2022/04/03追記:
公式YouTubeでネタ動画がアップされたからリンクを追記しました。また、敗者復活で特に好きだったネタの感想を追記しました。
去年のはこちらです。
『R-1ぐらんぷり』から『R-1グランプリ』に改名して今年で2年目です。センター試験が共通テストに変わったみたいなあれですね。さて、率直な感想ですが……
今年は歴代の『R-1グランプリ』でも1、2を争うくらい面白い大会だったと思います!
2時間の尺、出場者8人という小ぶりなボリュームながらも去年よりまとまっていて見やすくなっており賞レース感が増していて満足度は高かったです。
そして事前に行われた敗者復活ステージから、Yes!アキトが勝ち上がりました!
個人的に好きな芸人で去年単独ライブにも行っていたため、とても嬉しいです。
というわけでざっくりと感想に移っていきませう!
(※当然のごとく内容のネタバレを含みますので未視聴の方は要注意です!)
目次:
全体の感想
去年の不満点がおおむね解消されて、去年よりさらに良い大会になっていたと思います!
去年より人数を搾ってるので、コメントなどがゆっくり見れたのはすごい良かったです。出場する芸人について、去年は一人コントとフリップ芸に集中していましたが、今年は歌ネタのお見送り芸人しんいちやギャガ―のYes!アキトなどが上がってきてより多種多様なジャンルの芸人がそろいました。この異種格闘技感こそR-1って感じでたまらないです。
審査員については、去年から継続の陣内智則、ザコシ、野田クリスタルに加えて新しく小藪、バカリズムが満を持しての参戦です。審査員人数は去年の7人から5人に減り、また国民投票による点数の加点がなくなりました。
審査に関しては、全員基準が明確で、また去年と違って審査員コメントの時間をしっかりとっていたのでとてもよかったなと思います。ただ、ネタ時間3分しかないのに『もうひと展開』を求めるのは酷すぎると感じました。
限りある放送時間のリソースを最大限活用しており、良く盛り上がった大会だったと思います。
それでは各ファイナリストのネタの感想に移っていこうと思います。
【1本目】
kento fukaya
昨年度より見やすくなっててさらに面白くなっていました!
去年は連想ゲームみたいに話が次々に変わって3面フリップの目新しさが先走りすぎた感があったんですが、今年は合コンにテーマを搾ってとても見やすかったです。結果、手法の革新性が浮き出てたのは良かったかなと思いました。とはいえ、バカリズムの指摘も納得だなあと思いました。トップバッターとして申し分のないウケで、会場が良く暖まったのではないでしょうか?
お見送り芸人しんいち
テレビでちょくちょくネタはやっているのを何回か見ていましたが、賞レースに合わせて毒素をもう少しだけ強く緩急のついたものにしていて、よく刺さっていたと思います。歌の緩急もそうだし、「すき」なものの対象もあるあるネタのようなふわっとしたものから明確な特定の個人になったりと緩急がついて最後まで飽きずに楽しめました。歌ネタ、3分という時間の尺を一番上手く使える形式なんじゃないかなと感じました。
AquaTimezのくだりすき、ピストル倶楽部のくだりすき、受験生のくだり、すき……。
Yes!アキト
並みいる強敵を抑えて敗者復活ステージを勝ち上がっての出場で勢いに乗っていました!
一発ギャグだけで構成しきったリズムのよいネタでとても面白かったです!そしてネタ終了後の平場でのボケやコメントも秀逸でした。ただ、長いギャグが多くていつもと比べるとちょっとボルテージ上がりきらなかったってのはあるかもしれないです。
全体的に審査員コメントが辛めでしたが、Yes!アキトが「ただのギャグの羅列」に見えないように色々な構成を試していたことを知ってるだけに悔しいものがあります……。来年また上がってくるのを楽しみにしています!
吉住
芸能人の不倫に気が触れるくらい怒る女。去年からの連続ファイナリストで一番ネタが劇的に良くなっていたかもしれません。
ちょうど日常の延長線上にある発狂具合がとても良かったです。去年はよりネタの出足が圧倒的に早くて、分かりやすく面白いポイントがあったのでより3分ネタに合わせて仕上げてきた感があります。R-1で勝つためのネタをチョイスしてきたんだなあ……としみじみ感じました。吉住の一人コントでの演技力と面白さは抜けているので、今後も常連になりそうです。
サツマカワRPG
準決勝一ウケとは聞いていました。めちゃくちゃ面白かったし、今大会でトップクラスに好きなネタでした!
「そっか、大会近いもんな……」の1本がどんどん面白くなっていくのが凄いです。前半の持ってき方が神がかり的だったので、後半しりすぼみに感じてしまうところはわかります。とはいえ、3分という時間でここまでグッと引き込ませてくれるネタは珍しいんじゃないでしょうか。お疲れっした!!
ZAZY
恋愛バラエティ。昔からのイチオシのピン芸人で、前回大会は惜しくも準優勝でした。今大会でもめちゃくちゃ面白かったです!
『完全感電なんでんかんでん』がめちゃくちゃツボに入ってしまいました。立ち上がりや終わりの歌が緊張かちょっとごたついてた気がしますが、そんなことが問題にならないレベルの面白さでした。評価が真っ二つに分かれましたが、それでも得点が首位なのはさすがです。フリップからパソコンに変えることでテンポがさらによくなっていてよかったですね!
寺田寛明
ここも去年からの連続ファイナリストです。始まりの歴史、という題材のフリップネタでした。
今当たり前に受けいられたものを初めて考えた時のリアクションを想像して共有する形式で去年より題材が個人的に好きで、面白かったです。が、あまり緩急がなくてちょっと羅列感が拭えないなと思うところはありました。
fifteen love...
金の国 渡部おにぎり
トンビに身体ごと持ってかれてるというぶっとんだ展開ながらもすっと受け入れられて、渡部おにぎりのキャラクターによく合った設定だなと思いました途中の友達とのやり取りがすごく面白かったです。最後のAquaTimezの虹が偶然にも伏線回収みたいになってめっちゃ笑ってしまいました!
お見送り芸人しんいち、吉住と共に463点で3人が並ぶという展開はテレビ的には熱かったですが、点数の差はないはずなのに決選投票になってしまうのは演者側としては酷ですよね……。少ない人数で採点するとこの手のトラブルは起きやすいと思います(審査員は7人いた方がいいかもなと感じました)。
【2本目】
お見送り芸人しんいち
僕は心から応援するよ。
1本目と基本的なネタ構成は同じですが、至る所にズバズバ刺していく感じが面白かったです。池谷幸雄の倒立は面白いですし、M-1グランプリのちびっこ漫才が滑ってるのを見ている時の何とも言えぬ気持ちは多かれ少なかれみんな持っているものではないのでしょうか?
最終審査でZAZYを逆転しての優勝でした。おめでとうございます!
ZAZY
寿司。
ZAZYの今までのR-1の集大成のようなネタで、文句のつけどころのないベストアクトだったと思います。去年の流れを引き継ぎつつ、ノンストップでひたすら笑いどころが続く素晴らしいネタで、最後のアルバムフリップが終わった時は感無量でした。これで勝てないなら、もう仕方がない……とさえ思ったネタでした。準優勝はZAZYのファンとしては残念ですが、本当に素敵なネタをありがとうという感謝でいっぱいです。お疲れさまでした。
歌ネタで王座をつかみ取ったピン芸人は実はお見送り芸人しんいちが初めてではないでしょうか?二本ともに説得力のある歌唱力とキャッチ―ながらも深い毒で大爆笑を取ったさまは見ててとても面白かったです。
そしてZAZYは優勝こそならずでしたが、2本目は今までで最高の出来だったと思います!
お見送り芸人しんいち、本当におめでとうございます!!
追記:敗者復活戦
敗者復活戦も非常に魅力的なネタが多く、何とかして10枠で大会やってほしかったな~……と思わずにはいられませんでした。その中でも個人的に「このネタは特に面白いし決勝来てほしかった!」っていう3組をざっと上げます。
清友
敗者復活で一番好きでゲラゲラ笑ったネタでした。反抗期の設定のコント漫談ですが、「思わへんわ!全然、思わへんわ!」などと安直すぎる否定の言い回しと、それに翻弄される母親との物語がとても面白かったです。最後のオチまでしっかりしたクオリティで、個人的には好きだな~と思いました。
鳥谷尾だいき
こう書いて『とやお』と読むらしいです。
不動産バトラーっていう設定がすごく好きでした。物件を提示して闘う少年漫画的(立ち方とかかなりジョジョっぽい)な異能力バトル感が個人的にかなりツボで笑ってしまいました。勝利した後の「立ち会うぜぇ~」という決め台詞がだんだん癖になってきます。
Gパンパンダ星野
勝ち上がりを全く意識しない、というかできないような状況下でのインパクト極振りネタがすごく面白かったです。「これは勝ち上がれないだろうけど最高に面白い」という典型的なネタで、ネタバレすると面白さが削がれるので是非見てもらいたいです。
話によると、準決勝では超ガチガチのコントをやっていたとか。そちらの方も見てみたかったですね……。