孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

何故貴方は大学図書館というサブスクを利用しないのか?

私のブログを読んでくださっている大学生の諸兄(女性も読んでいるかもしれないが)にお聞きしたいのですが、大学の図書館を利用したことはありますか?
卒業されている方は図書館を利用されていたでしょうか?


大半の人が『テスト前の勉強で図書館の自習スペースを利用したことがある』とか『教科書借りに来たことがある』と言うと思います。
しかしながら、普段から定期的に本を借りたりしていますか?という質問に対しては結構な方がNOと答えるのではないのでしょうか?


私はかなり図書館を利用する人間で、特に研究をサボりたくなったらよく立ち寄っていたのですがこれだけの施設を使わないのは勿体ないなと、普段の談話可能な自習スペース以外ガラガラの図書館を見る度にいつも思います。

大学図書館の魅力はその圧倒的な蔵書量です。
もちろん大学によって蔵書量は異なるところではあるのですが、大学図書館は教科書等はもちろんのこと様々なジャンルの本が所狭しと並んでいるまさに『知の空間』です。その中には高すぎて手の出せない本や、既に絶版になっていて中々自分では手に入れられない本も沢山置かれています。もちろん名著と呼ばれている昔の人が書いた著書や最近のビジネス書、TOEIC対策や就活対策などキャリア支援のための本も置かれているのが常です。さらに言えば、大学によっては科学関係の雑誌や新聞なども最新号が置かれていたりします。大学図書館に行って本を手に取れば、必ずあなたは求めている何かを持ち帰ることができるでしょう。

そして、それらの豊富な蔵書は学生であるのならば全て無料で借りることができます。持ち出し禁止の書物(ほぼないです)以外はなんでも持って帰って読むことができるのです。言うなれば大学図書館は学費を支払うとおまけでついてくる1種のサブスクリプションなのです。ネトフリ、アマプラ、Apple Music、大学図書館です。無料で膨大な蔵書から本が借りまくれるというメリットは非常に大きいです。何せ学費さえ払っていれば実質無料なのですから。そもそも払ってる学費の中に大学図書館での本の貸し出し無料は基本パックとして入ってるんです。これはもう大学図書館を積極的に利用しないと、払っている学費の元がとれません。



「なるほど確かにメリットがあるのはわかったけど、本なんて全然読んだことないし敷居が高い」



こういう意見もごもっともだとおもいます。
本といっても普段漫画やライトノベルまでしか読まないという人からしたら、図書館のラインナップは堅苦しいものに感じられるのではないかと思います。私も大学3年くらいまではそのような理由であまり利用していなかったからです。
私が図書館を利用するようになったきっかけは、夏休みのインターンシップ行くにあたってちょっと勉強しておこうと思って良さげな業界の入門書を探そうとなったところからです。講談社ブルーバックス文庫などの手軽そうな入門書を探していると必然的に他の分野の一般書も目につきます。「面白そうやし無料だから借りていくか」とついでに何冊か本を借りて読んでみたことがきっかけでした。本を返しに来た時に、また何か暇潰しに別の本をついでに借りて……を繰り返してるうちに図書館の利用が習慣づいたところがあります。

「活字好きじゃないしなかなか重い腰があがらない」という人が大学図書館をうまく活用するために、私が楽しく図書館を利用できるための3つのアドバイスを僭越ながらさせて頂きたいと思います。


1つめは、読み切れなくても一切気にしないことです。
大学図書館あるあるとして、面白そうだけど分厚くて難しい感じの本をイキって借りたのはいいけど内容が難しすぎて読み切れないことがままあります。でも、全く気にしなくていいんです。全部じゃなくても一部読めただけで、もっと言えば一章読んだだけでも今まで知らなかった何かを掴むことができます。その時点であなたは本を読んでない時より1歩前に進んでいるのです。
さらに言うと、無理して内容を記憶しなくてもいいと思います。感想なんて『読んだけどよく分からなかった』でも構わないと思います。『わからなかった』ということ自体が重要な財産なのです。とにかく本というものは読めそうなら全部読んで、難しかったりしたら流してまた後で余裕があるときに読み直したらいいんです。自分にプレッシャーをかけないことで、本を借りて読むという行為に対する敷居がだんだん下がっていくはずです。


2つめとして、とりあえず新着の本をチェックしてみるということです。
『読みたい本がない』『何読んだらいいか分からないけど図書館を利用してみたい』という宙ぶらりんな状態は新しい本に出会うチャンスです。そういう適当な状態の時に何となく目に入って読んだ本が面白かったり役に立ったりするものなんです。そういう時に1番役に立つのは新着本コーナーです。最新の本がジャンルを問わず無造作に置かれています。その中から気になったタイトルを手に取って読んでみたら、新しく視野を広げられるきっかけになるかもしれません。最新の本はあくまで最新の知見をもとに書かれているため現在の最先端を感じることができますし、そこから似たような分野の昔の本に戻っていったりするのも楽しいです。


最後の3つめとしては、読んだ感想を形にしてみることです。
SNSに感想を投稿したり、記録アプリで記録したりしてみる事でどんな本を読んでいったか後で辿ることができます。メモ帳に本のタイトルと読んだ日付と一言とをパーッと書くくらいでもいいと思います。SNSで投稿することで『賢いアピール』をしていると人から思われるかもしれません。でもそれでいいんです。読んだ感想を形にすることで少なくともその本から吸収したものを1%でもアウトプットしたことになります。これが重要なのです。感想をあとから読み直したらその本の内容をふんわり思い出せます。思い出すことでその本で何が重要だったか、何がダメだったかなどが自分の身体に残るのです。



私は大学図書館をきっかけに結構本を好んで読むようになりましたが、本で得られる知識というのは『橋』のようなものだと思っています。
例えば聞いたことの無い分野の話を新しく聞くことになった時、話の中で「そう言えばあの時本で似たような言葉を見たことがある」という『とっかかり』があるのとないのとだと全く違います。聞いたことがある単語が一つあっただけで後の展開について我々は何らかの予想することができます。そして聞いた話の中で「そう言えばあの本でも同じようなことが書かれていたな」と思い出したり、「あの本で言われてた内容と全然違う」などの違和感を感じたり……その中で全く知らなかったはずの話にいつの間にかあなたは興味を持ってのめり込めているのです。
本は自分の今いる世界から、全く知らない世界を繋ぐ橋なのです。自分の中でも知っていると知らないの境界に本で読んだ知識が橋をかけるのです。そうして渡っていけばどんどん色々なところに踏み出すことが出来ます。そこから『知らない』が『知ってる』に、『興味ない』が『面白い』に変わるかもしれません。この繰り返しで、人生がちょっとだけ豊かになる…………はずです。


大学生の皆さんは、在学しているうちに大学図書館というサブスクリプションをぜひ積極的に利用していきましょう。
そうして見つけたおすすめの1冊を、私に教えてくれればなと思います。