孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

R-1グランプリ2021は確かに面白かったぞ!!

 

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リニューアルされたR-1グランプリ2021を遅ればせながら視聴致しました。当方、田舎勤務の事情でテレビが映らなくて実家に帰った時に録画してもらったものをようやく全部観終わりました!

せっかく録画したものをじっくり見たので、感想などをまとめてみようと思います。初の試み!

 

 

当たり前ですけど結果やネタのネタバレがありますので、まだ見てない人(さすがにもう居ないかな)は注意してください!あと話に出てくる芸人さんたちは敬称略しております。ご了承ください!

 

 目次

 

 

1. 全体的な感想

芸歴10年以内という制限ができたことでメンツがフレッシュになりましたが、全体的にネタは面白かったと思います!俺がずっと応援していたZAZYがついにR-1の決勝に出て活躍していたので喜ばしい気持ちになりました!

ネタ時間が3分というのは少し物足りない気はしますが、その中でも決勝に出るメンツは各々工夫して面白いネタをやってたな〜と思います。

 

進行に関しては色々リニューアルしたのでトラブルが多くてグダグダした部分もありましたが、まあ初年度はこんなもんだと思います。視聴者投票のウェイトが大幅に下がったところは個人的にかなり良い改善だったと思います。

 

ただ、全体的に急ぎ足なのがもったいないかな〜と思いました。演者のネタ自体は面白いのにとにかく時間内に終わらせようとバタバタ進めてる感じが、たとえるなら40分コースでソープに入ってるかのような印象でした。マットプレイやピロートークをしている時間がありません。

審査員もリニューアルしてせっかく色々な分野から7人も揃えていたので、それぞれの立場からのコメントをもう少し深く聞きたかったと思います。出演者からしても視聴者からしても、コメントによるフィードバックがしっかりしてた方が見てて納得できるし番組が盛り上がると思うんです。煽りのVTRが長かったり優勝者の1本目のネタをもう1回放送するところを削ればもう少し何とかなるとは思うのでこの点は次回に期待です。

 

さて、それではここから下は1人ずつネタを振り返っていこうと思います。

 

 

 

2. 1本目のネタ

【マツモトクラブ】

まずマツモトクラブって芸歴10年以内だったんや……!とビックリしました。今年ラストなんですね。

R-1ではほぼ毎回敗者復活で決勝に勝ち上がっている印象があります(そうじゃない年もありますが)。哀愁漂うひとりコントは健在で、後半で伏線回収するところが流石だな〜と思いました。ただ、やっぱり序盤の伏線貼るところの盛り上がりが弱くて実質的な笑うポイントが短かったのかな〜とか思いました。R-1はラストになりますが、今後も切なくて哀愁の漂う面白いネタを楽しみにしています!

 

 

【ZAZY】

1本目、めちゃくちゃ面白かったです!納得の1位通過って感じです!

ZAZYに関しては2020年のR-1グランプリの準決勝でもフリップ4つ使って最後に歌い出すネタやってて、めちゃくちゃウケてたのに準決勝で落ちて「なんでやねん!」と思ってました。しかしそこから1年で去年のネタ構成をベースに更に洗練されててZAZYのひとつの完成形を見た気がしました。めちゃくちゃウケてたし、あんなん笑うしかないだろっていう勢いがあったと思います!

Twitterの視聴者投票割合が『5点』と『1点』で両極端な感じもなんかZAZYのイメージ通りやなぁと思いました。

 

 

【土屋】

今年のR-1で個人的に1番気に入ってるネタです。

田原俊彦みたいな喋り方になってる!」、絶妙なくだらなさが真似したくなりますよね。審査員のホリの「お風呂で遊んでたらできたネタ」というコメントにめちゃくちゃ納得しました。俺も風呂とかで頭洗いながら色々口ずさんじゃうのでその悪ノリがそのままネタになったみたいな楽しさがありました。R-1の性質上ひとりコントかフリップ芸をやる芸人が勝ち上がりがちで、その中でこういうくだらないけどずっと見てられる系のネタが果たす役割は大きいと思いました。

 

 

【森本サイダー】

関西ローカルネタにはなりますけど今里駅っていうチョイスが絶妙でいいですよね。

最初にあれ?となるような微妙な短いコントをして、後からコントの本筋と関係ないところをフリップで種明かしして笑いを取っていくというシステムは割とありそうでなかった感じで新しくて面白いな〜と思いました。フリップを吹き飛ばしてキレたところの勢いもバカバカしくて最高でした。ただ、マツモトクラブのネタとかもそうやったけどやっぱり序盤をフリにして後半から盛り上げるタイプのネタは初動が遅くて、3分というネタ時間だと少し厳しいのかなぁとか思ったりしました。

 

 

【吉住】

去年のThe W王者ですね。結構前評判で期待されていた方じゃないかと思いますが、あんまり会場にハマってなかった気がしますね。

3分というネタ尺の割に、ナレーション部分での説明と舞台の切り替えが多すぎて詰め込み過ぎた感を感じました。説明を沢山しないと設定がちょっと分かりにくいが故にこれだけウェイトが多くなったのでしょうか。学会発表でたまにいた『スライドと発表内容パツパツ』の学生を思い出しました。もう少し長い尺で丁寧に追っていったら見違えて面白くなるんだろうなぁと思うと残念な気持ちになりました……。

 

 

【寺田寛明】

紹介VTRで現役塾講師をアピールしてたけど、ネタはかなり王道のフリップネタって感じでしたね。

フォーマットが出来上がってるジャンルのネタなんで見ていて安心して見れました。けど、ネタそのものに既視感(中山功太とかヒューマン中村とかが10年前にやってそう)が感じられたのと、英語を日本語訳するパターンが『長めの日常あるあるネタ』しかなくて途中から単調に感じられたのが点数低かった理由なのかなぁとか思いました。

この人の他のネタ見たことないんですけど、ホワイトボード使ったりとかスタディサプリとかの映像授業オマージュしたネタとかもっと塾講師らしいネタも見てみたいと思いました。

 

 

かが屋 賀屋】

電車にダッシュで駆け込もうとして息切らしながら突っ込んでくるスタートから惹き付けられましたよね!面白かったです!

野田クリスタルがコメントで言ってたことがだいたい全てなんですけど、息を切らしながら慌ててる演技が上手すぎて設定や笑いどころがすんなり入ってきて、そんなに喋ってないのにめちゃくちゃ面白かったな〜と思います。3分でコントをするんだとしたら、こういう臨場感があって説明がなくても状況がすぐに分かって面白いネタが強いんだなぁって思いました!

 

 

【kento fukaya】

僕はkento fukayaを去年のR-1準決勝で初めて見たんですが、3枚フリップが次々切り替わる構成と独特な味のある絵がすげえ面白くて今年上がったのも「そうやろなぁ」と納得していました。

点数が意外と伸びなかったのは順番がちょっと後ろすぎたからかなぁ……とか推察してたりします。このタイプの芸人ってなるべく早い目にやってた方がもっとドカンとウケて高得点ついたんちゃうかな〜と思います。特にフリップネタで個性の強いZAZYの後になるとやりづらかったのではと感じました。

 

 

【高田ぽる子】

22歳で芸歴2年目、ばり若いやん!すげえー!と思いました。ええやん!(ハリウッドザコシショウ)

今大会で1番のダークホースだったんじゃないかなと思います。おじいちゃんの乳首がない!という最初の掴みが面白くて、その後もテンポ良くネタが進んで謎のほのぼの感があって見てて楽しかったです。去年のR-1のネタでダントツで僕が好きだったななまがり森下の『乳首が隠せない男』となんとかして共演して欲しいと思ってます。お願いします。

 

 

ゆりやんレトリィバァ

過去に準優勝経験もあるし、今大会の優勝候補だったのではないかと思います。そして実際下馬評通りの面白さで普通に後半ゲラゲラ笑っちゃいました。

最初の部下を叱ってるつかみの時には「こういう感じで叱る上司いるよね〜」みたいなあるあるネタの切り口でいくのかな?と思ったんですが、途中テレビのリモコンにツッコミ出して、そして観葉植物を執拗にツッコミ出した辺りからどんどんテンポが良くなってきて面白さが次々継ぎ足されていった感じです。ロッカー開けた時に観葉植物あったくだりは今回の全ネタの中でもトップクラスに笑いました。ゆりやんって何となく当たりネタとはずれネタの差が激しいイメージだったんですが、このネタは前者だったと思います!

 

 

 

3. 2本目のネタ

かが屋 賀屋】

1本目と比べるとインパクトは落ちますが、オナラの臭いを必死で隠そうとする女性のユーモラスさが演技のうまさですんなり入ってきますし、謎の可愛らしさを覚えました。

惜しむらくは1本目のネタと比べると中途半端なところで終わった感があって「もっと長い時間で見たいなぁ」って強く感じたところです。そういえば賀屋は先輩のルシファー吉岡を話題に出してましたけど、ルシファー吉岡のネタも毎年「これから更にどんどん面白くなるはずだからもっと長い尺で見たいなぁ」って感じでしたよね……。

 

 

ゆりやんレトリィバァ

ゆりやんがダイエットのインタビューに答えてる途中で急に銃を構えてキレだす、元に戻る、キレる、元に戻るみたいな緩急をつけたネタだったと思います。

後半のもはや訳の分からない効果音ラッシュはいつぞやのキングオブコント天竺鼠のネタを思い出しました。混沌としていたけどなんか見てて面白いっていう言語化しにくい面白さのネタだったと思います!

 

 

【ZAZY】

めちゃくちゃ勿体ね〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!

ZAZYのネタって半分リズムネタみたいなところもあるのでクリップが取れなくて一瞬ネタが止まるみたいなアクシデントがあると凄く気になっちゃいますよね……。優勝を半分掴んでたようなものだっただけにスゲー悔しかっただろうなぁ……と。ZAZYが最後ネタ終わって3人並んだ時に凄くしょんぼりしている姿を見ると俺も物凄く悲しい気持ちになりました。

ネタ自体は文句なく面白かったしウケてたので、万全の状態でやり切っていたならゆりやんとどっちが勝ったか本当に分からなかったと思います。俺は今後も引き続きZAZYを応援していきます。

 

 

4. 終わりに

6パーセント台という歴代最低視聴率で、新体制が故の色々なトラブルやアラがあって評判が悪かったR-1グランプリでしたが実際に見てみるとめちゃくちゃしっかり楽しめましたし面白かったです!

ネタ以外の部分が淡白すぎて余韻が全くなかったのが番組としての評価が低くなった要因だと俺は考えています。故に、来年はしっかり審査員によるフィードバックや敗者へのインタビュー、優勝後のコメントなどにもっと時間を割いてくれれば番組の尺が2時間しかなくてももっともっと良い賞レースになるのではないでしょうか。

ネタの部分で言うと、3分というネタ尺に上手く合わせた掴みが早くてテンポのいいネタを持ってこれた芸人が強かった気がします。ネタ尺の短さについてはナイツの塙などが触れていたりするので俺から何も言うことはありませんが、R-1を視聴するファンとしては漫談形式のネタだとかもっとシンプルなリズムネタ、歌ネタ、後はギャガーによるショートギャグの連発だとか多様な形式のネタが見れることを今後期待していこうと思います!(その観点で実は今回、敗者復活からyes!アキト上がるのとか期待してました)。

 

とりあえず見終わってみて来年のR-1が楽しみです。もし観客有で予選が開催されたらまた準決勝とか見に行きたいな〜と思います。

 

最後にとにかく俺は声を大にして言いたい!

 

R-1グランプリ2021は確かに面白かったぞと!