孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

2021年の女芸人No.1決定戦THE Wは普通に面白かったんだが?(THE W2021感想)

目次:

 

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女芸人限定の賞レースとして始まって、例年M-1グランプリのすぐ近くにやっているTHE Wももう5回目らしいです。

今回は敗者復活(?)として、A,Bブロックで敗れた8組で一番視聴者からの票を集めた芸人が復活して、3組でファイナルステージを争う仕様に変更されていました。結果、三者三様の対決になり前年度よりも賞レースとしての見応えは増したのでこれは良い制度だと思いました。

例のごとく内容にはネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はHuluなどでご視聴をば。

 

 

【Aブロック】

ヨネダ2000

ストイックなお相撲さん。

M-1三回戦で披露したネタと同じだけど、時間が長くなって長渕剛のくだりが追加されてた。意味がわからなくて変だけど抜群にセンス溢れるネタです。

こういうネタって多分、お笑いを志すような人は一度は憧れるだろうけど、大概が意味が分からないだけの面白くないネタになりそうな気がするし、それをこの若さでここまで面白く仕上げるのは凄いなと感じました。ただトップバッターで場をぐちゃぐちゃにするというほどはウケていなかった感じはしました。

 

紅しょうが

デートの引き立て役。

相変わらず安心して見れてまとまった感じはあるけど、あんまり盛り上がりどころがなくて去年の方が良かったかもしれません。ヨネダ2000の後だからかなりしっかりした印象はあった一方で、少しレトロに感じてしまったところもあります。

 

茶々

電車内の会話。

芸歴二年目らしいっす。全然見たことなかったけど面白かった。母と子の会話に対して向かいの女が一々反応してくるっていう内容で、意外性はなかったけどついつい引き込まれてしまう感じです。先に子供と母の会話に対するドヤ顔の演技とかがかなりよかったかなと。

 

TEAM BANANA

イライラする人。

M-1準々決勝でやったのと同じネタ?去年とかもやってたあるあるネタ系で、去年のネタと比べてあんまり印象は変わらなかったという点で普通かなと。西武新宿線のくだりとか、大中小のおじさんのくだりとかは面白かったけどそんなウケていないように感じました。

 

オダウエダ

焼き鳥屋さん。

一発目のハツの就活でもう結構ハマってた。以降も奇抜なものが連続で次々流れてくるのにスッと受け入れられて面白く感じるのは、二人の声の感じとか掛け合いのやり方とマッチしてる見せ方だからなのかもしれません。Aブロックでは一番好きで面白かったので納得のファイナル進出でした。

 

 

【Bブロック】

天才ピアニスト

ドアの強度チェック。

ドアの強度チェックのたびに演技を入れてしまうますみと、徐々にドアチェックから演技の内容に論点が変わっていく感じがとても面白かったです。もう少しドアの強度と演技の時間のトレードオフの中の最適解を模索する感じの展開も見たかったかもしれません。

 

女ガールズ

黙っていたこと。

真ん中の冴えない感じのちょっと変わった女性を両脇の二人がいじったりツッコミを入れたりするスタイルで、考えてみたら意外と類型が思い当たらない感じで新鮮味を感じました。阪神に電話したところからボケツッコミ入れ替えたテイストを変えたもうひと展開あるのがすげぇ!と思いました。

 

ヒコロヒー

パンクロック。

パンクロックを志してるけど変に真面目な息子を偏見的な視点で切り込んでいく感じが面白かったです。たとえに面白いけどそんなハマってないなという箇所が割とあったのと、緊張からか甘噛みが多かったのが気になりました。このネタは話に出てきたフレーズの背景知識がどれだけあるかで感じる面白さがかなり変わってきそうな気がします。

 

スパイク

クラブ。

去年決勝進出していたのにコロナで辞退して、今年悲願の出場です。お酒飲んで酔っ払ってしっちゃかめっちゃかになるまでの感じをデフォルメしてて結構面白かったです。最初の方繰り返してたマンガみたいな怒りの動作結構ツボだったのでもう少し後半でも見たかったです。

 

Aマッソ

電話対応。

かなり王道のちゃんとしたコントで、電話対応の敬語の使い分けの切り口からどんどん広がっていって後半かなり盛り上がってて面白かったです。天才ピアニストの方が着眼点とかは新鮮味があったんだけど、後半の盛り上がりを丁寧に作り上げたAマッソに軍配が上がったんかなと思いました。Aマッソは王道をやってもめちゃくちゃ強いですね。

 

【ファイナル】

敗者復活枠は天才ピアニスト。ちなみに私は天才ピアニスト、女ガールズ辺りと迷ってスパイクに入れました。

 

Aマッソ

映像漫才。

去年も同じフォーマットの漫才をやってましたね。去年より内容をより洗練させた感じはあって実際凄いんですけど、一回目に見た時の衝撃を個人的には上回らなくて、1本目のしっかりしたコントと比べたらちょっと弱く感じました。

 

天才ピアニスト

献立クイズ。

場面場面で暗転で一回流れがリセットされるのがちょっともったいない気もしますが、おばちゃんと店員のやり取りがとても自然でスッと物語には入れて面白かったです。短編のウェブCMドラマを全部見終わったような感じの満足感があり、三組だと私は天才ピアニストが優勝するかな?と思いました。

 

オダウエダ

カニのストーカー。

奇抜なことをずっと言ってただけで、特に演技とかが上手いわけでもないけどなぜかすごく面白くてずっと笑ってしまいました。VTR振りで言われてたように本当に攻撃力だけに振ったようなフレーズのコントで、特にカニ五万匹の命を犠牲にして作り上げたキューブが鋼の錬金術師の賢者の石を彷彿とさせて面白かったです。

 

 

 

 

三組見て一番笑ったのがとにかく出てくるワードや小道具が面白いオダウエダで、総合的に見て優勝しそうだなと思ったのが上手くて面白い高品質なコントを披露した天才ピアニストでした。

形式としては一番新しい(去年1度披露していたため新鮮味がないのが残念ですが)Aマッソも十分優勝はあり得るかなという感じで拮抗している印象でした。

結果としては3:2:2でオダウエダが優勝となりました。

この結果に関しては未だに賛否があるようですが、個人的にはファイナルで間違いなく一番面白かったネタを披露したのはオダウエダだったので異論はありません。

審査に関してネットでは色々議論に上がっているところではありますが、少なくとも『同情』で票が入ることはないと思います。3票集めるだけの魅力と面白さがオダウエダに確かにあったと私は思いました。

 

今年はAブロックの途中くらいまでは全体的にあんまりウケてなくて盛り上がりが薄かった気がしますが、オダウエダを火付け役に以降は新設された敗者復活枠も上手く働いてかなり拮抗した見応えのある賞レースになったと思います。

採点制度に関しては相変わらずノックアウト方式は前半の人がすこぶる不利なのでブロック単位で最後に審査員ごとに複数票を振り分ける旧R-1みたいな方式にするか、せめてブロックをA,B,Cの3つに分けて3人ずつくらいでノックアウト方式を行なった方がまだ不公平感が減るのかなとは思いました。結局点数制の方が盛り上がるとは思いますが、そうでなくてももっといい採点の形はあるのかなぁと感じましたし、まだまだ始まったばかりの賞レースですので来年以降にまた期待ですね!

 

The Wが終わるともういよいよM-1グランプリ決勝がすぐそばです。もはや冬の風物詩ですね!

 

それでは今回はこれで終わります!

 

オダウエダ優勝おめでとう!!!!!