けた。

 

 

 

偏差値70からの甲子園 僕たちは野球も学業も頂点を目指す (集英社文庫)

名前に惹かれて購入。厳密には偏差値70以下の高校もあるが、公立進学校の強豪校野球部について取材した一冊。取材されている高校は松山東済々黌(熊本)、彦根東時習館(愛知)、青森、佐賀西。いずれもその県に住んでいる住民なら誰もが知る名門公立高校であることは間違いないと思う。

インタビューを通じて、強豪公立高校野球部に共通するのは練習時間の少なさと、選手たちの自主性をチームの基軸にしているところだった(そうしないと強豪校に勝てないという発言がありなるほどと思った)。彦根東高校はグラウンドが極めて狭いから日毎に色々な場所に移動して場所に応じた練習を集中的に行ったり、佐賀西高校ではおにぎりなどの捕食を行い選手の線を太くしたりなど、高校独自の工夫や性質も面白い。

この本でひとつとても残念なのは、インタビュアーである作者に大学受験の知見がなさすぎることである。自身が筋肉バカだったという前書きもあるしスポーツ専門のライターなので仕方ないとは思うが、選手や監督のインタビューに対する回答も野球に関しては上手く聞き出せているが、受験部分との両立に関しては『やっぱり頭のいい学校は違う』程度の安い感想に終始して深い質問ができていない。受験経験とスポーツ経験を両立したインタビュアーが書けばこの本はもっと面白くなっただろう。

 

 

 

企業研究者のための人生設計ガイド 進学・留学・就職から自己啓発・転職・リストラ対策まで (ブルーバックス)

安かったのでとりあえず買ってみた。

タイトルから今現在企業に務めている研究者がこれからどのようにキャリアを描いていくか、ということに主眼を置いた本かと思いきや大学院生に向けて企業研究者(それも筆者が勤めていた製薬企業関連のみ)について自身のキャリアをベースに語るという本だった。タイトルとのミスマッチが中々だと思う。著者自身の来歴はまあ面白かったのだが、キャリア形成に役に立つかと言われたらすでに社会人の読者はもちろんNOだし、大学生が見てもあんまりではないかと思う。

 

 

 

建設テック革命 アナログな建設産業が最新テクノロジーで生まれ変わる

効率化が遅れている建築業界のICT化、DX化がいよいよ本格的に進んでいるぞ!って感じで色々技術やゼネコン業界の動向を紹介する1冊。カラー刷りで全体的に見やすい。

2025年までの10年間で約1/3の職人が建設業界を去るとの予測が出ており、ドローンによる測量、三次元データを活用した建設プロジェクトの効率化、ロボット、AIによるインフラ維持管理、スタートアップ企業による建設産業の新規サービスが語られている。

本書を踏まえ、建設業界の近況を調べたところ、2015→2022年度時点で330→300万人程度と意外と減っていない印象だったが、よく調べてみると外国人労働者の力を借りているからのようだ。

本書は建設テックを活用して日本人だけで作業を行うことを暗黙の前提にしている節があるが、現場からしてみればテクノロジーの発展を待つよりも安く買い叩ける労働者を持ってくることが現実解になってしまっているのだろう……。

 

www.nikkenren.com

 

willof-work.co.jp

 

 

 

AI時代の企業戦略: 第4次産業革命IT技術に基づく

スタジオアリスの副社長でもある著者による、経営観点から人工知能の活用について書かれた本……という触れ込みだが、実態は人工知能が重要となるポイントは本書中には存在していない。

本書は二部構成になっており、第一部は産業革命を振り返りつつ第四次産業革命により何が変わりうるのかっていうことをツラツラと書いている。ICTの普及によりタブレット化するとか、AIが各所に導入されていく~とかどこにでも書いてあることが書かれており読む価値は低い。細かいところだけどIoT(Internet of Things)のことをずっと大文字でIOTと書いているのが気になった。

第二部はスタジオアリスの歴史や戦略の話で「何故スタジオアリスが業界トップになれたか、それが普遍的な条件かを10の仮説から検証する」とかいう冒頭でワクワクしながら読んでいったのだが、仮説検証と称しているそれはただの後出しじゃんけんだった。もうこの部分はさすがに酷いので下記を見て雰囲気をつかんでほしい。

 

 

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まず仮説が仮説の形にすらなっていない。なんだよ「成長の罠」に嵌るなって……

 

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後から分析した結果を仮説と合うか持っていくようなやり方は『仮説検証』と言えるのか?また、分析は下に書いてあるレベルでしか行われておらず、そもそも仮説通りだったかどうかすらの結果が書かれていない。

 

 

その後はスタジオアリス成り立ちから現在までの歴史が書かれている。正直読んでいて面白かった(知らなかったことが知れたという意味で)のはこの部分だけである。

ハードカバーでサイズも大きく、AI×企業戦略についてプロが書いた意欲的な本であることを期待したのだが、相当ひどい本だった……。

 

 

 

ヒトは生成AIとセックスできるか―人工知能とロボットの性愛未来学―

タイトル詐欺……とまでは言わないけど「ChatGPTとセックスできるか!?」みたいな帯に書かれている内容の話はほとんど出てこない。基本的にはセックスロボットの是非についての周辺が書かれた本。

セックストイやロボットなどの歴史やテクノロジー、その是非についてめちゃくちゃ真面目に10章くらいで書かれている。筆者はイギリスの学者かつフェミニストでもあり、数々のテクノロジーや先行研究に関する批判をその両輪から遺憾なく発揮している。英国をはじめとする主に欧州のセックスロボットに関する動向や議論を知れたり、ちょっとためになる(使えるかはわからない)エロ豆知識が知れたりしたので個人的に結構面白かった。ただ、読みやすい本ではないだろう。

電マが日立の米国会社から販売されたものであるとか、コーンフレークの発明者がマスターベーション反対過激派であるとか、おもろい話は沢山転がっているので気になった方はぜひ。

 

 

 

プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」

kindleunlimitedで読んだ。トラブル解決の極意その一が「まず腹を括ること」から始まる、とても信頼できる一冊である。まず第一に他責になるな、自分事として腹を括らないとどうにもならないというところから始まるのは説得力がとてもあると思った。

炎上プロジェクトでは時間も予算もないから仮説検証ベースで進める、無駄な会議は減らして必要な会議は必ず継続する、計画はゴールからマイルストーンを刻んで何とか立てる、バッファを最後に積む、こまめに上長に報告を上げて不要な報告会を減らすなど、やりきるにあたって重要な仕事から取り組む方法/無駄な仕事を増やさない方法の両輪から86のテクニックが凝縮されている。

炎上プロジェクトは人を成長させる、嵐の中の船と静かで何もない海の中の船のどちらに乗りたいですか?って後書きにあったけど、それは普通に何もない方やろとは思った。

 

 

 

飛田をめざす者 「爆買い」来襲と一〇〇年の計

kindleunlimitedで読んだ。この筆者は元々普通の営業マンから転職して飛田新地の料亭の経営者・スカウトを経験した人物であり、本書は『飛田で生きる』『飛田の子』に次ぐ三作目となる。本書が出された2016年に飛田新地は100周年とのこと。

筆者はしばらく飛田を離れ実家に家族とともに戻っていたが、店を引継いだ後輩経営者の依頼を受け姉系通り(年齢層の高い嬢が在籍している通り)の店をもう一度受け持つことになる……というあらすじ。

1,2作目では舞台がメイン通りのお店であったこともあり姉系通りとの価格・地価・利回りなどの差や客層の違い、そして前作までと期間が空いていることもあり昔は成り立っていたスカウト経由の女の子の紹介ビジネスが成り立たなくなってきていることや中国人観光客の台頭や客寄せに向けた筆者の取り組みが書かれている。

この本の後書きで著者の奥さんが元飛田嬢であることが初めて判明し、意味が分かると怖い話みたいになっているのが面白かった。

 

 

 

ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす ビッグデータの残酷な現実―――ネットの密かな行動から、私たちの何がわかってしまったのか?

表紙にでかでかと著者の写真が映っている本はゴミの法則を覆す一冊。正直期待していなかったけど面白かった。表紙に写っている『ハーバード数学科のデータサイエンティスト』は米国で主流となっているOk Cupidというマッチングアプリの共同創業者。マッチングアプリを通じて出てきた人間の本当の気持ちが剥き出しになったビッグデータをベースに様々分析している。

よくネットで出てくる女性は自分と同じ年齢の男性を望むが、男性は年齢にかかわらず20歳前後の女性を探すなどというデータも恐らく元はこれだと思う。それ以外にも評価点の分散が高い(好き嫌いがはっきり分かれる)ユーザーの方が人気、顔を隠してマッチングする実験をしてみたら実はデートの満足度が変わらなかった、など色々と男女の集団的な傾向があり面白い。それだけでなく、人種による差異や性的嗜好による差異もデータ分析から可視化されており読みごたえは十分。ウザ過ぎないレベルのアメリカンユーモアを交えた本なので、ほとんどの人がサクサク読めると思う。おすすめ。

この本はちゃんと面白いのに、邦題のタイトルと表紙で損していると思う。

 

 

 

 

 

 

R-1グランプリ2024決勝感想

目次:

 

 

全体感想

 

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こんにちは。今年のR-1グランプリ、面白かったですね!

長年応援してきた街裏ぴんくが優勝ということで視聴後気持ちよくお酒を飲めました!

色々楽しかったので、感想を書きます。

 

 

1本目

真輝志

サクセスストーリー。

ナレーションに対してツッコミを入れる見やすい設定で、ツッコミの過不足のなさが凄かった。軟式ラグビーだとか、途中の女の子のナレーションに移るところとか、英語のところとか、ちょっと味変するところの塩梅も絶妙だった。元々真輝志はここ数年コンスタントに準決勝に上がっている実力派だし、コンビ時代から鍛えられたツッコミ力が光る構成でトップバッターにしてこの大会を一気に盛り上げた立役者だと思う。順番次第ではファイナルもあるレベルのネタだと思ったし、来年も楽しみです。

 

ルシファー吉岡

婚活パーティー

戦原(そよぎはら)さんが婚活パーティーのシステム説明に追われる中でプロセスが積み上がっていって、自己紹介とか本来必要なはずの部分を削ぎ落とされて行く過程が楽しかった。演技とか違和感の自然な巻き取り(なんで28番なのに説明しているの?っていうところとか)が上手すぎて本当に出場資格一回なくなった後もずっとネタ熟成されてたんだなと。1回出場資格が無くなったことでネタが溜まってて完全にプラスに働いていますね。個人の好みで言うと、最後の方はもっとしっちゃかめっちゃかになってもいいかなと思ったけど流石に4分やとそれはムズいかな。

 

街裏ぴんく

石川啄木

単独ライブ行くくらい大好きでずっと上がってほしかった芸人。やけど、最初から大声出し過ぎだったしちょっと緊張で力みすぎていたのかな?と感じた。途中でお客さんがついていけなかったのか「へぇ~」というところがあったりして心配だったけど、意外と高得点でホッとした。この熱さと荒唐無稽な嘘を押し通すパワフルさと人としての説得力が街裏ぴんくの魅力なので、そこがちゃんと評価されていたなという印象。ファンだからひいき目で見てるけど、1本目を見て全然面白くなかったという人がいても違和感がない人を選ぶネタ内容だったとは思う。

 

kento fukaya

マッチングアプリ

最初のじっくり男性のプロフィールを読んで「嫌だよね〜〜〜」って言っているところがピークだった気がする。もっとこっちのあるある路線引っ張って欲しかった。kento fukayaが女性役をやる意義も薄く感じたし、男性目線から嫌な女性のプロフィールの痒い所を突きまくるネタ形式の方がこの設定だとよかったのでは?と思う。

また後半以降はただの荒唐無稽な変なプロフィールの男性が出てくるフリップネタで、途中から同じような展開の続きだし伏線のようでそのまま置きっぱなしのところがチラホラあってちょっと飽きてしまった。地図アプリの人人さんが左に抜けて右から出てくるボケのところとか、何か喩えツッコミで装飾したらもっと面白く見えるのになと思った。全体的に色々面白くなりしろのあるネタだったと思う。

 

寺田寛明

国語辞典コメント欄。

俺が去年ネタ見て微妙だなと思った設定の不自然さ(ことばのレビューサイトと言いながら実態がコメント欄やん!という指摘)がほぼそのまんま改善されている。去年のネタでいろんな人に指摘されたのかな?と思った。

「暗澹たる」らへんからのラッシュはふふっとなったが、最後に前半にでてきた言葉を回収するところがあった方が良かったと思う。全体的に昔からあるフリップネタのスタイルの大喜利を超えたものがなく、4分になると長く感じた。バカリズムからの点は今年も厳しかったですね……。

 

サツマカワRPG

防犯ブザー。

最初からサスケのブザー位まではめっちゃ良かった。はがき職人に面白いやつは一人もいない、のような偏見部分も本人のメッセージが載っていてよかった。

ただ、最後のゾッとする?ようなオチは賛否が分かれるところだろうけど、明確にかなり失速した感じがする。ジェスチャーで「今どういう状況か」というのがわかりにくかったのと、笑いどころはお父さんの声の防犯ブザーが鳴るところだと思うけど本人が「全然面白くない」と言いまくったものだからか全然ウケていなかったと思う。講習会のところで切り上げて3分で終わった方がいいネタの気がした。

 

吉住

デモ。

最初の設定でそのまま走り抜けた感じで、裏切りが欲しかったところはあるけど受け答えがかなり面白かった。やっぱり吉住は悪意ある目で人間を見ていて、その人の厭なところや生活感を描写するのが上手いと思う。良くも悪くも最初の印象のまんまだったけど、ファイナル進出は納得。

 

トンツカタン お抹茶

かりんとうの車。

アホな歌ネタすぎる。くだらないし、4分だとだれるし、音響がなんか一部微妙だったしというところはあるけどかなり好きなタイプのネタでケラケラ笑った。今回最下位というのは賞レースの傾向から見てもすごい納得なんだけど、2021年のR-1の土屋とかもそうなんだけどこういうくだらないものをずっと続ける感じはすごい好き。また来年も見たいな……。

 

どくさいスイッチ企画

ツチノコを発見した人の一生。

最初の口でナレーションも全部言うところを見て、「この感じで4分もたせられるんか?」って思ったけどあっという間に4分経ってしまっていた。素直に面白かった。全部一人で口でやるからこそのスピード感が良い、プロだったらナレーション音声入れて1個1個の大喜利でじっくり攻めていくんだろうけどその分を数とスピードでカバーしている印象だった。バカリズムのコメントの後半はそんなにという意見もわかるけど、個人としてはスピードで補えているのでファイナルもあるかな?と思った。吉住の丁寧さが評価された形かな。

 

 

2本目

吉住

鑑識。

The Wで優勝した時の女審判みたいな構造。『1番にしちゃった』とか『班員結婚式絶対呼ぼうね』みたいなディティールのフレーズが面白い。浮気がばれて吉住が敵に回るという、めちゃくちゃワクワクするこれから面白くなりそうなところで急に終わってしまったのがめちゃくちゃ残念。続編があることまるわかりなネタなので4分でひと段落してほしかったな……とはいえ面白かった。

 

街裏ぴんく

初期メンバー。

これこれ、街裏ぴんくはこれなんですよー!!1本目で高得点で通ったからか明らかに落ち着いていて、荒唐無稽な嘘八百をより一層わかりやすく明快に見せれていたと思う。冷静に考えて「僕はモー娘。の初期メンバーだったんですよ!」って太ったおじさんが言うネタはお笑いのセオリーからいって面白くないんだけど、そこを話し方と熱と構成で押し切る構成が圧巻だった。2本目は明確に街裏ぴんくが頭一つ抜けて面白かったなと思います。

 

ルシファー吉岡

隣人。

これもおもしれー!隣人の声に対するクレームがいつの間にかドラマに対する感想みたいになってるのが良い。『〜〜じゃないんだよ』のところ、時間使って攻めてていいなと思った。ただ、1本目と比べるとルシファー吉岡は傍観者で主体的に物語に介入していないのと、隣の大学生たちの会話が安いラブコメ過ぎるからもっとリアリティがある話の方が個人的には好みだった。とはいえ、本当に優勝してもおかしくないハイクオリティなネタだったと思う。来年も楽しみ……!

 

 

 

架からなかった栄光の架橋

ある日のこと。

 

大阪で用事があり、街をぶらぶら歩いていると、ストリートミュージシャンの歌声が聞こえてきた。

 

……ゆずの『栄光の架橋』だ。

 

遠方に目をやると、道の端っこでギターを片手に大声で熱唱している男性の姿が小さく見える。

 

それ自体はよくある事だ。

人が集まるところには必ずストリートミュージシャンがいて、必ず人の曲を許可もなくカバーしている。私はさして気にもとめず大阪の混みごみした道をそのまま歩き続けていた。

 

男性の歌自体は特別上手くもなかったが、路上で弾き語りをしているくらいだからか別に下手というわけでもなかった。

ただ1点気になったのが、その男性の歌声に全く『伸び』がなかったことだ。息が切れているのか、プツリプツリと張り上げた歌声が伸びずに切れている。

 

近づいていくにつれて、理由がわかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギターを手に声を張り上げて必死にゆずを歌う男性は、ジジイだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

ジジイと言ってもまったくのヨボヨボのじいさんというわけではない。ただ明らかにおっさんとじいさんの間くらいの見た目で、ストリートミュージシャンから連想される年齢を間違いなく大幅に逸脱している。

遠くから見た時に明るい金髪に見えた明るい髪は、真っ白に色素が抜け落ちた天然ブリーチの白髪だった。50歳は多分過ぎていると思うし、少なくとも北川悠仁よりかは歳上そうだ。

ストリートミュージシャンの年齢がオリジナルのアーティストの年齢を超えることって、あるのか。

 

 

そんな初老を超えていそうな男性が、春が近づいているとはいえまだまだ寒い冬の夜空の下、月明かりに照らされて、声を張り上げてゆずの『栄光の架橋』を歌っている。

 

 

 

 

 

いくつもの日々を超えて、たどり着いた今がある________

 

 

 

 

 

の、『今』がこの状況である。

 

 

 

 

 

ハッキリ言って、深みが違う。

北川悠仁の年齢では、境遇ではこの深みは出せない。

これはもはや、ゆずのオリジナルの栄光の架け橋をある意味超えてしまったと言っても過言ではないかもしれない。

 

 

私は、表情にこそ出さなかったが栄光の架橋を熱唱するその男性に心の中で最大級の割れんばかりの拍手を送った。

大阪の街をせかせかと歩く人々は熱唱する男性を一瞥し、ふと嘲笑したかのような顔をして、すぐに何事も無かったかのように通り過ぎていく。生き急いでいる彼らの心の隙間には、男性の短い途切れ途切れの栄光の架橋は架からない。

 

私は実際に行動に移しこそしなかったが100円くらいは投げ入れるくらいの気持ちで、男性の目の前を通り過ぎがてら、開かれたギターケースの中をチラリと覗いた。

 

 

 

小銭は一銭も入っていなかった。

 

 

 

 

私は夜の寒さを味わうかのようにフーッと息を吐きながら、男性の顔を一瞥した。

 

 

ビー玉のようにまん丸で真っ黒な、少年のような瞳だった。

ただ、やはりどう見てもゆずの北川悠仁より歳上の、本当にただの白髪のおじさんだった。

 

 

……このおじさんは、いつから此処で『栄光の架橋』を歌っているんだろうか?

 

一瞬浮かび上がった疑問を振り払い、私は何事もなかったかのように、ストリートミュージシャンの男性を通り過ぎた。

 

背後から、ストリートミュージシャンの男性の歌声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

だからもうっ

 

迷わずにっ、進めばいいっ

 

栄光のっ!架橋へとっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男性の栄光の架橋は、私の心には架からなかった。

 

 

 

 

 

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最近の二郎系ラーメンは値打ちこきすぎている

AIが台頭し、目まぐるしくテクノロジーが進歩する時代。

 

世界情勢は二転三転し、経済はジェットコースターのようにうねっている。

 

 

そんな状況だから、バブルが現れては消えていくのが必然。

タピオカも、唐揚げ専門店も、マリトッツォも、カヌレも街を埋めつくしたかと思ったらあっという間に姿を消した。

きっと、もう少ししたらでかい10円パンとかもどっかに行くのだろう。

 

そんな中で、目下価値が上がり続けて、中世オランダのチューリップみたいな状況になっているのが所謂二郎系ラーメンである。

 

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画像フォルダスクロールバーッてしたら出てきたラーメン二郎桜台店を例に

 

 

 

これは自分も大好きであり、特に学生時代はよく食べに行った。

最近は年齢のせいか食えなくなった……ということはあまりなく、足を運んだ時は普通に麺300g豚増し全マシみたいな注文でモリモリ食べている。普通に全然好きである。あんまり俺を舐めるなよ。

 

だが、最近自分の足が二郎系の(たいがい)黄色い看板から遠のき始めている。

それは何故か?

 

 

二郎系ラーメンは、最近値打ちこきすぎているからである。

 

明らかに過大評価されすぎだ。

 

過大評価されすぎた結果、めちゃくちゃ並んでいる。並びすぎている。腹を空かせた成人男性の大群が250mlの黒烏龍茶を片手に突撃してきている。飢えている彼らは、もはや二郎的なラーメンなら何でもいいのでそこら辺一帯の二郎系を検索し集う。

その結果、「あそこから空いてるし入ろうかな〜」と何の気なしに行った微妙な二郎インスパイアの店ですら、並んでいる。

仕方ないから近くにある昔からあるそこそこ有名なあっさり系の美味しいラーメン屋とかに行ったりすると、並ばずにスっと入れたりする。

 

いやいや、逆や逆〜〜〜!!!

インスパイア系の二郎、言うて大したことないって〜〜〜〜!!!

 

 

そう心の中で突っ込むわけである。

 

 

そんなこんなで二郎系に並びすぎる日本人を見て、日本の未来が心配になっている訳だが。

 

この前衝撃的な出来事があった。

 

大阪に久しぶりに来た時、無性にこってりしたラーメンが食べたくなった。

 

 

「そういえばこの辺に豚山があったな。二郎系食いたいけど並びたくないし、チェーン店でサッと済ませるか……」

 

そう思い、近くの豚山へと足を運んだ。

豚山というのは二郎系ラーメンのチェーン店であり、東京とか大阪に何店舗もある、まあありふれたお店だ。

そんなお店なので、当然すぐに入れるだろうと思ってたら、

 

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…………おいおい。

 

 

 

 

嘘だろ?

 

 

 

 

 

豚山だぜ?

 

 

 

 

ここ、豚山だぜ?

 

 

 

 

歴史を刻めでもなければ、ラーメン二郎本店でもないだぜ?

 

 

 

 

チェーン店だぜ?

 

 

 

 

 

豚山は初めてか?ここ、チェーン店だぜ?

 

 

…………豚山だぜ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豚山に、行列を作んなよ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おい聞け、二郎系に並んでる若者よ!

 

 

若いうちは時間が無限にあると思うだろ?

確かに時間は腐るほどあるかもしれない。だが、やはり若い時間は有限なんだ。

冷静に、胸に手を当てて考えてみてくれ。

 

君の短い人生に、二郎系のチェーン店に並んでられる時間はあるか?

 

そのラーメン、いつでも食えるぜ?

 

そのラーメン、どこででも食えるぜ?

 

空いててすぐ入れるなら入ってもいいけど、豚山に並ぶ一時間は君の人生に本当に必要か?

友達と一緒に並んでいるなら、話しているうちにすぐ順番が来るかもしれない。

 

でも、それだったら歴史を刻めに並んだらいいんじゃないか?

それだったら、ラーメン二郎三田本店に並んだらいいんじゃないか?

君の貴重な人生の持ち時間を、豚山で並ぶのに使っちゃいけないぜ。

 

ましてや、豚山の前で並んだ列が伸びすぎて折り返しているのを見かけると、もう目を覆いたくなってしまう。

 

おいおい、豚山で折り返すなってお前ら……っ!

 

ここはフライングダイナソーちゃうねんぞ。

並びすぎててユニバ来たかと思ったわ。

フライングダイナソーやったら折り返すのも一時間待つのもわかるけど、豚山で折り返して一時間待つなって。

一時間並んだところで出てくるのはチェーン店のラーメンだって。マジで冷静になれって。麻痺しているって。

 

 

……豚山に行列を作っている日本の若者に対する不安がぬぐえない、2024年、うるう年の今日この頃である。

(2/29に何かブログを上げたかったのですが、一番仕上がりそうだったのがこれだったので急遽書き上げました)

 

 

 

 

 

 

それでは、次回、

 

 

 

 

 

一風堂に行列作っている外国人、マジで一回落ち着けって

 

 

 

でまたお会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

p.s.

行列に並んでまではいかないっていうだけで、私は豚山自体は普通に好きです!

また行列できていないときに食べに行きます。豚山さんごめんなさい……!

 

 

 

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豚山、美味しいですよね(ヘコヘコ)

2024年1月に読み終わった本リスト

あけましておめでとうございます。(遅すぎる)

私は元気です。ブログは今年初の更新ですが……。

 

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昨年読んだ本は漫画・雑誌などを除いて102冊でした。軽い本を読むと数は稼げるし、重い本を読むとなかなか進まないけど、今年も気兼ねなく読みたい本を読んで無駄な知見を貯めていこうかなと思います。

 

 

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

 

本日も、満員御礼。

今年最初の本がこれブックオフで強烈な風貌を見かけてつい買ってしまった(220円だったし……)。広末涼子と不倫した有名店のシェフというイメージしかなかったのですが、読んでみるといい意味で鳥羽周作シェフのイメージが裏切られた。彼、れっきとした強雄(アルファオス)です。

20代後半までサッカー選手をめざして体育教師をし、夢破れると今度は料理だ!とカフェで働き友人の紹介で行った店のパスタが美味しすぎて募集してなかったのに押しかけて料理人になるまで修行開始、毎日ほとんど寝ずに修行し眠気を飛ばすために腕をオーブンで焼いていたなど、頭にブレーキが積んである普通の人ではできないレベルのハードワークをガンガンやっている。そして遅咲きながらミシュランで星を獲得する一流シェフになった。

鳥羽周作氏がさらに凄いのは、一流シェフとしてレストランを経営するだけでなく、飲食チェーン店などとコラボし商品開発をし、企画〜プロモーションまで一気通貫で行う会社を設立し運営していることだ。幸せの分母を増やす、という理念を掲げ、飲食業界の待遇改善なども含め精力的に活動している鳥羽氏は素直にすごいし、読んでいてオラオラしたエネルギーがこちらまで押し寄せてくるような本だった。

 

 

 

IBMの経営哲学―超優良企業の知られざる側面 (1979年)

昔のIBMの本で、銀行とかにメインフレームとしてコンピュータが入りまくっていた時代のゴリゴリのIBMパワーを感じることができる。

実はあんまりよく知らなかったIBM創業者ワトソンとその息子ワトソン二世が統計計算用マシン→コンピュータで業界トップシェアを取るまでの歴史や、日本にどのようにIBMのマシンが定着したかなどの経緯などが語られている。こういう本は読んでいて面白い。当時の企業体制・方針・課題などについても詳細に書かれており、2024年現在とどう違いがあるのか見比べてみるのも面白いかもしれない(まあ私はやらないが……)。

 

 

 

上達の法則 効率のよい努力を科学する (PHP新書)

貸してもらって読んでみた。

趣味などに対して上級者になるためにはどうすれば良いか、ということが著者の趣味である茶道などに紐付けて語られている。脳科学的な話も少し絡めており、要するに上級者はいくつかの所定の手続きをチャンク化してひとまとめにすることで取り扱える情報量を多くしている。無意識化の手続きを増やすためにはどのようなことを意識して努力すれば良いか……みたいなことが書かれている。

この本を読んでいてすごく気に入った部分があり、中級者にありがちな伸び悩みについて書かれた文で『停滞しているように見えても、後退していなければ成長している』というものがある。これが頭にあるだけでどれだけ救われる人がいるだろうかと思った。読みやすいし、良い本だと思います。

 

 

ネットワークはなぜつながるのか 第2版

ネットでエンジニアは最低限これくらいのレベルのネットワーク知識は絶対持っておくべき!これはわかりやすい!という触れ込みがあり、読んでみた。日経BPから出ているこのシリーズ全般に言えることだけど、確かに平易に書かれてはいるが文量が多く内容は意外と詳細(に私には思えた)。

内容は基本情報技術者試験レベルというネットの声もあるけど、応用情報まで取った私から言わせてもらえば内容が詳細すぎるし、明らかにそのレベルよりかは上。基本情報合格レベルの前提知識は持っていないと読み進めるのに時間かかると思う。とはいえ、何となくで済ませていたネットワークの知識が身につくいい本だった。

 

 

 

大切なことはすべて茶道が教えてくれる。

2ヶ月無料につられてkindleunlimitedに久々に契約したので、ビジネス書の上の方にあったこいつを読んでみた。VUCAな時代ではロジカルシンキングだけではなくアート思考が求められる。茶道はアート思考を鍛えられる趣味ーーという前置きなのですが、あまりにもビジネス書テンプレすぎて笑ってしまう。帯の推薦が山口周だし。

茶道をやるとアート思考が鍛えられる、頭が整理される、スマホデトックスできる、お茶が身体にいい、とかそういう茶道のメリットの話とかざっくりした歴史、そして薄茶会に参加する際のチュートリアルみたいなことが書かれている。

これ読んで茶道やりたくなる人はその前から茶道に興味があって、この本読まなくても茶道をやるのではないだろうか。

 

 

機械系エンジニアの独立成功術: 年商1,300万円稼ぐための完全ガイド: 学歴不問、手取り17万円からの年商1,300万円への戦略とノウハウ

kindleでリリースされている系の本。機械系エンジニアでこういう独立する本珍しいなぁと思って読んでみた。ちなみに私は機械エンジニアではありません……。

内容としては独立に必要なスキルは企業でやっていくスキルとは違う、などを初めとした筆者がずっともがいてきて得た知見が色々読めて割と参考になった。

 

 

 

AI技術の最前線 これからのAIを読み解く先端技術73

Preferred Networksの岡野原氏が様々な論文を解説している本。基本的には日経の記事連載をまとめたもの。一般読者向けって感じでもなくてゴリゴリに数式まで降りてきて解説している。

タイトルにはAI技術の最前線とあるが、実際には現在はあんまり使われていないものなども含め数年前の論文も含まれている。分野ごとに自分の脳内で研究事例の地図を広げるという意味ではいいのかもしれない。当たり前だけど本当に73個トピックがあり真面目に読んでいたらしんどいので、概要を追いつつ気になるトピックを洗う感じで読んで使うのが良いだろう。

 

 

 

2023年12月に読み終わった本リスト

今年も終わりですね。

来年度も粛々と本を読んで、リストアップはしていこうと思います。

良いお年を!

 

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

タイトル見て『決戦!サルーイン』みたいだなと思って読んでみた(元ネタわからん人はググってみてね)。

LIXILのCEOを任されていた瀬戸が突如取締役会を経て解任された。後から旧トステム一族創業者の潮田の意向と反したことによる解任と分かり、瀬戸はこの決定を不服として会社のためにも臨時株主総会を開くため奔走する……という話。

LIXILはコーポレート・ガバナンスの先進企業と言われていたが、実際は潮田の子飼いの役員たちで取締役会が占められており、わずか保有株式3%の潮田が実権を掌握している有様だった。こんな不健全な状態ながら、潮田が取締役会の決定を覆しコーポレート・ガバナンスの徹底化を果たすまでは8ヶ月もかかっており幾度となく不利な状況になっている。会社の決定を覆すことはいかに難しいか、そしてLIXILのケースがいかに凄いかが本書を読むとよくわかる。

 

 

 

現場で活用するための機械学習エンジニアリング(KS情報科学専門書)

ブックオフで見てこういう実務寄りの機械学習本も読みたいなと思って買ってみた。KS情報科学専門書とかいういかにもガチっぽいシリーズですが内容はかなり一般書よりだと思う。

個々の事例や話などで聞いた事のない話や技術などはあったが、全体的には広く浅くに留まってる感じで似たようなシリーズだと『仕事ではじめる機械学習』の方がいいのかな?と思った。とはいえ、初めてAI系の本を読む人ならこっちの方がいいのかな。

 

 

 

組込みシステム概論(組込みシステム基礎技術全集)

学生時代からCQ出版の電気系の本に対して一定の謎の信頼があって、ブックオフでめちゃくちゃ安かったのでつい買ってしまった。

組込み系の概論として特に他の本と比較して特筆すべき点としては、実際の組み込みシステム開発事例が2例掲載されている(シグマによるデジタルカメラ開発/JR東日本による改札システム開発)ところである。これが2章で挟まれることによって、後の章の組込みソフトウェアやハードウェアなどの話がイメージしやすくなっている。組み込みのプロでは無い自分にはこういうイメージしやすい事例があるのはとてもありがたいと思った。

 

 

 

「昇進」の経済学ーなにが「出世」を決めるのか

5冊300円コーナーで古本屋で積まれており、タイトルに惹かれて購入。年代としては97年出版の本でバブルは崩壊してるけどリーマンショックとかはまだの時。

役員クラスと課長クラスに分けて昇進の傾向が章別にまとめられている。課長は平均して37-38歳で昇格していて40歳後半でほとんどの人が昇格する〜みたいな情報出てきた時は「マジか!」と思った。時代はあるけど、課長/役員に上がった人は何が要因だったのか、理系/文系による昇進の違いはあるか、インセンティブによる社員モチベーション影響、などなど結構面白い分析の話が多かった。

 

 

 

岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。

断片的にはネットで岩田さん関連の記事は読んだことがあるんだけどまとめて読もうとずっと思ってて、年末についに達成。

HAL研究所任天堂の元社長の岩田さんのネット記事や言葉をまとめたもの。岩田さんはプログラマとして一流でありながら技術一辺倒ではなく、社員一人一人と時間をとって面談することや、ゲームを普段やらない人に訴求する大切さを説いてWiiなど革新的なゲーム作りを行ったりと読むほどバランスのとれたすごい人だなと実感する。特に説教くさいことが書かれている訳でもないのに、読み終わったあと襟元を正さなきゃいけない気持ちになった。

 

 

 

世界一流エンジニアの思考法

本年度最後の読了。つい最近出てネットで話題になってて、kindleで安かったので購入。

要するに、『一流エンジニアでも理解には時間がかかる。理解には時間をかけろ』『一度にたくさんのタスクを色々しようとするな。脳に負荷をかけないようにしよう』という旨で色々言い換えられている。前半は面白かったけど最後の方になればなるほど、普通の自己啓発本とかに書かれている内容になっていく印象。