孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

R-1グランプリ2024決勝感想

目次:

 

 

全体感想

 

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こんにちは。今年のR-1グランプリ、面白かったですね!

長年応援してきた街裏ぴんくが優勝ということで視聴後気持ちよくお酒を飲めました!

色々楽しかったので、感想を書きます。

 

 

1本目

真輝志

サクセスストーリー。

ナレーションに対してツッコミを入れる見やすい設定で、ツッコミの過不足のなさが凄かった。軟式ラグビーだとか、途中の女の子のナレーションに移るところとか、英語のところとか、ちょっと味変するところの塩梅も絶妙だった。元々真輝志はここ数年コンスタントに準決勝に上がっている実力派だし、コンビ時代から鍛えられたツッコミ力が光る構成でトップバッターにしてこの大会を一気に盛り上げた立役者だと思う。順番次第ではファイナルもあるレベルのネタだと思ったし、来年も楽しみです。

 

ルシファー吉岡

婚活パーティー

戦原(そよぎはら)さんが婚活パーティーのシステム説明に追われる中でプロセスが積み上がっていって、自己紹介とか本来必要なはずの部分を削ぎ落とされて行く過程が楽しかった。演技とか違和感の自然な巻き取り(なんで28番なのに説明しているの?っていうところとか)が上手すぎて本当に出場資格一回なくなった後もずっとネタ熟成されてたんだなと。1回出場資格が無くなったことでネタが溜まってて完全にプラスに働いていますね。個人の好みで言うと、最後の方はもっとしっちゃかめっちゃかになってもいいかなと思ったけど流石に4分やとそれはムズいかな。

 

街裏ぴんく

石川啄木

単独ライブ行くくらい大好きでずっと上がってほしかった芸人。やけど、最初から大声出し過ぎだったしちょっと緊張で力みすぎていたのかな?と感じた。途中でお客さんがついていけなかったのか「へぇ~」というところがあったりして心配だったけど、意外と高得点でホッとした。この熱さと荒唐無稽な嘘を押し通すパワフルさと人としての説得力が街裏ぴんくの魅力なので、そこがちゃんと評価されていたなという印象。ファンだからひいき目で見てるけど、1本目を見て全然面白くなかったという人がいても違和感がない人を選ぶネタ内容だったとは思う。

 

kento fukaya

マッチングアプリ

最初のじっくり男性のプロフィールを読んで「嫌だよね〜〜〜」って言っているところがピークだった気がする。もっとこっちのあるある路線引っ張って欲しかった。kento fukayaが女性役をやる意義も薄く感じたし、男性目線から嫌な女性のプロフィールの痒い所を突きまくるネタ形式の方がこの設定だとよかったのでは?と思う。

また後半以降はただの荒唐無稽な変なプロフィールの男性が出てくるフリップネタで、途中から同じような展開の続きだし伏線のようでそのまま置きっぱなしのところがチラホラあってちょっと飽きてしまった。地図アプリの人人さんが左に抜けて右から出てくるボケのところとか、何か喩えツッコミで装飾したらもっと面白く見えるのになと思った。全体的に色々面白くなりしろのあるネタだったと思う。

 

寺田寛明

国語辞典コメント欄。

俺が去年ネタ見て微妙だなと思った設定の不自然さ(ことばのレビューサイトと言いながら実態がコメント欄やん!という指摘)がほぼそのまんま改善されている。去年のネタでいろんな人に指摘されたのかな?と思った。

「暗澹たる」らへんからのラッシュはふふっとなったが、最後に前半にでてきた言葉を回収するところがあった方が良かったと思う。全体的に昔からあるフリップネタのスタイルの大喜利を超えたものがなく、4分になると長く感じた。バカリズムからの点は今年も厳しかったですね……。

 

サツマカワRPG

防犯ブザー。

最初からサスケのブザー位まではめっちゃ良かった。はがき職人に面白いやつは一人もいない、のような偏見部分も本人のメッセージが載っていてよかった。

ただ、最後のゾッとする?ようなオチは賛否が分かれるところだろうけど、明確にかなり失速した感じがする。ジェスチャーで「今どういう状況か」というのがわかりにくかったのと、笑いどころはお父さんの声の防犯ブザーが鳴るところだと思うけど本人が「全然面白くない」と言いまくったものだからか全然ウケていなかったと思う。講習会のところで切り上げて3分で終わった方がいいネタの気がした。

 

吉住

デモ。

最初の設定でそのまま走り抜けた感じで、裏切りが欲しかったところはあるけど受け答えがかなり面白かった。やっぱり吉住は悪意ある目で人間を見ていて、その人の厭なところや生活感を描写するのが上手いと思う。良くも悪くも最初の印象のまんまだったけど、ファイナル進出は納得。

 

トンツカタン お抹茶

かりんとうの車。

アホな歌ネタすぎる。くだらないし、4分だとだれるし、音響がなんか一部微妙だったしというところはあるけどかなり好きなタイプのネタでケラケラ笑った。今回最下位というのは賞レースの傾向から見てもすごい納得なんだけど、2021年のR-1の土屋とかもそうなんだけどこういうくだらないものをずっと続ける感じはすごい好き。また来年も見たいな……。

 

どくさいスイッチ企画

ツチノコを発見した人の一生。

最初の口でナレーションも全部言うところを見て、「この感じで4分もたせられるんか?」って思ったけどあっという間に4分経ってしまっていた。素直に面白かった。全部一人で口でやるからこそのスピード感が良い、プロだったらナレーション音声入れて1個1個の大喜利でじっくり攻めていくんだろうけどその分を数とスピードでカバーしている印象だった。バカリズムのコメントの後半はそんなにという意見もわかるけど、個人としてはスピードで補えているのでファイナルもあるかな?と思った。吉住の丁寧さが評価された形かな。

 

 

2本目

吉住

鑑識。

The Wで優勝した時の女審判みたいな構造。『1番にしちゃった』とか『班員結婚式絶対呼ぼうね』みたいなディティールのフレーズが面白い。浮気がばれて吉住が敵に回るという、めちゃくちゃワクワクするこれから面白くなりそうなところで急に終わってしまったのがめちゃくちゃ残念。続編があることまるわかりなネタなので4分でひと段落してほしかったな……とはいえ面白かった。

 

街裏ぴんく

初期メンバー。

これこれ、街裏ぴんくはこれなんですよー!!1本目で高得点で通ったからか明らかに落ち着いていて、荒唐無稽な嘘八百をより一層わかりやすく明快に見せれていたと思う。冷静に考えて「僕はモー娘。の初期メンバーだったんですよ!」って太ったおじさんが言うネタはお笑いのセオリーからいって面白くないんだけど、そこを話し方と熱と構成で押し切る構成が圧巻だった。2本目は明確に街裏ぴんくが頭一つ抜けて面白かったなと思います。

 

ルシファー吉岡

隣人。

これもおもしれー!隣人の声に対するクレームがいつの間にかドラマに対する感想みたいになってるのが良い。『〜〜じゃないんだよ』のところ、時間使って攻めてていいなと思った。ただ、1本目と比べるとルシファー吉岡は傍観者で主体的に物語に介入していないのと、隣の大学生たちの会話が安いラブコメ過ぎるからもっとリアリティがある話の方が個人的には好みだった。とはいえ、本当に優勝してもおかしくないハイクオリティなネタだったと思う。来年も楽しみ……!