孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

キングオブコント2016を改めて視聴してみたゆる〜い感想

前回はコチラ。

 

2arctan-1.hatenablog.com

 

今回は2016年です。

この年はライスとジャンポケがめちゃくちゃ拮抗していて、本当にいい勝負だった年だと思います。2013年の王者かもめんたるが決勝進出しているところもポイントですね。また、さらば青春の光が2012から2018までの間で唯一準決勝敗退した年です。連続で過去のキングオブコントを視聴しているとさらばが出ていることが当たり前すぎて、いないと逆に目立ちますね。

それでは早速見ていこうと思います。

 

tver.jp

 

 

目次:

 

 

 

全体の感想

ライスとジャングルポケットは歴代キングオブコントでもトップクラスの接戦だったです。本当にどっちが王者でもおかしくなかったと思います。審査員制度が入って2年目ですが、どの審査員も一年でだいぶ慣れた様子になっていて前年度よりかはアットホームな賞レース(?)になった感じです。

2016年はライスとジャンポケのデッドヒートが目立つほかには、客席が悲鳴を上げる、引いてしまうネタが目立っていたと思います。テレビ越しに見るとそこまで凄まじい内容ではないんですが、生で見るとまた違うのでしょうか。観客をいかに味方につけるかが審査員制度だとより一層重要になっている感じはしますね(それはそう)。

本編とは関係ありませんが、浜ちゃんの審査員入場時の時のヤジが去年から圧倒的パワーアップを遂げていて笑いました。

 

 

1本目

【しずる】

ネタは『張り込み捜査』。点数は443点。2012年以来4回目の出場。

犯人がいると予想していた建物に突入する前に犯人が捕まってしまい、引っ込みがつかなくなって誰もいないと知っている建物に突入してしまうというバカバカしいコントです。最初に仕組みが全部わかってるのでそこまで予想を裏切る点などはないのですが誰もいないと分かってるのに銃を撃って暴れまくる二人の刑事の掛け合いがオーバーで面白いです。キングオブコントの経験が深く、演技力のあるしずるだからこそ面白くできるコントじゃないかなと思いました。

村上にいつの間にか子供が生まれててラーメン二郎と一通り揉め終わってて、歴史を感じました。

 

 

ラブレターズ

ネタは『人生の野球拳』。点数は点。2014年以来3回目の出場。

ラブレターズが歌ネタで戻ってきました。溜口がずっと野球拳に乗せて歌を歌い続け、塚本が高校球児役としてその演技をして、要所要所でバントをするというネタです。歌い始めた瞬間のワクワク感を超えなかった感じがありますね。シンプルにとても歌が上手いですね。

紹介VTRに出てくるASH&Dの所属芸人、少ない分全員知ってる芸人(ザ・ギース、阿佐ヶ谷姉妹etc)でウケちゃいましたね。

 

 

かもめんたる

ネタは『彼氏の念』。点数は444点。2013年の優勝以来3回目の出場。

いつの間にか女装ガチ勢のイメージが付いていた槙尾のガチ女装が見れるコントです。女性の元に、遠距離恋愛をしている彼氏の念が具現化して家に現れるという言いようのない設定のコントです。う大は最後の最後までほとんどしゃべらず、電話口の彼氏の口ぶりとポップなう大のジェスチャーの対比を槙尾の台詞で脳内補完しながら楽しむネタでかもめんたるにしてはダークな要素が薄めのコントだと思います。

槙尾の嫁、かわいい。

 

 

かまいたち

ネタは『首が落ちるマジック』。点数は458点。初出場。

今や超売れっ子になったかまいたちですが、キングオブコント決勝に上がるまでは長かったんですね。捕らえられた山内がずっと濱家が首を落ちるマジックを意味もわからず色々なバリエーションでひたすら見せ続けられます。濱家はマスクをかぶっていて一切喋らないのですが、様々な前振りの首を落とすマジックと山内のツッコミで感情豊かに見えてくるのが面白いです。ボケの要素はマジックの要素一つでずっとやってるのにどんどん広がっていくのがすごいですね。

濱家も山内も今より若くて、少し丸い気ですね。

 

 

【ななまがり】

ネタは『ナス持ち上げるときだけ左利き』。点数は430点。初出場。

当時はまさにダークホースといったところですし、ネタもなんとも独特で癖の強いネタでした。ナス持ち上げる時だけ左利きだよ!という意味不明なフレーズを言う男がどんどん初瀬の記憶の中で混濁していく様子や、時々全く脈絡のない変なフレーズを言う登場人物が現れるところが伏線至上主義のコントの逆を行ってる感じがして好きです。単発で変な人が現れてあまり掛け合わせた面白さがないのと、舞台を出たり入ったりを繰り返してシンプルにボケ数が少なく流れが生まれなかったのがそこまで点数が伸びなかった要因でしょうか。

 

 

ジャングルポケット

ネタは『トイレ』。点数は466点。2年連続出場。

去年より圧倒的にパワーアップしててめっちゃ面白いです。ジャンポケは相変わらず一発目の掴みが早いです。今回は最初の斉藤と太田のやりとりからおたけの突入タイミングでより一層面白くなり、トリオの力をより効果的に使ってる印象です。どんどん話が展開していって面白さが増していって、さらに終盤の展開の転換と最後のハッピーなオチとお茶の間的にも文句のつけどころのないすごくいいネタだと思います!

 

 

【だーりんず】

ネタは『童貞のお父さん』。点数は431点。初出場。当時で既に二人とも39歳です。

このネタ、めっちゃ好きです。ゴールデンタイムにこんな中年2人が童貞を連呼するネタが絶対点数つくわけないし、客席が引いてて全然ウケてないのがいっそのこと清々しいです。でも、童貞のまま父親になるという切り口がかなりいいですし、「順番が逆」のくだりとか初孫のところとか、面白いポイントは結構あるんですよね。改めて見返してみると客席の冷え具合が面白くてめっちゃ笑ってしまいました。

ウケてはいなかったですが、ななまがりやラブレターズよりは点数高かったんですね。

 

 

タイムマシーン3号

ネタは『小銭』。点数は445点。初出場。M-1ラストイヤーの翌年にキングオブコントにも出場です。

不良がカツアゲした学生からどんどん小銭が出てくるというコントで、まさかのマジックを使ったネタ2本目です(こっちの方がすごいですが)。関がボケるたびに小銭が増えていくため最後の方は会場が小銭まみれになっています。歴代でもっとも片付けが大変なコントではないでしょうか。ボケのポイントはわかりやすくてシンプルでとても面白いですが、あまりにも小銭が出まくる様は凄さを通り越してもはや不気味で客席から悲鳴が上がっていました。

紹介VTRの土田晃之の薄い推薦コメントも要チェックです。

 

 

ジグザグジギー

ネタは『ハエキャッチ』。点数は433点。2013年以来2回目の出場。

個人的には結構好きなネタです。雰囲気のある達人っぽい人がハエを箸で取った後に必ずそのままご飯を食べるという工程をリズミカルに繰り返す、2013年の2本目の「逮捕したいのに」のネタみたいなリズミカルなネタです。何というか、観客にお笑いファンとかが多い準決勝ではウケてそうなネタって感じです。ただ、決勝の会場には響いてなかった感じがしますね。

3年ぶりに出場しても、池田は男前ですねえ……。

 

 

【ライス】

ネタは『勘弁してくれい』。点数は466点。初出場。ジャンポケと同率1位です。

「~~してくれい」というフレーズを怒涛で攻めるコントです。最初の命乞いをするところから中身が分かった時、まさかこのフレーズで最後まで行くとは……という驚きがあります。「肩揉んでくれい」とか「面白い話してくれい」とか、絶妙なタイミングでありえない話題転換が挟まるのがすごく面白いです。ジャンポケと甲乙つけがたい1本目だったと思います。

NSC養成所時代の同期として鬼龍院翔がさらっと出てくるのが見どころです。

 

 

 

2本目

かもめんたる

ネタは『ヒッチハイク』。点数は439点。

ヒッチハイクで乗ったドライバーが冗談で精神を追い詰めてくる変質者という、1本目よりもダーク要素の強いネタです。冗談で精神を追い詰める部分が種明かししたところはめちゃくちゃ気持ち悪く、面白かったんですが最後の白飯かき込むところは少し直接的すぎて狙ってる感を感じたところがあります。トータルで見ると1本目よりは少し落ちる感じでしょうか。

 

 

タイムマシーン3号

ネタは『演劇の本読み』。点数は448点。

演劇の本読みを手伝わせた友人がめちゃくちゃ演技上手いという設定です。全然裏切る展開はないんですが、関の表現力が強くて面白いです。芸達者さと演技の引き出しの幅、所々で入る効果的なSEの合わせ技って感じで積み重ねてきた実力で勝負したネタっていう感じですかね。

 

 

かまいたち

ネタは『給食費泥棒』。点数は456点。

1本目とボケツッコミが入れ替わっています。山内のサイコさと開き直り具合がめちゃくちゃ全面に出たネタです。かまいたちの中でもかなり有名なネタで、めちゃくちゃ面白いです。しかし、ガラスを舐めるところやブラジャーを付けているオチで完全に悲鳴が上がっていましたね。過去の審査から振り返ってみると、このネタは芸人審査の年だったらすごく高い点数が付いていたネタなんじゃないかな~って思います。お客さんは厳しいです……。

この年の反応を踏まえて、翌年客席が引かないラインにネタを調整して優勝に持っていくあたりかまいたちはやっぱりすごいなと思います。

 

【ライス】

ネタは『クリーニング代』。点数は470点。

最初にガラの悪い関町がボケかと思ったら、店員の田所の「本当に僕が悪いんでしょうか?」のところで、裏切りか?と思わせておき、実はコップの水をこぼしていたんじゃなくておしっこを漏らしていたことが分かる、中盤の裏切りの裏切りの種明かしがめちゃくちゃ面白いです。おしっこになってからは無敵モードに入ったみたいに両方の発言が全部ハマってて圧巻です。

 

 

ジャングルポケット

ネタは『余命宣告』。点数は464点。

寿命宣告が余命3分という馬鹿げた設定で繰り広げられる疾走感が凄いコントです。死ぬまでにやり残したことを爆速で回収していくスピード感が面白いです。ジャンポケの強みを活かした掴みが早くてどんどん進んでいく気持ちいいコントですが、種明かしからお客さんを離さなかったライスの方に軍配が上がった感じですかね。とはいえ、審査員によってはジャンポケの方が高かったりして、本当に拮抗した勝負だったと思います。

 

 

 

 

 

リアルタイムで見てた時は「ジャンポケが優勝でしょ!」と思った覚えがありますが、改めて見返すとライスの巧みさとウケ具合が光ってて、優勝に納得しました。

とはいえ2013年のかもめんたると鬼ヶ島のような明確な差ではなく、どっちに転んでもおかしくはない接戦だったので最後までハラハラしながら見れました。

後、個人的にはやっぱりだーりんずの童貞のネタが好き。賞レースで勝てるネタではないけど……。