孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

キングオブコント2012を改めて視聴してみたゆる~い感想

なんと!

 

現在!(2021/09/15)

 

キングオブコント2021の開催を記念して、

 

過去のキングオブコント(2012~2020)がTVerで見れます!

 

 

news.livedoor.com

 

熱い大盤振る舞いです。amazonプライムで見れるM-1グランプリは割と見返していたのですが、キングオブコントはリアルタイムで視聴して以降、全然見返していなかったのでファンとしてはめちゃくちゃ嬉しいですね。

早速2012年から見ていくことにしたのですが、折角だから2021年現在の視点を踏まえて改めてネタを見た感想を記していったら面白いかなと思いブログにしてみることにしました。

 

 

tver.jp

 

 

もうすでに過去の大会なので結果はわかりきっているのですが、一応本記事はキングオブコント2012のネタバレを含んでいるのでお気を付けください!

それでは参りましょう。

 

 

 

目次:

 

 

全体の感想

冒頭で松本人志が「今年は無名ばっかりでやばい」って言った通り当時からすると(現在でも?)かなりの無名揃いの8組だったという印象です。とはいえ今大会で優勝して一躍スターに登り詰めたバイきんぐだったり、初出場で準優勝のさらば青春の光だったり、翌年の王者かもめんたるだったり、M-1王者の銀シャリだったりと、今振り返ってみると見どころは多いですね!

また当時はまだ準決勝敗退芸人が採点するシステム&全出場者が2本ネタをやる制度だったのでボリュームが多く見ごたえがあります。色々な芸人のコメントも見どころの一つでした。夜ふかしの会のあまりにも不自然な低得点など不満要素でもありますが……。

トップリードが空き巣で逮捕されたためTVerの配信ではネタがカットされていて残念です。とはいえダントツの最下位かつ芸歴が当時でも結構長くて他の芸人が気を遣ってあまり触れなかったから結果的にカットされてもあまり放送上は違和感がないのが悲しいところです……。

それでは以下に1本目、2本目のネタの感想を書いていきます。

なお、各感想の最初にあるネタの名前の表記は適当に私が後で見返して思い出せるように書いているだけで、正式な名称ではありませんのでご注意ください。

 

 

1本目

さらば青春の光

ネタは『ぼったくりバー』で点数は862点。

このネタシンプルだけどすごく面白くて好きなんですよね。出てくる数字の桁がひたすらデカくて、恒河沙を超えたあたりからの意味わからんけど強そうな単位が次々出てくるワクワク感が好きです。

紹介VTRが当時のさらばの情報を得ることのできる貴重な資料って感じですね~。当時松竹芸能所属で、色々な関西の賞レースで結果を残し始めてコンビ歴4年で初決勝と改めて見るととても華々しい経歴ですね。当時東京でやっていた合同ライブのメンツもインディアンスはじめ、後に頭角を現すコンビが映ってて「おっ!」となりました。点数出た後にTKOが松竹の先輩としてコメントしてるのもたまりません。

 

 

銀シャリ

ネタは『奥さんを僕に下さい』で点数は754点。

歴代M-1王者の中でも特に正統派漫才のイメージが強い銀シャリですが、優勝の4年前にキングオブコントでも決勝で出てるのが凄いですね。

ネタは掴みの「お願いします!奥さんを僕に下さい!」から怒涛のボケツッコミの応酬でテンポが良くて面白いですね。改めて見てみると、ほぼコント中に動きがなくてボケ→ツッコミ→ボケ→ツッコミ……と綺麗にターン制になってて漫才のフォーマットで作成したネタをコントに移植した感じがするのが、点数が悪かった理由なんでしょうか……?点数出た途端にべらべら喋ってた橋本が明らかに動揺してるのが面白かったです。

後は09年に圧倒的最下位だったエレキコミックの励ましコメントが面白いですね。

 

 

かもめんたる

ネタは『眼鏡屋』で点数は883点。翌年のキングオブコント王者です。

えげつなくて生々しくて聞いたことのないのに臨場感のある表現が次々に出てきてインパクトが凄いです。これ、芸人採点で会場にたくさん芸人がいるから点数が良かったのであって、2021年現在の採点制度だったら掴みで会場ドン引きで絶対点数つかないでしょうね……。改めて見てみて、いかに採点制度が重要かを考えさせられました。

紹介VTRでは小島よしおと昔お笑いをやっていた紹介がなされています。もしかしたら小島よしおがシュールなコントをやっていた世界線もあったかと思うとワクワクが止まりませんね。

 

 

うしろシティ

ネタは『転校生』で点数は843点。

改めて見ると、すげー!ってなるよくできたネタだなって思いますね。当時見てた時もゲラゲラ笑った覚えがあります。目立ちたくない大人しい転校生がツッコミで、目立ちたいイキった転校生がボケかと思いきや、大人しい転校生からどんどん変な個性が出てきて圧倒されていくという展開でした。

紹介VTRを見るとうしろシティってそんなにTKOのことリスペクトしてたんかい!ってなりますね。後々のパワハラ騒動はあれど、TKOはやはりすごい芸人だということでしょうか。

 

 

【しずる】

ネタは『能力者』で点数は913点。

一本目見た時の「今年しずる優勝するな」感が半端じゃないです。掴みがとにかく面白いです。当時のネタで言えば、一番目新しくて引き込まれる掴みだったんじゃないでしょうか。「時を戻すことのできる」能力者の村上と、「他の人が能力を持っているかどうかわかる」能力者の池田。明らかに村上の能力が圧倒的に凄いのに、ずっとイキってるのがすごい面白いです。要所要所で村上がちょっと時を戻して同じセリフ、行動を繰り返す必要があるので絶対にミスできないしやり切るだけでも凄いネタです。

終わった後のMCを見てる限りでも、2012年は本当にこの一本に全てをかけていたんだろうなあ……っていうのがよくわかります。2本目は……。

 

 

夜ふかしの会

ネタは『学級会』で点数は778点。恐らく歴代キングオブコントで唯一の劇団出身かつ5人という異色の出場者だと思います。

キングオブコントの短いネタ時間で、5人という人数が腐らない構成ですごいと思います。目まぐるしく3人がぐるぐる回りはじめたところからの怒涛の展開から最後の後ろの黒板を使うという『革命』のオチまでずっと秀逸です。当時も思ったんですが、今見てもなんでこんなに点数が低いのかよくわかりませんね。800点後半はあるネタだと思うんですが……。

 

 

【バイきんぐ】

ネタは『自動車学校』で点数は967点。王者になりまさしく一夜にして人生が変わったであろうバイきんぐの1本目です。

シンプルに西村と小峠の掛け合いが全部外さず面白いです。ただ単純に二人がどっちも面白いし掛け合いがどんどん過熱して引き込まれます。小峠の「なんて言えばいい!」で死ぬほど会場湧いてて凄いです。こんなに会場がバカウケしてるのも珍しいじゃないでしょうか。終わった後に「跳ねたんじゃないですか?」と松ちゃんが言うくらいに納得のウケと高得点です。

改めて見ると当時からデビュー16年目とかなりの芸歴だったんですね。そして当日の朝六時まで害虫駆除のバイトやってたのやばいですね。

 

 

2本目

銀シャリ

ネタは『銀行強盗』で点数は732点。

銀行強盗に入った橋本がとにかく臭すぎるという一本鎗のコントです。一本目よりはコントっぽいですし、最後のアクションシーンは普通にすごいです。

掛け合いとかツッコミのワードチョイスとか結構面白かったと思うんですが、もう一本目の点数の兼ね合いもあって完全にウケてなかったですね。点数表示の途中で笑いが起きる始末です……。

 

 

夜ふかしの会

ネタは『カラオケボックス』で点数は717点。

カラオケボックスの部屋に5人で入って次々退室して戻ってくるという構成です。人数を活かしたネタで、2本目もかなり面白いです。劇団の方だからか、セットの仕組みや設定を上手く使ったネタが多くて決勝進出は極めて納得です。トータルで見るともう少し上位に入りそうなクオリティなのですが、とにかく点数が明らかに低すぎますね……。

 

 

うしろシティ

ネタは『ヤンキー』で点数は837点。

ヤンキーがうっかり病気の少年に因縁をつけてしまい、良心に苛まれ板挟みになりながら因縁をつけるというネタです。純真な心を持つ少年に引っ張られてどんどんヤンキーがいいヤツになっていくという爽やかな面白さがあり、短編のドラマを見終えた後のような後味がありました。

 

 

さらば青春の光

ネタは『痛いの痛いのとんでいけ』で点数は945点。

外回りをサボっていたサラリーマンの森田が公園で遊んでいた子供の東ブクロ「痛いの痛いのとんでいけ」でケガを治す能力に目覚めるというネタです。能力目覚めた後の森田が次々と東ブクロを殴りまくるのが面白いし、東ブクロも能力に目覚めて闘いになるという展開や、「いたとん!」というキャッチ―なフレーズがバカバカしくて面白いです。改めて見るとめちゃくちゃ高得点で、バイきんぐ次第では優勝もありえた感じですがバイきんぐが強すぎましたね。

 

 

かもめんたる

ネタは『作文』で点数は907点。

かもめんたるキングオブコントでやったコントで一番好きです。めちゃくちゃ嫌ですよね、こんな先生。嘘つくことを「お疲れ」っていうのめちゃくちゃ面白いですよね。一本目程唐突感がなくて、理詰めでどんどん小学生の作文捏造を暴いていく前半だけでも面白いのに、後半に槙尾から伏せられていた真実が告げられる転調からのオチまで隙がないです。かなりよくできたコントだと思いますが、さらば青春の光のバカバカしくて面白い2本目の方が評価された感じでしょうか。

 

 

【しずる】

ネタは『ビックリ先生』で点数は875点。

すぐにびっくりしてヘンなポーズをとる先生のネタです。ビックリの強弱一本でバカバカしくて面白いのは凄いですが、パターンが単調でそこまで大きい笑いどころがなかったからかあまり跳ねなかったですね。

ネタ終わった時点の会場の様子を見て、しずるの表情がもう負けるだろうと確信してる感じがなんというか、賞レースって感じでたまんないですね。1本目がかなり良かったというのもあって落差を感じますね。

 

 

【バイきんぐ】

ネタは『久しぶりの再会』で点数は974点。

伝説の「なんて日だ!」というフレーズが生まれたネタです。急にエンジンを全開にして叫びまくる熱いネタで勢いがヤバいです。会場がウケまくってて完全にバイきんぐのモノになってて凄いです。今見ても臨場感が凄くて、スターの誕生を目の当たりにした興奮が感じ取れますね。バイきんぐは両方のネタが同じくらい面白くて笑いどころが沢山あって勢いが強くてシンプルな強さを感じます。この年に関しては多分順番がどうなっててもバイきんぐが優勝したのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年は当時の目で見ると、しずるとかくらいしか知らないくらい無名の芸人が揃った年だったと思いますが今見てみるとかなり面白いネタが多いですね。

かもめんたるの2本目、しずるの1本目、夜ふかしの会両方と好みで面白いネタは沢山ありましたがやっぱりバイきんぐがめちゃくちゃ面白かったです。納得の優勝ですね。

 

 

過去のキングオブコントを振り返る機会をくれたTVer様にマジで感謝って感じです。

引き続き、他の年度も見ていこうと思います~。