孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

2023年12月に読み終わった本リスト

今年も終わりですね。

来年度も粛々と本を読んで、リストアップはしていこうと思います。

良いお年を!

 

基準:

  • 当該月に読み終わった本が対象(※読み始めたのがその月とは限らない)
  • 最初から最後まで目を通した本を『読み終わった』と定義

 

昨月の記事:

2arctan-1.hatenablog.com

 

目次:

 

決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月

タイトル見て『決戦!サルーイン』みたいだなと思って読んでみた(元ネタわからん人はググってみてね)。

LIXILのCEOを任されていた瀬戸が突如取締役会を経て解任された。後から旧トステム一族創業者の潮田の意向と反したことによる解任と分かり、瀬戸はこの決定を不服として会社のためにも臨時株主総会を開くため奔走する……という話。

LIXILはコーポレート・ガバナンスの先進企業と言われていたが、実際は潮田の子飼いの役員たちで取締役会が占められており、わずか保有株式3%の潮田が実権を掌握している有様だった。こんな不健全な状態ながら、潮田が取締役会の決定を覆しコーポレート・ガバナンスの徹底化を果たすまでは8ヶ月もかかっており幾度となく不利な状況になっている。会社の決定を覆すことはいかに難しいか、そしてLIXILのケースがいかに凄いかが本書を読むとよくわかる。

 

 

 

現場で活用するための機械学習エンジニアリング(KS情報科学専門書)

ブックオフで見てこういう実務寄りの機械学習本も読みたいなと思って買ってみた。KS情報科学専門書とかいういかにもガチっぽいシリーズですが内容はかなり一般書よりだと思う。

個々の事例や話などで聞いた事のない話や技術などはあったが、全体的には広く浅くに留まってる感じで似たようなシリーズだと『仕事ではじめる機械学習』の方がいいのかな?と思った。とはいえ、初めてAI系の本を読む人ならこっちの方がいいのかな。

 

 

 

組込みシステム概論(組込みシステム基礎技術全集)

学生時代からCQ出版の電気系の本に対して一定の謎の信頼があって、ブックオフでめちゃくちゃ安かったのでつい買ってしまった。

組込み系の概論として特に他の本と比較して特筆すべき点としては、実際の組み込みシステム開発事例が2例掲載されている(シグマによるデジタルカメラ開発/JR東日本による改札システム開発)ところである。これが2章で挟まれることによって、後の章の組込みソフトウェアやハードウェアなどの話がイメージしやすくなっている。組み込みのプロでは無い自分にはこういうイメージしやすい事例があるのはとてもありがたいと思った。

 

 

 

「昇進」の経済学ーなにが「出世」を決めるのか

5冊300円コーナーで古本屋で積まれており、タイトルに惹かれて購入。年代としては97年出版の本でバブルは崩壊してるけどリーマンショックとかはまだの時。

役員クラスと課長クラスに分けて昇進の傾向が章別にまとめられている。課長は平均して37-38歳で昇格していて40歳後半でほとんどの人が昇格する〜みたいな情報出てきた時は「マジか!」と思った。時代はあるけど、課長/役員に上がった人は何が要因だったのか、理系/文系による昇進の違いはあるか、インセンティブによる社員モチベーション影響、などなど結構面白い分析の話が多かった。

 

 

 

岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。

断片的にはネットで岩田さん関連の記事は読んだことがあるんだけどまとめて読もうとずっと思ってて、年末についに達成。

HAL研究所任天堂の元社長の岩田さんのネット記事や言葉をまとめたもの。岩田さんはプログラマとして一流でありながら技術一辺倒ではなく、社員一人一人と時間をとって面談することや、ゲームを普段やらない人に訴求する大切さを説いてWiiなど革新的なゲーム作りを行ったりと読むほどバランスのとれたすごい人だなと実感する。特に説教くさいことが書かれている訳でもないのに、読み終わったあと襟元を正さなきゃいけない気持ちになった。

 

 

 

世界一流エンジニアの思考法

本年度最後の読了。つい最近出てネットで話題になってて、kindleで安かったので購入。

要するに、『一流エンジニアでも理解には時間がかかる。理解には時間をかけろ』『一度にたくさんのタスクを色々しようとするな。脳に負荷をかけないようにしよう』という旨で色々言い換えられている。前半は面白かったけど最後の方になればなるほど、普通の自己啓発本とかに書かれている内容になっていく印象。