孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

2023年2月に読み終わった本リスト

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

図解カーエレクトロニクス 上 システム編

ブックオフで220円で売ってるの見かけて「専門と違うけど面白そうやし気になるなー」と思ってAmazonで調べたらそこそこの相場の本だったので購入。

上編のみだが、主にカーエレの制御ソフトウェア周りの話が広く浅く解説されてる。多分これだけ読んでも仕事はできないと思うけど、自分みたいな工学系かじってるけど車載関係よくわからん系の人にはありがたい。さすが天下のデンソーさんやな。基本的にガソリン車、ハイブリッド車が対象となっていて、2010年代前半の本なので当たり前だけど近年のEVの話はまとまってない。

 

 

僕の人生には事件が起きない

雑誌に連載されてた岩井のエッセイ集。書かれてる出来事自体は我々の日常でもまま起こるクラスのしょうもなさで、心情の描写で面白くしてるタイプで気楽に読める。澤部のくだりはTwitterかなんかに流れてて有名だったから知ってたけど、その他も色々面白い記述はある。

そもそも岩井に興味なければ30代男性の日常生活を記したちょっと面白いブログ(この記事も似たようなもんか……)みたいな内容だが、ハライチ好きなら買って損ないと思う。

 

 

探偵!ナイトスクープーアホの遺伝子

関西の誇る長寿番組ナイトスクープの誕生秘話、そして軌道に乗るまでの紆余曲折の裏側が様々な名作回の話とともに書かれている。著者含め初期のナイトスクープ制作陣のエピソードから『昭和のモーレツ会社員』って感じの雰囲気を感じてその熱気やエネルギーが作品に向かったんだな〜と思う。自分がちょうど幼い頃見てて印象に残った回の裏側や、2023年現在でも受け継がれているナイトスクープのスタイルが確立するまでの流れが知れて収穫はあった。

Amazonレビューに基本自慢話でウザい、と書いてあるのがあるが気持ちは分かる(笑)。

 

 

最短コースでわかるPyTorch&深層学習プログラミング

Pytorchを本格的に触る機会が出てきたけど、『Define by run』と呼ばれる自動微分の仕組みがよく分からんかったので藁にもすがる思いで購入。最短コースとかいうタイトルの割には500ページ超えててめちゃくちゃ分厚い本だけどGoogle Colabで書かれた手厚いスクリプトがほとんどだからそこは安心してよい。解説も分かりやすくてサッと読めて『感じ』が理解出来たのでかなり有難かった。

Pytorchちょっと知ってる人なら、この本買わなくてもこの本のGitHubだけ見れば内容が分かってしまうかも知れませんね。

 

github.com

 

 

 

Team GeekGoogleギークたちはいかにしてチームを作るのか

Googleのエンジニアが書いたチームをどう作るか、どう上手くやっていくかが書かれた本。この本を読むと、米国でも『根回し』は大事なんだ!とよく分かる。こういうのは万国共通ですね。繰り返し繰り返しHumidity(謙虚)、Respect(尊敬)、Trust(信頼)という言葉が出てきて欅坂46を思い出した(謙虚、優しさ、絆)。欅坂もこの本を読めばもう少し「うまくやれていた」だろうね。

書かれてることは当たり前だけど、今ひとつちゃんとできてなくて「うっ……!」と刺された箇所が何個かあったので今年度は組織内でもう少し上手くやれるようになっていきたいな。

 

 

ナナメの夕暮れ

オードリー若林のエッセイ集で、『社会人大学卒業見込み』の続編みたいなもん。前作は人見知りが本格的に芸能界の仕事に入って四苦八苦しながら学ぶ様が等身大で書かれてたけど、本作はおじさんになって「人見知りじゃいられないよね」と中年に差し掛かった心境の変化が書かれている。

この年代の人って、芸能人でも普通の社会人でもだいたい同じようなことを言ってたりするのでこのような悟りを得るタイミングが何処かであるのだろう。

 

 

 

失敗の本質

日本軍の大東亜戦争の失敗を組織論的観点から分析した、超有名な1冊を今更ながら読んでみた。昭和の『しくじり先生』って感じの内容だった。

日本軍の失敗ケースを見ると、「そもそもこうなってしまったら後はもうおしまい」みたいな『詰み』感が半端ではないので、意図的に非常時に備えてロバストな組織体制をとることと、絶対にバックアッププランを用意しておくことが大事なんだなと感じさせられる。昔の本というのもあり、失敗の要因分析部分はかなり長くてくどいので(詳細な日本軍失敗事例の記述こそが面白さなんだけど)、この本をビジネス書として求める人はもう要約読んで終わりでもいいのかもしれないと思った。

 

 

「芸人の墓場」と言われた事務所から「お笑い三冠王者」を生んだ弱者の戦略

芸人のマネージャーが書いた本なのになぜか日本能率協会マネジメントセンターとかいう、プロマネとか上流工程に関するIT系の書籍とかよく出してる出版社から出てたんだけど、中身読んだらめちゃくちゃちゃんとマネジメントの本で納得した(笑)。

もちろんSMA創設のエピソードとか芸人のコメントもあってお笑いファンが買っても楽しめるけど、期待するほどそこら辺のエピソードの情報量はないんでビジネス書寄りだと思って買った方がいい。SMAの芸人好きは買ってもいいと思うけど、それよりかは(芸能関係以外も含めて)広くマネジメントに興味ある人が読んだら凄くいい本だと思う。自分はかなり面白いなと思った。

この本の1番の欠点は『タイトルが長くてキャッチーじゃ無さすぎる』ことだと思う。人に薦める時にタイトル覚えづらいよ。

 

 

 

顔認証の教科書

NEC、実は生体認証で世界トップクラスの研究力を有してて、顔認証は5回世界一獲ってるらしい。顔認証中心に生体認証技術の沿革を洗えて、かつベンチマークコンペで世界の企業や研究所と闘ったエピソードが書かれてて結構読むと面白い。一般書であり数式は全く出てこないので、大学受験で数学を使わなかった系ビジネスマンでも楽しく読めるはず。

この本2021年に出たまあそこそこ新しい本だけど、横浜のブックオフで220円で買いました。やっぱりブックオフは神なんですね。