孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

シックな黒い城の街(長野県松本市来訪録 後編)

 

※すっかり遅くなって申し訳ありません。

 

前編はこちら。

 

2arctan-1.hatenablog.com

 

東工大コピペで有名な松本深志高校信州大学を巡り終えたので、今回からは真面目な観光に移ります。

松本市は思っていた5倍くらい見る所が沢山あって、『文化資本』が潤沢にある街だと感じました。

松本城1本のみではなく、博物館や美術館などがめちゃくちゃ沢山ありました。とても一日で回れる量じゃなかったのでいずれまた見れなかったところを見たいところです……中々足を運ぶ機会はありませんが。

 

 

 目次:

 

 

 

旧開智学校

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というわけで、まずはコチラの旧開智学校です。

こちらは昔の学校資料を飾っている資料館であり、様々な教材や記録などが飾られていて大変興味深かったです。似た展示がある博物館だと京都学校博物館などがあるでしょうか(実際に同じ開智学校を前身としているみたいです)。

 

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東南西北のオブジェ

 


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珠算の授業で使われていたと思われるデカいそろばん


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凝った木彫りの扉やステンドグラスなど、校内のデザインなどから当時の最先端が取り入れられていたことが伺えます。

展示物にあった解説によれば、設計者である立石清重氏が洋風建築を独学で学び取り入れて作り上げた『擬洋風建築』らしいです。調和と対称性を重視する洋風建築と比較すると、開智学校は窓の数が左右で違っていたりと非対称なところがあるとのことです(もう一度外観の写真を見直してみよう!)。

 


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ジャケ買い不可避なカッコよすぎる表紙の音楽の教科書

 

旧開智学校の新校舎に相当する松本市立開智小学校もすぐそばにあります。今でも松本市内の小学生が通う学校のようです(こちらの校舎もすごくモダンな印象です)。

 

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校門からは新旧開智学校が一望できます。

 

 

【鈴木鎮一記念館】

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ふらふら旧開智学校の近くを歩いていたら見つけました。全然知らない人だったけどなんか気になったので入ってみました。

すると、どうやら『スズキメソード』というバイオリンを通じた音楽教育を確立させた世界的に有名な音楽教育者だそうです。あの葉加瀬太郎などもスズキメソード出身なのだとか。

日本はもちろんのこと世界的に高く評価されてる人物のようで、海外の様々な大学から授与された名誉博士号やアインシュタインからの手紙などが飾ってあり凄いと思いました。あと、係員のおばちゃんの熱量が凄くてスズキメソードに関して色々解説をしてくれてありがたかったです。ずっと解説してくださって内部の写真を撮る暇がありませんでした(撮影可能かは不明)。

無料で入れますし、音楽をやっている人は特に一度足を運ぶ価値があるでしょう。

 

 

と、フラフラ回ったところで正午を回っていたのでここでお昼ご飯を食べることにしました。

 

 

【松本からあげセンター】

というわけで松本駅内に『デカい唐揚げが食える店』があるとの情報を元に、訪れましたのは松本からあげセンター。

 

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駅に併設されたショッピングモール内のレストランフロアにあり、カジュアルでおひとりでも入りやすそうないい雰囲気のお店です。

そこで、お店の名物という『山賊焼定食』を頼むことにしました。

 

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デカすぎンだろ…………ッ!

 

どう見ても揚げ物なので山賊『焼』ではないだろ……っていうツッコミは置いておくとして大ボリュームの山賊焼が1000円弱という驚きのコスパで頼めました。最高です。

テーブルの上には塩、ケチャップ、マヨネーズ、マスタードなど様々な味変調味料があって最後まで美味しく楽しく食べることができるところが良かったです。個人的には七味+マヨネーズがオススメです。

大ボリュームの山賊焼定食で大満足したところで、午後の観光に向かうことにしました。

 

 

 

松本市時計博物館】

今回行った松本市のスポットの中で個人的に1番楽しかったところです!

 

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↑時計博物館というだけのことはあり、博物館そのものに巨大な時計がくっついています。

 

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時計博物館はその名の通り、中には世界各地から集められた様々な年代、種類の時計が展示されている一点特化型の博物館です。セイコーエプソンなど様々な精密工業を軸にした企業が栄えている長野県ならではの展示という気がします。

様々な機構や工夫を凝らした時計が所狭しと展示されており、さらにそのほとんどは実際に動いています。

そのため、00分などの区切りのいい時間になると館内のあちこちから時計の音が鳴り響きます。なかなかびっくりする光景なのでぜひご覧になるべきだと思います。

 

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↑お洒落なデザインの和時計です。太陽暦と違う和暦に合わせて設計されているので、季節に応じて時間を少しずつ調整して変えられるような機構になっているそうです。


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紳士が使ってそうな懐中時計がズラリ。


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↑ローリングボールクロック。溝の中を小さい球が転がり、端に行くと傾いてまた逆側まで球が転がります。動いてる様を見ているだけで面白いです。


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↑館内には時計以外に蓄音機とレコードの展示もありました。レトロな雰囲気に浸れます。


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↑ふと天井を見上げると、なんとシャンデリアも時計になっていました!


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↑世界各地から本当に様々なデザインの時計が集まっています。


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特別展では、時計の中身や動き方などが開設されていて勉強になりました。実際に動いている歯車の噛み合わせを見るとワクワクしますね。

 

f:id:kaku90degree:20200906222103j:image↑館内で見かけたポスターにハッとさせられました。


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特別展ではクイズをやっていて、正解することで缶バッジをゲットしました!

問題は振り子時計の周期を変えるにはどうすればいいか?というものです。高校物理クラスですが、皆さんはおわかりになるでしょうか?

 

 

松本城

時計博物館の展示を楽しんでいたら結構いい時間になってきたので、元々の目的であった超有名なお城の松本城に向かうことにしました。

入館料は松本市立博物館セットで700円でした。

長期連休ということもあってなかなかの混み具合で、何と60分待ちの行列ができてました!フライングダイナソーかな?

 

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持ってきていた文庫本などを読んで時間を潰しつつきっかり1時間ほど経ってようやく松本城内部に入ることが出来ました。

 

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とにかく人が多くてゆっくり観光できなかった+非常に階段が急でなかなかハードな環境でした。狭い階段内で大量の人が行き来してるので、内部自体がそこまで広かったわけではないのですが見学にも時間がかかりました。

連休とはいえ、ここまで人が沢山いるとは思わなかったというのが正直なところです。さすが国宝・松本城……。

大きいお城の中っていうのはそれだけでテンションが上がるし、1度はやっておいてよかった体験だと感じました。

 

 

松本市博物館】

松本城を出た時にはもう既に17時前でしたので、入れるかどうか危うかったのですがなんとか17:30閉館ということでお邪魔することができました。

郷土博物館にありがちな感じで、現地から出土された発掘品やその地元に特有の文化などが展示されています。

 


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↑館内を歩いていると立派な宝船が目につきます。


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松本市に伝わるわら馬


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↑松本地方に伝わる七夕人形。これが縁側に吊るされているのを想像すると少し怖いですね。


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↑松本に道祖神がめちゃくちゃあるの、『民俗』感があっていいですね。


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↑オンマラサマ(直球)

 

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松本城はお城も黒いし、高名な武士の鎧も黒いのでめちゃくちゃカッコイイです。

 

 

残念ながらじっくり見る事は出来なかったのですが、松本市という土地の特徴が良く感じられる素晴らしい空間でした。

 

 

 

【終わりに】

というわけで一日限りの弾丸旅行ながら、松本駅周辺の観光名所等を回ってきました。一日で回るにはあまりに松本市には色々なものがありすぎて、改めて非常に文化資本の高い都市だと感じました。正直ほぼ下調べせずに何となく来たのですが、予想を遥かに上回る満足度でした。

まだ見切れていない場所が沢山あるので、是非また訪れたいところです。

 

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夏のある日の思い出の1ページ。

日中一杯松本を観光をした余韻に浸りつつ、特急あずさに乗り込むのでした……。

 

 

 

【おまけ】

松本市入りした日の晩にとき宣のライブ中止を告げられた私は、特急あずさに乗って気がついたら立川駅で途中下車していました(詳細は前編を参照してください)。

 

 

 

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2時間ほど滞在して酒を飲んで、ライブが中止になったという現実にようやく納得して帰宅しました。

 

書き上げてから改めて前編を見返したら口調が『~だ、~である』調であることに気付きました。そこら辺の違和感については堪忍してください。

 

 

終幕