孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

学力だけで大学に入れる時代に受験できて良かった

受験期に関するブログを書いて欲しい、という要望がありましたので嬉嬉として今回の話題はそれにします。

とは言ったものの、私が大学受験を受けたのはもう5年以上前のことで大学院試験(定員割れスレスレでめっちゃ楽だった)なら覚えてますが、それなりの倍率を勝ち抜いたはずの大学受験の記憶もさすがに薄れつつあります。
とはいえ、『受験の話』と聞いた時に大抵の人が聞きたいのは大学受験の話だと思うので、残っている記憶を頼りに話を組み立ててみたいと思います。

自分語りが気持ちよくなって気が付いたらめっちゃ長文になっていますが大したことは書いていないので流し読みして、どうぞ。



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そもそも私は大学進学をそれほど志望していない人間でした。両親ともに大学を出ていない人間だったということもありますし、私自身中三くらいまではテレビでよく聞く東大京慶應早稲田くらいしか大学を知らなかったので進学というイメージが全くなかったです(2ちゃんの高校受験板でめちゃくちゃ全国の高校難易度は調べてたのにね)。
内申書の点数的に受かりそうな高校を適当に受験して高校受験を終わらせた後に合格した高校パンフレットの進学実績を見て、「まあ3年後に関西圏で有名な私立大入れたらお婆ちゃんが喜ぶかなぁ」とその程度くらいの認識でした。


高校ではライトノベルを本格的に読むようになって、自分で小説を書くことにハマりだしたので受験期になるまでは「ラノベ作家になるぞ!」と思ってました。どうやってなるか具体的に調べていなかったので小説を書いてアップロードして批評を貰うだけだったのですが。
私の高校は所謂県内の学力中位層ど真ん中が行くような高校だったのですが、私はその高校で次席でした。首席ではない所がなんか『らしい』ですね。部活動とラノベ執筆に腐心して勉強はほぼしていなかったのですが、学年四位より下には下がったことがありません。自慢っぽく聞こえますが、これはまあ自慢です。
実際のところ、私も含め誰もちゃんと予習復習をしていなかったから、定期試験や模試の学年順位を分けるのは授業内容で出てきた式や単語をどれだけ丸暗記してるかくらいで、私は少し記憶力が良くてそれを覚えてたから定期試験を解けただけに過ぎないと思いますが。実際、本当に大学の二次試験レベルの問題が自力で解けるようになったのは英語以外は浪人してからなので。


部活かレトロゲームかアニメ見るか小説書くかしかしていなかった高校生活ですが、高校三年生の部活動であっさり負けて引退して受験期に突入します。そこで私は模試の成績が学内で相対的に高かった(某模試偏差値で50半ばなのですが学内偏差値だとこれが70以上に跳ね上がる)ので、担任や各教科の先生からしきりに難関国立大の受験を薦められたのです。そしておだてられたら木に登る男である私は、書いていた小説がちょうど一区切りついたこともあって受験に臨むことにしました。





そして翌年の3月、国公立前期後期にくわえて併願していた私立大も全落ちしたわけです。



こんな大敗を喫したのには今振り返ってみると明確な理由があって、好きな勉強(英語の単語と長文、化学の有機分野)は重点的に行っていましたがそれ以外の嫌いな部分はほとんど投げていたからです。他にも本格的にももクロにハマりだして塾のパソコンでMVとかウレロとかばかり見てたとかそんな理由もあります。
親に全落ちしたと告げるとあっさり『来年受けたらいいよ、予備校行く?』と言われて、とりあえず近隣の大手予備校で1番トイレが綺麗な予備校を選びそこに通うことにしました(当時の私はお腹が冷えやすくよくトイレに行っていたため)。
正直最初は全くやる気はしなかった訳ですが、予備校のパンフレットに書いてあった年会費を見て、親に申し訳が立たなくなり勉強をきちんとすることを決意しました。
浪人の1年間は私の人生で一番(※)二番目によく勉強していた時期だと思います。

※一番目は大学院入学から現在に至るまでです。




予備校の授業が始まる4月第2週までの間にフォーカスゴールドの数学1A〜3Cの3冊の例題を全て解いて解けない問題をチェックして毎日読み返して徹底的に暗記をしました。
物理は苦手すぎてどうしようもなかったので重要問題集の解ける問題は解いておいて、解けない問題は予備校の授業に合わせて解いていくことにしました。
現役時代に文法本と英単語帳を読みすぎて単語1900語くらいは頭に入っていたので(こう書くとどの単語帳か分かりますね)、英語は最小限に留めました。
そして予備校の授業の開始と共に、二次試験で使う科目(数学、理科、英語)については毎日授業が終わるとももクロを聴きながら自習室でテキストの復習。それでも解けなかった問題は印をつけて週末に解き直す。そして前期が終わった夏休みにテキストの総復習をして重み付けしておいた苦手な問題が本当に理解しているかをチェックし直す。センターのみの社会、国語については行き帰りの電車で常に授業プリントや古文漢文の参考書を読み返していました。
まあそんなことを愚直に12月のセンター直前まで続けていました。そこからセンター対策して、1月後半にセンター試験を受けて、その後からようやく二次試験の過去問を解き始めました。
猛烈に基礎力がついて、センターの点数が現役時代から200点くらいはアップしてたので正直かなり余裕でした。二次試験用の模試も現役時代に受けた同じ模試と比較して偏差値15くらい伸びてて、その時は素直に『俺って本当に賢かったんだなぁ』と自惚れました。部活の同期のグループLINEに逐一爆裂に成績のいい模試結果を送って自慢してたら退会させられました。(今は普通に復帰してたまに飲んだりしてます)


二次試験当日の思い出としては、最初の数学を解き終えた瞬間合格を確信して大学のトイレで私立恵比寿中学の『フレ!フレ!サイリウム!』を聴きながら泣いたというものがあります。その時たしかエビユニ着て試験受けてた気がします。緩やかにももクロからエビ中に乗り換え始めててウケますね。


まあその後、普通に第1志望に合格しました。合格した直後にエビ中星名美怜のソロ曲の『キミに39』を聴いて、そのままエビ中の幕張ライブのLV見に行ったことを覚えてます。お母さんとおばあちゃんと一緒にライブビューを観ました。(親不孝と祖母不孝を同時にやらかしてんなぁ)
その後は予備校に合格体験記と写真掲載を求められたので、合格写真はももクロのパーカーを着て写り合格体験記のタイトルはたしか『フレ!フレ!サイリウム』の歌詞から抜き出しました。つくづく素直なオタクです。
そしてその直後に、ももクロの国立競技場でのライブに行きました。以前ブログで述べたかもしれませんが、これが私の初めての東京遠征です。この後まさか、100回以上東京行くやばいオタクになるとは思いませんでした。
大学に合格して良かったなと思ったことはおばあちゃんがめっちゃ喜んでくれたこととお祝いに1万円くれたことです。後は大学合格で自慢しまくって一時期友人関係が悪くなったり、調子に乗って大学前半の三年間は勉強しなかったのであまりいいことはありませんでした。




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ここまで読んだ暇人の方はめっちゃ大学受験の時のこと覚えてるやん!と思ったかもしれません。前半で申し上げた通り、私は記憶力はちょっとだけ自信があります。だから今でも結構受験の時のなんの気ない思い出を蘇らせることができます。

今になって振り返ってみてみると、改めてセンター試験と二次試験という学力試験で大学に入れる時代に受験生やってて良かったなと思います。そうだったからこそ、私は大学にちゃんと入学することができたんだと思います。
これからの入試制度のように、高校の時の課外活動だとか継続的なテストだとかそういう評価が入試に絡んでくると仮定したら、私は大学に進学すらしてなかったかも知れません。


大学に入ってから3年くらいはほぼ勉強せずにアイドルのおっかけをしていたのですが、ふとした拍子に自分と向き合い、今ではそれなりにちゃんと大学教育を享受する人間になりました。大学で遊んでばかりだった、という人でも就活だとかどこかの時点で自分と向き合いちゃんと何かを行い始める時期が来るものだと私は思います。
学校は入るまでも大事ですが、入った後はもっと大事なので燃え尽きたり大きく本業から逸れないような大学生活を送ることが大事だと思います。
そうしないと、大学入試までしか語れない悲しい人間になってしまうので……。今こうしてブログにつらつら書いてる奴が何言ってるねんって話ですが。

もう少しお話をすると、元々化学が好きで特に有機化学の繊維や合成が好きだったのでその分野に進もうと大学に入った私でしたが何やかんやで今は全く違う研究を楽しくやっていたりします。
1年の時に化学の実験がめんどくさすぎてあっさりあれだけ志望していた進路を翻したからなのですが、こういう風に高校の時に思ったことはすぐに変わります。


だからたとえ受験で志望している大学や学科に入れなかったとしても、ちょっと心向きを変えればサークル活動とかだけじゃなくて講義すらも楽しめると思います。
芸人のレイザーラモンRGさんが『人生はあるあるである』という著書の中で、「自分がいる環境を誇ることが大事」ということを書いてあります。

自分の所属している環境内で腐らずに勝てるところを探す、自分がいる場所を自分が良くすると気持ちいいというお話が入っていてこれに関しては私も確かにそうだなと思います。望むとも望まざるとも、目の前の環境に対してどういう心持ちで入っていくかが大事なのではないかと私は思います。


受験生がもしこんなブログを読んでいるのなら(読んでるのは暇人だけだと思いますけどね)、さっさと勉強してください。Twitterとかは合格するまで辞めた方がいいと思います。



……まあついでに何か言うのであれば、あらゆる受験はまぐれで受かることはあってもまぐれで落ちることはありません。
つまり、学力が達していたら必ず受かるし落ちた場合は必ず自分の学力が足りなかっただけのことです。

私は学力試験や面接、発表などあらゆる場でこのような考え方をしています。奇跡は起こりませんし普段の実力がそのまま結果を決めるということです。
この考えは、私が一番好きなライトノベルである『銀盤カレイドスコープ』のピートというキャラクターがフィギュアスケート選手である主人公のタズサに言った「確率は神様でさえ手出しできない」という言葉から来ています。緊張してつまらぬミスをしたり頭が真っ白になったらどうしようと思いがちですが、終わってみると結局裸の自分の実力だけがそのまま残るだけです。自分の実力が十分なところに達していると、いわゆるケアレスミスはすぐに気が付くし想定と違う事態に出くわしても柔軟に対応できるはずだからです。

銀盤カレイドスコープはスポコンとして面白いだけではなく、アスリートの精神や勝負の哲学を感じられるライトノベルなので勝負弱い人はぜひ読んでみてください。(いずれ本紹介のブログを書くかもしれない)



長くなりましたが、これで受験期のお話を終えます。
これを読んだ皆様、特に受験生が来年大学受験に失敗して多浪したり滑り止めの大学に行って腐る様を楽しみにしています。

それでは。