孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

2023年10月に読み終わった本リスト

ハロウィンの日、家から1歩も出ずに本を読んでいた側の人間がまとめる感想ブログ。

 

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

 

デジカメの画像処理

仕事の関係とか、あとはカメラ自体に少し興味があったのもあって読んでみようかなと。
当初の期待通り、デジカメの簡単な仕組み・機構的な説明と、内部で行われている画像処理や顔認識・物体追跡などの手法概要がまとまっている。合わせて人間の視覚や感覚に合わせた補正理論についても書かれている。近年売れているミラーレス一眼の話はなかったが、理論的な話が中心なのでデジカメの中でやっていることが色々学べてよかった。

 

 

 

数学イノベーション

文科省が主体となって出版された数学関連の研究動向や社会応用が書かれた本。
軽く流し読み程度だが、日本の数学関係の研究取り組みの立ち位置が1章、以降は社会の中で応用されている数学の分野などに関する概説が各専門家から書かれている。分野としてはグラフ理論、暗号、確率解析、生物シミュレーション、製造現場での流体解析、ロボティクス、CADなど様々。

 

 

 

ガウス過程と機械学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

kindleの500円セールで買って放置していたものをちまちま読んで読了。

「第0章だけでも読んでいってください!」という帯に惹かれて読んでみた。この本は0章で雰囲気を掴んだ後は、3章がキーとなると思う。(1,2章は線形回帰とガウス分布の話なので理系出身なら何とかなるはず……)

理解しきれた訳でもないがざっくり言うと、ガウス過程は線形回帰モデルの重みを積分消去した無限次元のガウス分布らしい(うまいこと重みw平均0のモデルを仮定してごちゃごちゃ式変形する)。さらに、変形した特徴ベクトル自体を知っている必要はなくその内積(カーネル行列)さえわかっていれば簡単にガウス過程を経た予測値が求められる。カーネル関数にはガウス関数を元にしたRBFカーネルがよく用いられ、線形関数を仮定するとガウス過程は重回帰分析に帰着するらしい。ほ〜って感じ。

このブログの著者は数学弱者の素人なので、『あなたの理解は間違ってますよ!』というところがあったらコメント貰えるととても助かります……!

 

 

 

AIが変える2025年の銀行業務

NTTデータ経営研究所の金融政策ユニットのコンサルタント達が執筆。メガバンクなどの効率化に向けたAI導入の取り組み、2025年がどうなるかの予測が書かれている(刊行は2018年)。
なーんかずっと「AIによって銀行の業務は省人化され〜」みたいな同じようなことが書いてあって、起伏のない本だと思った。

 

 

 

ソニー デジカメ戦記 もがいてつかんだ「弱者の戦略」

電機メーカーとしてカメラ業界の中では亜流だったソニーがミラーレス一眼で業界のトップシェアを取るまでの話。カメラ部門の総責任者であり、副社長も務めた石塚氏とインタビュアーの対談形式になっている。石塚氏はカメラ部門を出たり入ったりしていて、人事異動の感じがサラリーマンだな~と感じた(ソニー半導体の奇跡を読んだ時にも思ったが)
ソニーのデジカメ部門は色々な部隊が乱立しており、様々な変わったカメラとそのエピソードが出ていてそれを見ているだけでも面白い。スマホの台頭を踏まえ、市場で市場で傍流の軽量化デジカメ路線から本格的な一眼レンズ路線に集約する事業判断は相当勇気のいる決断だったのではと思う。ざっくばらんな語り口ではあるが、電機メーカーのカメラから、競合を押しのけてミラーレス一眼でトップを取るまでは技術確立・市場確立両方で相当な苦労があったのだな……としみじみ感じられた。

 

 

 

せっかく中退したのだから…―中退生、不登校生へ 「自分らしさ」を大切にする第一高等学院

街中で見かけた古本屋さんで5冊300円とかいう破格で売られていたので、適当に見繕って購入した本。

高校中退者たちの救済措置である大卒検定に関するお話と、大検専門予備校である第一高等学院に関する話。第一高等学院は学育社の堀川一晃が主宰しており平成13年の時点で全国31校。第一高等学院は1985年に初めて設立された大検予備校らしい。体験談とかもぶわーって載っており不登校生や1度フリーターや就職して大検に挑戦した人たちのリアルな様が見れる。
著者の『第一高等学院の強みは○○にあるのではないかと筆者は睨んでいる』というミルクボーイ内海みたいな口調のヨイショが随所にちりばめられている、ヨイショ本。まるで普通高校に通ってるやつらは何となく大学行くだけのマヌケで大検とって進学した人は頑張る苦労人みたいな感じに書いてるのはちょっと悪意あるかなーと思う。

 

 

 

女子社員読本

5冊300円で買った古本の一角。刊行は1978年と昭和ど真ん中であり、『女性社員は数年で結婚して会社を辞めるもの』という前提の元でマナーが語られており、今現在の認識とは異なる部分が多い。
「お客様からの電話はかけた方が切るのが普通だが、それを認識せず失礼に思う人もいるので受けてもかけても後から切るようにしなさい」という何か行動経済学っぽいマナーや「上司は役職名で呼びなさい」など昨今の風潮と真逆の常識などが感じられて面白い。
筆者自身は「マナーは時代によって変わる」というスタンスであり、お茶汲みは女性社員がするものと書きつつも「個人としては飲む人がお茶を入れればよい」としている。そのため、この本で書かれている内容を時代錯誤の老人が偉そうに書いた本と切り捨てるのは早計であり、社会通念としてこのようなマナーが昔あったと認識することが必要だと思う。自分が生まれる前のビジネスマンの常識を認識できて、読んでよかったと個人的には思う。

女子社員読本

女子社員読本

Amazon

 

 

 

 

M-1グランプリ2023準決勝感想レポ

今年は現地観覧外れたんで、ライブビューイングで見ることにしました。

以下、感想。もちろんネタバレはなし。

最初にベストアマチュア賞のナユタがネタやってたけど、去年の深海魚に続いてM-1を題材にしたネタでした。お笑いファン多いからウケてたし面白かったです。

しかしプロ志望やと、やっぱりフィーと事務所の力を考えると吉本一択なんかな?ここら辺はよく分からない。

 

目次:

 

決勝予想

 

かなり外れそうな感じもしますが、希望的観測です!

トム・ブラウンとモグライダーをもう1回決勝で見たい!!ダンビラムーチョは落ちても文句言えないネタですけど、あれだけ面白いのなら……!

 

2023/12/09追記

out:トム・ブラウン、20世紀、ぎょうぶ、スタミナパン、ダイタク

in:真空ジェシカ、令和ロマン、くらげ、ヤーレンズマユリカ

 

近年の中では大分堅実な選出という印象です。

予想は結構外れるだろうなと思っていましたが、近年の傾向からいうともっと冒険枠みたいな組が上がるかな?と思っていました。

今年は敗者復活のルールも変わって人気や知名度の影響が少なくなりますし、かなり団子状態だった準決勝の様子から考えても、敗者復活からの優勝が久しぶりに見れるかもな~って楽しみですね!

 

各組感想

 

Aブロック

ダブルヒガシ(吉本興業)

敗者復活枠。見たことあるネタやけど、さすがのウケ具合。最後にひとくだり増えてたけど、それはあんまりやった。

 

ぎょうぶ(吉本興業)

実質的なトップバッターやけど、着眼点がすごい良かった。おばあちゃんの二人暮らしのネタもそうだけど、すごく面白くなりそうな広げ方をするコンビだなと思った。割とあるかなと思ってる。

 

きしたかのマセキ芸能社)

めちゃくちゃ元気で、緩急があって良かった。けど、同じパターンの繰り返しではあるので、最初がいちばん面白くて最後の方はちょっと慣れてきたかも。

 

ドーナツ・ピーナツ(吉本興業)

このネタが今年1番自信あるやつやったんかな、という感じ。最後の方のくだりは流動的だと思うんだけど、今回は結構ウケててよかった。


ママタルト(サンミュージックプロダクション) 

途中途中ダラっとしたとこもあるかな〜と思ったけど、明らかに去年よりドカンと笑い取れる箇所増えててAブロック内で行くならママタルトは確率高いなと思った。

 

フースーヤ吉本興業)

バカバカしすぎる感じがめっちゃいい。繰り返し枠を最後に畳みかけるのは真骨頂やけど、今回のはもう少し本家元のリズムやポーズを忠実にとって欲しいなとは思った。

 

トム・ブラウン(ケイダッシュステージ)

久しぶりにトム・ブラウンを準決勝で見れて嬉しい。そもそもファンだからめっちゃゲラゲラ笑ってしまったのもあるけど、バカでバイオレンスなネタでこういうのをクリスマスイブに流すのも楽しいんじゃないかと思った。リズム天国みたいな感じで愉快だった。

 

Bブロック

華山(吉本興業)

掛け合いで見せていくタイプやけど、一旦紹介挟んでリセットされたからか準決勝の雰囲気にあんまり乗り切っていなかった感じがある。

 

スタミナパン(SMA)

ここまででいちばん面白かった。結局こう言うどうしようもなくしょうもないネタが好きなんだろうな俺。マーボーの愛嬌と辛辣なツッコミが見てて気持ちよかった。

 

豪快キャプテン(吉本興業)

ネタの内容的に割と頭の中で色々把握しなきゃ行けない感じだったので、途中からお客さんが着いてきてないかも?と感じた。部分部分のパワフルさが良い。

 

オズワルド(吉本興業

良く組み立てられててスっと進んでいくネタで後半に盛り上げ所みたいなんも差し込まれてるんだけど、ちょっと冷めて見られてるところもあったのでは。


ヘンダーソン吉本興業)

ラストイヤーの集大成って感じで、出せる物を全部出した!っていうネタだった。通るかは分からないが、見ててグッとくるものがあった。

 

くらげ(吉本興業)

ステマチックなネタ。とはいえ、基本同じ展開だけなので、後半になるとちょっと慣れてきてしまうところがあった。くらげは普通にツッコむのも面白いのでもう少し掛け合いが見たかったところもあった。

 

バッテリィズ(吉本興業

個性がよく出てて良かった。キャラクターがよく伝わる漫才だったし、ツッコミがまくし立てられて追い詰められていくところが気持ちいい。仕事増えそう。

 
真空ジェシカプロダクション人力舎)

真空ジェシカ大喜利がばん!と出たネタだった。まあ面白かったけど、去年と比較してどうだろうか、というところはあった。

 

Cブロック

ナイチンゲールダンス吉本興業)    

休憩を挟んで一発目から明るくて良かった。王道のコント漫才でライバルが多いスタイルではあるので、後半組と比べるとどうだろうか。


鬼としみちゃむ(吉本興業)    

このネタは確かに結構話題になってたし、自信のあるネタだったんだろうな〜という感じ。システマチックなところあるネタなんだけど、個人的には鬼沢さんとしみちゃむがガンガン掛け合うタイプのネタが好き。


令和ロマン(吉本興業)    

今年めちゃくちゃ期待かけられてやりづらいところもあったんじゃないかなと思った。今年も面白かったけど、去年の方が決勝行きそう感は高かったと思う。


ニッポンの社長吉本興業)

ネタ内容的にさすがのケツを持ってしても前半、明らかにピリついていた気がする。途中の転換部分はちょっと、お!ってなったけど、それでも前半と終盤はカバーできん感じかなと思った。

 

ダイタク(吉本興業)

ほとんどテーマ絞ったエピソードトークなんだけど個人的には今までのダイタクの準決勝ネタの中でいちばん面白かった。2人の他愛ないエピソードトークが漫才になる形はある意味理想形ではないかなと思う。


20世紀(吉本興業)

オーバーなところはあるけど、シンプルでバカバカしい展開で2人とも演技がかかっていて面白かった。こういうネタって、見てる側が入り込めるかどうかなので結構好き嫌い別れそう。


エバース(吉本興業)

ロジカルに詰められていく感じが気持ちよくて、大笑いする感じではないけど良いネタだった。どう評価されるかはわからんけど、この路線でもっと色んなネタみたいなと思った。


モグライダーマセキ芸能社

やっぱりモグライダーの馬力は最高だな!と思った。不確実性みたいな所は前よりかは感じられず、結構練習したネタなのでは?とは思ったが、めちゃくちゃ面白い。行って欲しいな〜。

 

Dブロック

ダンビラムーチョ吉本興業

俺がすごい好きなタイプのネタで、最後が特に最高だった。言うてしまえばネタの構成は羅列だし版権全乗っかりなんだけど、こんだけ面白いのなら決勝行って欲しい。

 

ヤーレンズケイダッシュステージ)

軽快でテンポよく掛け合いがあって面白かった。途中途中でちょっと聞き取りにくいところがあって、ボケを逃してしまうところがあったのが気になった。俺、耳遠くなったんかな……。

 

ロングコートダディ吉本興業

兎のとんちんかんなキャラクターが前面に出た感じで、こんなおバカな感じでも成り立たせるのがすごいなと思った。ボーダーくらい?

 

ななまがり(吉本興業

ラストイヤーで、ななまがりからしか生まれないようなフレーズが沢山聞けて良かった。冷静に考えて珍妙なことを言ってるだけでこんなに面白いのはすごいなと思う。


シシガシラ(吉本興業

そう言われたらそうなんだけど、みたいなところがあって楽しく見れた。脇田さんのねっちゃりした感じが見てて可哀想半分面白い半分みたいな感じやった。


さや香吉本興業

優勝候補優勝候補言われまくってたと思うけど、今年もパワフルで盛り上がる面白いネタでよかった。今年はかなり並んでる感じするけど、ここはさすがに固いんじゃないかなとは思う。


カベポスター(吉本興業)

ラジオのように気持ちよく進むネタで、すっと話と面白いポイントが入ってくるネタだった。パワフルな人に目移りしがちではあるが、やっぱりカベポスターのネタは好きだな〜。


マユリカ吉本興業)

やっぱり中谷の高音で困惑するツッコミは面白いな〜と思った。コント漫才みたいなスタイルの組は今年もやっぱり多くてどれもレベルが高かったので、ボーダー上じゃないかなと思う。

 

 

2023年9月に読み終わった本リスト

10月も終わるか終わらないかでようやく9月の読み終えた本の感想まとめ。

 

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

 

トラブルをさけるための仕様書とコストダウン

めっちゃ昭和のメーカーって感じの本で、よもやま話が面白い。

筆者がエレキ屋さんかつチップ化がそもそも普及し始めたくらいの時の本なので、システムをチップ化していくことや電源回りに関するコストダウンの話から始まって、とにかく在庫を抱えるな!、設計の段階で使うビスなどの部品を統一しろ!などごもっともなことを言っている。

かんばん方式とメカ屋(機械設計)に対してほんまにボロカス書いていて面白いので、メーカー勤務の人は古本屋で見かけたら読んでみてほしい。

 

 

 

談合破り!―役人支配と決別、命がけの攻防記

岐阜県の格安ビジネスホテルに泊まった時にオーナーの出した本として置いてあった。経営者のブラック感はありつつも、岐阜市役所の明らかに誠実さにかける話は読み応えがある。例えば『任意』と言いながら施行前の祈祷式を実施させ費用を会社に負担させる、前例がないからという理由で効率的に工事を行うための要求を却下する、さらに工事の規格に関して規約違反を言う割に根拠の部分は黒塗りで市側の見積もり根拠は一切開示しない、など。

公共施策のドロドロなやり取りと煮え切らない結末を見たい方にオススメ。

 

 

 

実録ブラック仕事体験記―――パワハラ、洗脳教育、サービス残業当たり前!★裏モノJAPAN

例のごとくブックオフに置いてあって『たまにはこういう俗っぽいルポも読みたいな』と購入。パワハラや過重労働が横行する意味のブラック仕事、普通の人がやりたがらない仕事という意味のブラック仕事、そして最後は意外と知られていない仕事の実態の大きく3部構成となっている。最後はブラック仕事ではないだろ、というツッコミはなしで。

飲食やアパレルチェーン、大手ECの倉庫作業などはよくネット記事で取り上げられてるような内容の話なのでまあまあという感じだったが、下水道検査やバキュームカー清掃などの汚れ仕事、後は町のタバコ屋さんなど知られざる職業の話は面白かった。

よくも悪くもエログラビアが載っているような雑誌におまけ程度についてある記事がまとめられたものであり、別段情報の裏付けがあるわけでもないので「ふーん」と話半分に見る程度の本。

 

 

 

松本人志『定本・一人ごっつ』

松ちゃんが1人で大喜利などで面白さを追求していた番組一人ごっつの回答、インタビューなどをまとめた本。この本が出た時期の松ちゃんは一人での活動やライブに力を入れ、映画監督などを手掛ける一番『神格化』されていた時期じゃないかなと思うので、全体的に文とかインタビューの受け答えがギラギラしてる。

大喜利の回答とかは2023年現在ではさすがにかなり古いというか、ベタに感じるが、その当時はかなり先進的だったんだろうなと思う。岡本太郎の本を読んだときに思ったことと大体同じような感想を抱いた(『自分の中に毒を持て、常識にとらわれるな』みたいな文言今となっては割とよく言われることだけど、当時としては革新的だったんだろうな~という点で)。

 

 

 

 

画像認識 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

特徴量を駆使した古典的手法からCNNまで。

畳み込みニューラルネットワークに関する話はAI本に何かしら書いてるため、まあまあという感じだったが古典的な画像認識技術に関する解説が非常に参考になった。画像から何とか分類に必要な特徴をうまいこと抽出するためのフィルター作ってるんだなぁ……と過去の偉人たちの努力に感動すると共に、この部分を自動化したCNNはブレークスルーやったんだなぁと感じた。

いわゆる古典的な画像認識手法とCNNの各層の処理の対応付けがこの本でイメージできたので、それだけでも読む価値はあったと思う。

 

 

コロナ vs. AI 最新テクノロジー感染症に挑む

全体的にコロナ蔓延の状況を踏まえたAIとロボットを活用したサービスや取り組みの事例集って感じ。ネット記事の寄せ集めみたいな感じで読み応えや本としてのまとまりはないけど、まあ情報は得られるって感じ。
特別付録のオードリータンのインタビュー価値あるかと思ったら、それも普通に動画公開してあるらしい。高級リンク集ですね(自分はブックオフで220円で買ったからまだいいけど、定価で買うとなると……)。あと、全般的に載っている事例に関してはコロナ終わったあとの陳腐化は激しそう。

 

 

ライトノベル新人賞攻略

時間つぶしで入った市営の図書館にて発見。実は自分は10年以上前はライトノベル法研究所を見てお作法を勉強しながら何本かネット小説書いた過去があるので、懐かしくなって流し読み。

三点リーダーは偶数個、感嘆符の後は1マス空けようみたいな文法の話から、ラノベ以外の本も色々読もう、ちゃんと文献調査をしようといった話まで書かれてる。書かれてることはごもっともだが、間の会話劇とか載ってあるショートショートの話のユーモアには古さを感じる。あの時はこういうの面白いと思ってたはずなのに……と切ない気持ちになった。

 

 

Mother Machine 工作機械で世界に挑み続けたマザックの100年

岐阜の美濃加茂市にあるヤマザキマザック工作機械博物館を見に行った時に記念に購入。

石川県出身で元々旋盤工として働いていた山崎定吉が山崎鉄工所を起こし、工作機械を手掛け、そして息子の照幸がグローバルに会社を発展させていくまでの話が中心に書かれている。ヤマザキマザックの今の社長は4代目だが、3,4代目の社長の業績は最後の1章でざっと流されている。戦時中に工作機械の製造許可業者から漏れたり、工場が焼夷弾で壊滅したり、アメリカの工作機械受注で足元を見られ大損したりと歴史の長いメーカーは相応に苦難に満ちた歴史を歩んできたんだなと思う。

この本を読んでヤマザキマザックが強いなと思ったところとして、海外への営業網や製造拠点を早い段階から海外に乗り込んで現地に築いたことだと思う。それとプログラミングの専門技能が必要かつ高価だったNC工作機械を誰でも使えるインターフェースで安価で提供したQUICK TURNは革新的だと思った(キックオフから一年足らずで開発に成功するのヤバすぎるから、ここもう少し詳細知りたかった)。

企業関係者ではなくライターの方が取材をもとに書いた本ということもあり、情報が薄い部分が結構あるのが残念(創業時のエピソードにはっきりしない点が結構あるので、あんまし資料が残っていんだと思う)だが工作機械の歴史をサッと見れる本で読んでよかったとは思った。

 

 

 

2023年8月に読み終わった本リスト

お盆休みにバリ読みまくった結果、8月は13冊とかなり多かった。

感想まとめるのだるすぎて、全然更新できませんでした……。

 

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

 

 

 

日本人が外資系企業で働くということ

日系電機メーカー→外資系企業で華々しい経歴を積んできた著者が外資系と国内企業の違い、そして外資系で注意することを書いている。

外資系企業はフラットだけど人間関係が超大事だよとか、ロジカルに意見を言えないと居場所なくなるよ、日本にある外資系企業は3000社もあるからピンキリだよ、とかそんなことが書いてある。後は業界ごとの外資系の特徴とか。著者の経験によりすぎる感じもするので、汎用的な感じはしないがすごい業績のおっさんのありがたい話を聞いていると思いながら読もう。

 

 

研究者

様々な分野の超一流研究者からのありがたい言葉をまとめた1冊。野依良治氏、本庶佑などのノーベル賞受賞者を初め『世界初』の偉業をなしとげた凄まじいメンツが集って自身の来歴+研究者を目指す若者へのメッセージがついてる感じ。普通にバンバン専門分野の話をするのでページ下部に書かれている脚注の量が半端ではない。当然、自分の得意分野でなければ読むのはなかなかしんどい。

私が敬愛する研究者の1人である脳型コンピュータの第一人者である松本元氏や、電子線ホログラフィーの第一人者である日立の外村彰氏などの章が特に面白かった。

 

 

ロジカル・シンキング Best solution

論理的思考はスキルですよー!っていう本で、名著と言われてるやつ。メルカリでやたら安くで売ってたので買って読んでみた。結論、根拠、方法で論理を組み立てる。各要素間は同階層の関係はMECEに、上下階層間はSo what?/Why so?が成り立つようにする。基本はこれだけなんだが、それをするのが中々難しい……ってやつ。

別に近年のロジカルシンキング系の本でもいい気もするが(感想)、思ってたよりは読みやすくとっつきやすい(根拠)のでとりあえず読んでみるべき(結論)。

 

 

坂本真樹先生が教える 人工知能がほぼほぼわかる本

お盆休みに入ったので趣味でブックオフで買った人工知能系の雑多な本を大量消化した。その1冊目。

帯に「女性ならではの視点!」みたいなことが書かれていたけど、本文は漫画混じりで人工知能の一般的な知識について解説する普通の本でどこにも女性ならではのポイントはなかった。

人工知能の歴史、人工知能の扱いやすいもの/扱いにくいもの、アルゴリズムの概説、実用例という中身でこの本ならではのポイントはなし。ただ、著者が人工知能に触覚などの感覚を導入する研究を行ってることもあり、そこら辺の小話は面白かった。

あと東大卒女性タレントの菊川怜は東大工学部卒業時の論文が遺伝アルゴリズムを用いたものだと言うことを初めて知った(著者と同じ大学の後輩らしい)。

 

 

機械学習入門 ボルツマン機械学習から深層学習まで

こちらも入門本で前に紹介した坂本先生の本と同じポップなイラスト系。こちらはアルゴリズムというか機械学習の仕組みに重点を置かれており、白雪姫に出てくる女王様と鏡を主人公とした物語調で読み進められる。

本書が出たのが2016年末ということもあってか、現在では当たり前の「ミニバッチ学習」が最新の手法として解説されていたり、ボルツマン機械学習についてめちゃくちゃ丁寧に説明されているところである。

ボルツマン機械学習→制限ボルツマンマシンは直観的には難しい上に現在はほぼ使われていない(間違ってたらごめん)手法なので、それがこのレベルの入門本で書かれているのはすごく珍しいと思う。

 

 

人工知能システムを外注する前に読む本~ディープラーニングビジネスのすべて~

こちらはビジネス寄りのAI本で、流行り始めたばかりの人工知能システムをどう発注するか、何に気をつければいいかに着目して書かれた割と先進的なテーマの本である。人工知能の歴史や技術概説もあるが「ちょっと簡略化しすぎじゃないか?」という表現があるので信じすぎないように。

内容はめっちゃ古い。代表的な深層学習フレームワークがCaffe, Chainer, Thearoとか言ってはる。簡単なソフトを使って人工知能を体験してみよう!という章末コラムも今では全く聞かないフリーソフトを使っている。当時はビジネスマンが人工知能を試してみる=こういうソフトを使う、だったのか……?となる。

AIの説明性が大事になってくる、という指摘やハイパラチューニング、データのアノテーション付与などもビジネスになるからAIに直接携わない企業にもチャンスがある、などの話はその通り。

 

 

人工知能グラフィックガイド

今年読んだ本の中でも割と上位に入る奇妙な本。

基本的にはAIの歴史とか哲学的問題について語られている。が、イラストに癖があり過ぎて中身が入ってこない。さらに題名、本文、イラストのセリフが全て「内容が繋がっている」ので本文だけ読んでると話がわかんなくなる。あと、2019年発売だが原著は2013年刊行なので深層学習の話はない。なんそれ!!

この本に関しては、翻訳が酷いのか元々本自体が酷いのかが大いに謎である。

 

 

鉄腕アトムのような医師 AIとスマホが変える日本の医療

AIという単語があって、医療系AIの話はええやんええやん!と思ってブックオフ購入。大体こういう本は220円だからつい買ってしまう……。

実際には殆ど慈恵会医科大学が推進している医療ICTのアプリやプラットフォームに関する取り組みの話であり、AIというよりもっと前段のICT化くらいの気持ちで読むと良い。遠隔医療や電子カルテ関連など医療におけるIT活用について『法律』がどのように関わってくるかがわかる。

鉄腕アトムのような〜っていうタイトルだけど、鉄腕アトム的な話やエピソードの引用などマジで何も無いことには注意が必要。

 

 

AIとはこう付き合え!

AIと名がついているが、殆ど不動産の選び方に関する本である。要するに「不動産情報はそもそも一般に有利な情報がほとんど回っていないからAIで何とかできない」ということを言っている。不動産業界の情報の囲い込みや一般人がどうやって儲かる物件を探し当てるのかの『ヒント』が書いてある。この著者自身としては何も言いきってはいない。不動産を吟味する時に見るべき情報や考え方の話、スルガショック関連の話はめちゃくちゃ面白い。

タイトルからAI本かなと期待して買って、全然そんなことはなかったがAI本の9割弱くらいよりは読んでいて面白い本だと思う。(AI本を読みまくっている自分が言うので信じてください……笑)

 

 

データでいのちを描く―テレビディレクターが自分でAIをつくったわけ

NHKの番組プロデューサーの人で、NHKスペシャルで自ら開発したAIによる番組を手掛けるなどデータに基づいたジャーナリズムを心がける著者によるデータ分析関連の取り組みや報道に関する取り組みや狙いがまとめられた本。

取り組みは東北大震災の被害の可視化、紙媒体データなどのデータ整形を駆使して沖縄戦の被害などの可視化を実施したところと、チャットボットAIをブレーンストーミングのような形で発想を色々出すことに活用した大きく二つであり、それぞれNHKスペシャルなどで番組に挙げている。可視化することで見えてくるものがある、データを見る目には3種類ある、様々な事象に対する「ものさし」を持つことで世界の解像度が上がるといった話はごもっともだと思います。

 

 

図解 人工知能大全

野村総研の研究員の人たちが人工知能に関するトピックをある程度網羅的にまとめたもの。「大全」とタイトルについているだけあって事例などは非常にたくさん載っている。おおよそこの手のビジネスマンが読むAI関連のトピックはだいたいまとまっているが、「2018年時点」の話であることに注意したい。こういう本に載っている活用事例や最新手法が数年後どうなったか追跡するのは面白そうだと思う(全然やれていないが……)。

 

 

ITと熟練農家の技で稼ぐ AI農業

AI農業という単語から、「農業は人材不足だからベテラン農家さんの暗黙知を最新のAI技術を駆使して形式知にしていこう」みたいな内容を想像した。マジでその通りの内容だった。農家さんの視線を追跡するためにアイカメラをつけたり、判断基準をアンケートなどでヒヤリングしたり、作物などにセンサーを付けたりとおおよそこういうAI活用の話でやりそうなことをやった取り組みが紹介されている。

読んでいる限り農業は業界自体が高齢者が多く、かなりアナログなのでまずこういう取り組みで生産性を上げるための環境づくりにめちゃくちゃ時間がかかってプラットフォームが成立する前にベテラン農家さんたちがサヨナラしてしまうんじゃないかと思った。

 

 

2020年、人工知能は車を運転するのか 〜自動運転の現在・過去・未来〜

部分的には自動運転できるようになっていますが、まだまだです(2023年現在)。

自動運転に関する世界の動向、ACC(アダプティブクルーズコントロール)から自動運転んまでの歴史、そして主要な国内自動車メーカーに関する自動運転に関する取り組みや狙いに関するインタビューが載っている。3章以降のいろんな人のインタビューのところが本書のポイントだと思う。日経とかの記事を読んでいるような感じで、あんまり印象に残るところはなかった。

 

 

まーごめ180キロを見てきた

※結構前にバーって書いてたんだけど、映画公開終わってからにしようと思ってそのまま忘れてました。

 

f:id:kaku90degree:20230731111927j:image

 

見てきた。

映画の感想なんて特に書いたことないんだが、何となく残しといた方が良い気がするんでざっと書く。もちろんネタバレあり。

 

この映画、そもそも超長い。2時間くらいある。見ていてあっという間とかではなく、普通に2時間分インタビューなどによる情報が蓄積されていくので物理的(180キロ)だけでなく情報量的にも重たい内容だった。

大鶴肥満のドキュメンタリーではなく、まーごめのドキュメンタリーという触れ込みが冒頭に言われてるが、中身の実態はほぼ大鶴肥満のドキュメンタリーと言ってもよいと思う。大鶴肥満の過去や近況を通じてところどころ『まーごめ』に関するエピソードがコロコロと転がってくる感じだ。

大学時代のお笑いをやってる時の話や、大学お笑いの時からの同期や先輩たち(サツマカワRPG真空ジェシカ、さすらいラビー、ストレッチーズあたり)のコメント共に掘り下げる。

インタビュー中も肥満はハンバーガーをほおばったり大きな身体を使いながら遊具を移動したりと何とも緩い空気の中で行われる。

最初の方は小ボケや肥満の面白エピソード(ロシア版のmixi badooでマッチングした外国人に裸体をばらまかれたエピソードとかめっちゃ面白かった)で和やかに進んでいた。

 

だが、肥満の出身校や家に戻るあたりから少しずつ暗いエピソードが混じり始め、空気が重くなっていく。最初に訪れた小学校の時の担任にきゅうりを無理やり食わされて吐く度に担任が周りの子に片付けをさせて『ごめんね』と謝っていたのがルーツのひとつ、という話からちょっと風向きが怪しかった。

そして、車中で高校に近づくと明らかに肥満の様子が脂汗が増えておかしくなる。テレビショー向けの明るい感じではなく顔をしかめながら高校時代のいじめられたエピソードを校門の前で話し続ける。いじめた相手のことを実名で(もちろんピー音で伏せられてはいるが)話していることからも本来この部分は大鶴肥満にとって触れてはいけないところであることがわかる。

 

また、実家に立ち寄った時にたまたま父母がおり(本当にたまたまかは不明だが)、3年ぶりに実家に帰省して両親にインタビューをするくだりがあった。

真空ジェシカの川北なども触れていたが、家の内装はなんというか、『普通そうはしないだろう』というような形になっている。ここが異質で、かつ、親との折り合いの悪さ(今時あんまり見ないカメラ回ってるところで親が全然息子が芸人やってるのを認めてくれてない感じ)で見ていてかなり不安になった。

元々実家に来る前の車中で家族との折り合いが悪い感じを匂わせていた大鶴肥満は、案の定父と途中から口論のような形になってしまう。口論の終わりには『そのままでいてくれてありがとう』と、父親に面と向かって言う。この言葉がなかなかえぐみがあるな、と思った。そのまま、というのはもちろん嫌な親のままでいてくれて、という意味だ。

半分喧嘩のような形で外に出、車に乗り込み、父親が自費出版で出す本を手渡されたり後からやたら小難しい文面での謝罪メールが来たりして笑いになっていたが、自分としては見ていて嫌悪感とも異なる、ズドンと沈殿したものが残った。

 

その後はマッチングアプリで出会った女性との進展、そして告白して振られるまでのくだりがあったりと、大鶴肥満の近況などが割と赤裸々に語られている。相方のひわちゃんの話を始め、大学お笑い時代の話も色々聞けて面白い。その中で『まーごめ』が作られていった過程が分かるように放っている。

その部分で見るとまーごめドキュメントという言葉に偽りのない映画だと思ったが、やはり見終わったあと残るのは大鶴肥満の出身高校〜実家へと赴いたシーンと不穏な部分だった。

 

 

 

トータルで見ると、結構剥き出しの映画だと思った。

見た方がいい、と人に勧めるタイプの映画ではないなと思った。別に何かを期待して見に行ったわけではない(まーごめのドキュメンタリーという触れ込みが気になって見てみた)けど、それでも大鶴肥満の巨体の中にある仄暗さが垣間見えて、ユニバでバイトした時の舞台裏を見た時の気分になった。

2時間にも及ぶ映画の中には明るい部分や面白い部分も沢山あるので、そこを掬って話すこともできるが、暗い部分がよく残る映画で、なんというか『辛くない人間はいないんだなあ』みたいなことを思った。

キングオブコント2023準決勝配信一日目視聴感想

目次:

概要

今年は準決勝観んと本番行こうと思ったけど、なんやかんや見たくて買ってしまいました。両日見てしまうと当日見たことないネタを見る楽しみがなくなっちゃうので一日目だけ……。
配信で4500円は普通に高すぎると思います。
いや、普通に、配信で4500円は高いす。
別にそこで買わん人は買わんでいいってことだと思うんで全然方針に異論はないけど。

まあ気になる人は結局自分の目で見た方がいいと思うんで、配信チケットのリンクを共有しておきます!
クロコップとシティホテル3号室のネタは音源の都合か全カット、後は隣人が一部音声なしでした。


「キングオブコント2023」準決勝 1日目(9/22 18:00)online-ticket.yoshimoto.co.jp



決勝進出組予想

一日目の配信をざっと見た感じの予想としては、

あたりですかね。
内容的には去年より飛び抜けていってそう!みたいな組はなくて二日目次第な感じはあるんですが、内容的にゼンモンキーは通るんじゃないかなと思っています。ジグザグジギーはめちゃくちゃ好きなネタなんで、決勝行ってほしいですね(連合稽古とサルゴリラも)。




以下の感想は、ネタバレを含みます。
極力見た人はわかる、見ていない人はわからないような言い回しにしているつもりですがそこはご了承ください。










各組感想(ネタバレあり)

TCクラクション

ワックスがけ。
何かツッコミの立場がフワフワしているなと思った。ワックスかけたところを踏まれて怒るか、男の好きな気持ちを応援する側か、定まっていない感じが引っ掛かった。トップバッターだというのもあるだろうけど、どちらかに立場が行き切っていないからTCクラクションのやっている他のネタと比較して勢いが少し弱まっているんじゃないかな~とも思った。

天才ピアニスト

家具売り場。
絶妙にありうる迷惑客のラインが出てきた最初の設定はかなり好き。でも、後半急に竹内がますみと乗っかる方に振れたのが不自然でちょっと無理を感じた。
後ABCのネタとかでもそうだったけど、ますみの設定がおばはんなのか若い女性なのかイマイチわかりづらい感じが気になった。

えびしゃ

ゲーム。
友達と一緒に初見のゲームやっているんやとしたら、絶対一番に豆農家の変なキャラクターいじるだろって思う。そこで泳がせて無視するみたいなのが普通に不自然だと思った。その他にはキャラクターが一人完全に死んでいるのが勿体ないなと思った。こういうゲーム系をモチーフにしたネタって大分やれることが制限されて大ウケが難しいんだろうなと思った。

ななまがり

本番のアドリブ。ななまがりのよくあるタイプのネタ。
事前の練習が前フリで、本番では森下が荒唐無稽なことを口走り初瀬が慌ててフォローする同じ流れオンリーなので5分は長く感じた。初瀬のフォローが最初からずっとまあまあ苦しい(フォローできていない)のもうーんとなる。最初とか途中で上手くカバーできたとか、奇跡的に変な発言が元のお話がつながったとか、そういう違う展開があったら5分間もっと楽しめた気がする。

都トム

ファッションの採用面接。
基本的にはフリップネタなので、復唱する人がいらないなと思った。くだらなさを楽しむタイプのネタだと思うけど、その割には変な伏線回収みたいなのがあってそこいる?となる。2000年代にエンタとかレッドカーペットとかR-1にあったシュールネタみたいな感じだった。

滝音

老夫婦。
前フリ長いけど、静かな感じのバラシで徐々に外堀を埋めていく感じは結構よかった。激しくないツッコミに終始したのはちょっと勿体ないかも。滝音のネタのパターンってもうバレバレでどうなるかわかりやすいんだけど、それでもやっぱりワードが面白い。

ジグザグジギー

ラジオの公開収録。このネタ準々決勝で現地で見たんだけど、すげえ面白い。
こういう繰り返し系のバカバカしいネタは笑っちゃうし、配信で見るとより表情の面白さが引き立つ。準々決勝では時間オーバーしちゃってたからか、オチが変わってた。まあ時間超過は厳しいと思うので、それでいいと思う。ぜひ決勝行ってほしいです。

連合稽古

スモート。相撲芸人が集まってこれをやるという『現象』そのものがすごく面白い。
キングオブコント準決勝の場に力士二人がにらみ合う緊張の時間が普通に30秒くらいあったのが面白かった。コントって漫才よりもさらに『静』の空間生まれにくいよね。イロモノ枠だけどボーダーに乗って意外と上がっちゃうかも。

さすらいラビー

後輩の家。
先輩の非モテしぐさでツイスターゲームを詰めるところが面白い。後輩の女の子が異常というフリは節々から感じられて、逆転するノリのところはあざとくて(ここでウケを狙っているんだろうな~っていうのが見え透いている)個人的に好きではないけどウケてたからいいと思う。

ザ・ギース

飛び込み営業。
話と関係ない部分がすごすぎて入ってこないという、冷静に見たらよくあるタイプのネタ。色々出てくるけど、最初の長靴下のくだりが結局ピークだったと思う。5分間はちょっと長いなと思った。

ジャングルポケット

東京のお母さん。
いつものジャンポケって感じ。三人が良く動いているけど、斎藤が一番ヤバいやつというのをもう少し際立たせてほしかった。最近やんないけどやっぱり斎藤ツッコミのネタ見たいな。

ゼンモンキー

賽銭。
荻野がボケで後二人がツッコミに回る構成がゼンモンキーのネタでは珍しいなと思った。準々決勝でもすごいウケてたけど、細かい表現が変わってさらに面白くなっていた。ウケ的にも構成的にも、流石に決勝当確クラスじゃないかなと思う。

サスペンダーズ

無人島。
コーヒースカッチのくだりでおっ!となってそのまま行き切ろうとして行けんかった感じ。もっと突っかかったり、メガネの方がもっと異常な部分を見せたりすることを期待してしまった。

蛙亭

復讐の悪魔。
中野のうざさが前面に出た嫌だけど面白いネタ。変なオタクってマジでこういう揚げ足取りみたいな詰め方してくるからバリいらつくんだけど、その感じが上手くデフォルメされててよかった。岩倉がこういうオタクみたいなやつ相手に有効な反論がちょうどできないような、いい感じに感情的な女性のキャラ設定なのもよい。蛙亭の良さが出たネタだし決勝行ってほしいな。

カゲヤマ

謝罪。
やっていることはロッチの試着室+とにかく明るい安村みたいな感じなんだけど面白い。最初の1ボケ目からアレだとそらウケるよなと思う。バカバカしい系でウケているし、二日目次第では決勝あるんじゃないかと思う。

伝書鳩

宅配ピザ
行き違っているはずなのに結果的にうまくいくみたいなコント。最初に電話したやつが後半塩漬けだったのが気になる。最後のオチのところの強引さに若いエネルギーを感じた。

シカゴ実業

ババアの定食屋。
シカゴ実業が大阪におる時にオールザッツとかでやっていたネタ。明確に北斗の拳のパロディだけどまあ面白いし、知らん人でも楽しめるようにはなっている。5分やとちょっと長いかもしれない。

かたつむり

ラーメン屋の店員。
空気読めなくてこういう失礼な発言ぶっこむ人って実際にいるよな~と思った。客の人の雰囲気はすごい出ていた。今回のメンツの中だと印象は薄め。

男性ブランコ

マチコ。
男性ブランコの代表ネタで普通に何回も見たことあるやつ。感動系はもうええみたいなところは少し感じるが、最後のオチはウケていた。

サルゴリラ

監督の話。
感動系のBGMが男性ブランコとだだ被りなのが勿体ない。一本押しの喩えの気色悪さと絶妙さが凄いツボ。個人的にはかなり好きなタイプのネタなので上がってくれると嬉しい。

そいつどいつ

アルバイトの面接。
両方ボケでどんどん応酬していくタイプのネタで昔からよくあるパターン。凄くなっていくだけだとしんどいなと思ってたら途中最初のやりとりに戻るところがあって、ループみたいなオチか?と思ったら結局違うかった。これはどうだろうか。

コットン

チケット忘れた。
コットンらしいさわやかなオチのネタ。自分はコットンだとこういう西村がボケのネタの方が好き。一日目だけだと当落くらいじゃないかと思う。

ファイヤーサンダー

日本代表。
ツギクル芸人グランプリでやってたネタ。設定と途中の流れ、オチまで綺麗だし面白い。二日目次第ではあるけど決勝あるラインだと思う。

ザ・マミィ

不倫。
大物政治家が不倫ではない証拠でより恥ずかしい音声をどんどん晒していく本末転倒感を楽しむ感じ。気持ち悪い音声→なにやってんだよ!のパターン以外を5分だと求めてしまうところがある。

やさしいズ

口裂け女
体育教師のやつが出てきてキャラがわかったところがピークな感じがする。口裂け女とのやりとりは「まあそうだろうな」という感じだった。

ラブレターズ

彼女の実家。
彼女のお母さんが徐々にキーが上がっていく感じと、収集がつかなくなったところの終わらせ方までよくウケててよかったと思う。決勝あるラインだと思う。

隣人

チンパンジーに落語を教える仕事。
無音になったから多分途中で曲がかかったんだと思われる。面白くなっていく感じはあった。

レインボー

女芸人。
毎日YouTubeでコントをやっているからか、とにかく一つ一つの台詞や所作、展開がスムーズでその部分は準決勝進出者の中でもトップクラスだと思った。大きくウケたところはないけど、全体的にウケててテレビ映えしそうだし決勝もあると思う。

かが屋

ボイスレッスン。
最初のボイストレーニングのくだりが長くてひやひやしたが、後半の展開がしっかり面白かった。ただ、最初の長さとトレードオフで最後の展開が急ぎ足感あったかなと思う。

ダウ90000

バー。キリンスマッシュを連想した(全然違うネタなんだけど)。
多人数で賭け事をやると楽しいよね。つまんない男の話をこういう形でエンタメに昇華するのはよいと思った。本筋と関係ないけど、バーってアテでポッキー出てくるの普通なんかな?(カリカリに揚げたパスタかピスタチオが出てくるイメージ)

ニッポンの社長

親友の引き留め。
1ボケ目のバイオレンスさでそのまま最後まで突っ走る、THEニッポンの社長って感じのネタ。ニッポンの社長ってこの感じを何でもないようにしれっとやるから余計に面白いなあと思う。ウケ的には決勝普通に行くレベルだと思うけど、どうだろうか。

や団

泥棒探し。
バイオレンスで的確なツッコミが刺さって、王道でしっかりと面白いネタだった。最初のネジのくだりが後になんかつながるんかと思ったら単発だった。多分伊藤の異常性を感じさせるための紹介みたいな役割だったんかな。前のニッポンの社長に続いて、決勝割と固い方のラインだと思う。

2023年7月に読み終わった本リスト

暑すぎて外に出るのが億劫なので冷房の効いた自室でそこそこ本を読んでた。

お盆休み入ったのでサッと更新。

 

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

 

光できらめく理系女性たち―理想のワークライフバランスを目指して

私立女子大学で唯一理学部を持つ日本女子大学の小舘香椎子研究室(光学系の研究を行っていて望遠鏡すばるの光学部品を納入した実績あり)を中心に、日本女子大学のOGや政府・企業関係者による理系女性のキャリアについて色々書かれた本。光学×理系女性というかなり狭いスコープが気になって読んだ。こういう自分と全く重なっていない対象に向けて一生懸命まとめられた本は個人的に好みである。

1章は理系への産官学の女性支援体制、3章は産学有識者から女性技術者へのメッセージでお偉いさんの話って感じであんまり面白くない。4章は2007年当時の日本女子大学在籍の学生へのアンケート結果や小舘研究室の紹介でデータとして、理系のキャリアに進みたい中高生は特に参考になるだろうと思った。

本書の目玉は2章の日本女子大学小舘研究室OGたちのトピック。大学教員や研究所職員、民間企業のエンジニア、その他結婚を機に退職し再就職した人など様々な女性のキャリアと後輩へのメッセージが書かれている。日本女子大学は昔は家政学部内に現理学部に相当する研究室があり、大学院を持っていなかった。その中で光学を追求し東大助手になり、二児を育てながら独自の光学研究を続けてきた小舘教授の背中を見るようにOGたちも日本女子大学や他大学院へ進学し研究者・技術者として築いている。子育て・家庭との両立を行いながらキャリアを築くOGのロールモデルが身近に多数存在するところが女子大の強みと感じた。日本女子大学のちょっと詳しいパンフレットに載ってそうな内容だが面白かった。

ちな小舘研究室の当時の紹介PDFはググったら出てきたので、興味ある方はぜひ(俺以外興味あるやつはおらんか……)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej/63/3/63_3_312/_pdf/-char/ja

 

参考:

www.adcom-media.co.jp

 

 

 

制御システム技術の理論と応用

東芝の技監がメインで執筆された本で、重電バリバリ時代の東芝の制御技術に関する取り組みや色々な手法がまとめられている。もちろん制御工学をかじっていないと数式の詳細な議論はわからないので、ファジィ制御エキスパートシステム/ニューラルネットワーク制御に関する章を厚めに後は流し読み程度で読んだ。いわゆるPID制御などの古典制御、現代制御の理論や動向・導入事例を皮切りに、線形計画法などの数理最適化、エキスパートシステム/ニューラルネットワーク人工知能系と取り扱う範囲は広くその他シミュレータの発展やヒューマンインタフェース・制御システム関連のハード/ソフト関連の技術などまで書かれている。「制御」にまつわるものなら何でもござれって感じの本。

この本が刊行された92年時点だと所謂ルールベースのAIであるエキスパートシステム/ファジィシステムは発電所の運転制御、電力復旧、道路トンネル換気制御など様々な導入例が話されているが、ニューラルネットワークは3層のしょぼいネットワークで制御のシミュレーションやってみましたという話くらいしか実例がない。この差は第二次AIブーム前後のAI概況を端的に表していて面白い。

 

 

 

野田の日記 -2006-2011(はじめのほう)それでも僕が書き続ける理由 (ヨシモトブックス)

マヂカルラブリー結成時から野田が魔法のiらんどで執筆していたブログのうち2006〜2011年までを収録したもの。
郵便局員のバイトの話、楽屋での会話、家族との会話、M-1グランプリや単独などの裏での会話や告知、村上との会話、その他日常エピソードなどを端的に。
見ていると昔はマヂカルラブリーは結構吉本とかの舞台で芝居やってたんだな〜となる。他にも桜前線、モダンタイムス、井下好井などの名前が出てきたりパンサーや田畑藤本、インポッシブルあたりとのエピソードで「そこら辺の芸人より野田の方が先輩なのか……」となる。一つ一つのブログは短いけど普通に6年分あるのでトータルだと結構文量ある。

 

 

 

大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界 (岩波科学ライブラリー)

今年の6月に出たばかりの本。ChatGPTに興味ないわけではないのでもちろん読了。様々な人が書評書いているので今更やが。

ChatGPTのアプリケーション、リスク、各国の投資状況などが簡単にまとめられていて助かる。5,6章でLLM(大規模言語モデル)がなぜすごいか、どのようにすごいか理論的なポイントがまとめられている。Transformer(モデル構造の名前です)に基づいた大規模言語モデルのすごさは主に以下の二点だと読み終えて自分なりに理解した。

  • モデルサイズ、訓練データ数、投入計算量を上げることで予測誤差がべき乗則的に低下し性能向上すること。
  • モデルサイズが一定以上大きくなると今まで解けなかったタスクが急に解けるようになる(創発)

前者は古典的な機械学習の常識からすると考えられない(モデルをやたら複雑にすると過学習が起き性能が下がるはず)し、このべき乗則が成り立つということは例えばモデルサイズを大きくすることでどれくらい精度が上がるか予測できるということで「そんな夢のような話が……!?」となった。

後者に関しては、原論文を当たってみないとわからんところもあるが仮想的にパラメータを変更してタスクにその場で適応しているようなことが起きているという。ChatGPTが色々な質問にいい感じに答えてくれるのも創発様のおかげというわけか。

ともあれ、機械学習界隈が改めて異常なものが次々出てくる魔境であることを周回遅れで実感した感じがした。面白いし数式も出てこなくて読みやすいので、みんな読みましょう。

 

 

 

京都三大学 京大・同志社立命館――東大・早慶への対抗

京都を代表する3つの大学の歴史、特色、輩出した有名人物などがまとめられている。割り振りは京大4章、同志社立命館は2章でボリュームはかなりある。
本書内の内容を例に出すと京大の前身となる第三高等中学校は短い間に数回改名していた、元々大阪にあった、東大法学部が官僚養成機関であるのに対抗しゼミナール中心の方針を京大法学部は打ち出したが司法試験などの合格者が東大と比べて低く批判され方針を転換した……など面白い話が沢山ある。

万人には勧められないが俺みたいな学校の歴史が大好きな物好きが読むととても楽しめる本だと思った。

 

 

 

無名時代 (集英社文庫)

出先で涼みに入った喫茶店に置いてあったのをサッと読んだ。

阿久悠が明大を卒業して広告会社(宣弘)に入社し、放送作家として活動し出すまでを描いた自伝小説。実際に作詞家として活動しだすところ(≒ほとんどの読者が一番気になるところ)は全然書かれていないが、上川(上村一夫)に歌詞を描いてギターを弾いて歌ってもらっていたという話は載っている。
振られたり同棲したりを繰り返すメンヘラ女や会社の3歳上の総務→バーのママになった女との関係の話や、ダメな先輩や営業から取引先の大手メーカーに転職した同期などとの会話などが詳細に描写されており、広告関係の仕事部分の描写はもちろんあるにはあるがそちらは薄めである。ナルシズムかかった文章でタバコ吸いながら女とのただれた関係書きまくりで鼻についた。というかほとんどそれ。

肝心かなめの会社を辞めるところとか、広告会社しながら放送作家として台本送りまくって2足のわらじやってた話(めちゃくちゃ凄いことやっている!)がむっちゃサラッと流されている。努力部分や苦労した部分は見せず、女や同僚らとのオサレな会話に終始するのが白鳥のごときエレガントな阿久悠スタイルか。
最後のいきものがかりの後ろの男(水野良樹)の解説は薄っぺらすぎて全然頭に入ってこなかった。

 

 

 

近畿大学プロジェクト クロマグロ完全養殖

グローバルCOEなどに採択されていた近大のクロマグロ養殖プロジェクトの成果をもとにまとめられた一冊。半分専門書みたいな感じだけど、養殖に関する実験データは割と明快なものが多く読みやすい。

序章でマグロの歴史とかが書かれているが、まずここで「へ~」となることが沢山ある。縄文時代からマグロの骨の跡が見つかっていていた、万葉集に『鮪釣る』という表現の和歌が載っている、江戸時代初期は『勝つ男』というゲン担ぎでかつおの方が人気でマグロは格下だった……など。

マグロの養殖に関しては稚魚時代に初期の減耗、共食い、柵への衝突死などとにかく何かあるとすぐ死ぬし、輸送後もせっかく移したマグロが死にまくるなど、あまりにも課題が多くて面白い。マグロが食べれる生きた稚魚を給餌する、柵にぶつからないようにわかりやすい色・模様にする、照明をつけるなど一つ一つの検証と対策を重ねてようやくクロマグロの完全養殖を達成したようだ。近大を始めとする水産関係者の努力には頭が上がらない……。

 

 

人工知能ー実用化の時代へ(新潮文庫)

6章構成。長尾真氏は基本編集で、パート6の人工知能の展望や限界に関する話のみ執筆。パート1〜5は石山昭男氏(ググってもこの人の来歴は出てこない……)が担当。エキスパートシステム最盛期かつ昭和末期の本であり、この時代は人工知能=ルールベースでありそもそも人工知能の歴史の話にマカロック&ピッツの人工ニューロンパーセプトロンなどの話は出てこないという今だとまああり得ない内容の本。コンピュータも一般にあまり普及していない時代なので、内容は半分が電子計算機の発展(ENIACとかね)の話で半分がエキスパートシステム
特筆すべきはパート4の日本DECが国鉄に導入した列車運行管理システムの話である。ルールベースの人工知能(今みるとこれは人工知能と呼ばれるものではない気もするが)で新幹線の最適化を導入する様子が書かれている。国鉄職員からルールや知識を仕入れて必死にIF~THENルールを試行錯誤する様子が書かれていて、ルールベースのシステム開発って相当大変なんだなぁと思った。

 

 

JAXAの研究開発と評価

JAXAの研究開発と評価に対するJAXAの張替氏と同志社大学の山谷氏の対談。

JAXAは2003年に文部科学省の管轄で、それまで異なる目的、管轄で運営されていた宇宙開発事業団』『航空宇宙技術研究所』『宇宙科学研究所の3つの宇宙に関する研究開発機関が合併して設立されたらしい。
JAXAは共同管理の法人であり、内閣府総務省文部科学省経済産業省の4つでありJAXAの事業計画時にはこれら関係省庁すべての認可が必要。(調整めんどくさそう……)
JAXAは航空宇宙分野ということもあり、他の独立法人と比較すると年単位の研究の業績のプレッシャーは少ない。研究分野が直線的なせいかがでるものではないことから。評価をする機関は国民に対してのアカウンティビティが存在し、結果として尖った研究が行いにくくなっている。米国のNASAでは投資を募る機能を持っており、投資した資金を使って挑戦的な研究を行うことができるらしい。

……とまあとりとめのない内容。それもそのはず、この本はシンポジウムでの対談ベースにまとめた内容の本のようだ。本にするための会話じゃないから、今一つ読みごたえはなかった。JAXAの研究体制とか評価基準、歴史が知れたのはよかったけど。