孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

ブックオフで買った210円の教科書で勉強したら基本情報技術者試験合格できた!

令和3年度春期に受けた基本情報技術者試験(Fundamental Information Technology Engineer Examination:通称FE)に無事合格し、合格証書が送られてきました!

 

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この手の『合格』という概念が存在する試験を受けたのは大学院前期試験以来だったので、そこまで難しい試験ではなかったとはいえ嬉しかったです。合格って気持ちいいよね。

 

今回FEを合格するために費やしたトータルの勉強時間は多分1ヶ月もないと思います。午前試験は本番10日前位からで、午後試験は本番3週間切ったくらいからやり始めました。

コロナの影響からか、FEの試験形式がCBT(Computer Based Testing)に代わって午前試験と午後試験を日程を分けて受けられるようになりました。試験は期間中は随時行われており、都合のいい場所・日程を予約するというSPIのテストセンターみたいな仕組みになっています。更に、日程変更も試験日直前じゃなければ可能になっています。

そのため、午前試験と午後試験の間に猶予を置いて日程を組むことによってそれぞれの対策に集中するという戦略をとることができました。

実際CBTになってから明らかにFEの合格率上がってるので、このような戦略で合格できた人は多いんじゃないかと思います。

 

せっかくFE合格したんで、どういう風に勉強したか・どういう戦略を練っていたかを書くことにより後進への参考と自分自身の反省になるかなと思い、書いてみました。

ネットで検索したら山ほど出てくるFEのアフィっぽい記事よりは読んで暇つぶしになるような内容を目指しました(CBT後の試験形式を書いてるブログは余り見つからなかったのでその意味でも参考になるかもしれません)ので見ていただけると幸いです。

 

目次:

 

 

1. 試験を受けるための準備

【試験の申込】

FEの試験は春秋の年2回あります。私が受験したのは令和3年度の春期(4月〜6月)にあたります。

実は去年の秋に受けようと申し込むだけ申し込んでいたのですが、コロナで流れたので今年の3月頃に改めて申し込みました。ちなみにその時は結局1分も勉強することはなかったので流れてよかったです。

 

it.prometric-jp.com

 

CBT形式に移行するにあたって、プロメトリックという会社のHPから申し込む必要がありアカウントの登録も必要になります。HPが見づらく案内やUIも不親切なのでどこから申し込んだらいいのかわかりにくくてムカつきますが黙って申し込みましょう。

 

ブックオフで安く教科書を買う】

FEを受験するにあたって、試験勉強をするためには出題範囲を網羅した教科書が必要になります。

この手の資格試験の教科書の例にもれず、FEも毎年様々な出版社から最新年度の教科書や問題集が刊行されています。

私は少しでも金を浮かせるために、近所のブックオフでキタミ式(平成30年度)、そして午後試験の対策用に過去問題集(平成28年度)をそれぞれ210円で購入して使用しました。

 

 ↑キタミ式は一番売れてて有名の教科書というイメージがあったので中身見ないで選びました。イラストが多いですが、説明が冗長に感じたのと、わかりやすくしようとして使われている喩えがあまりピンと来なくて肌には合わなかったです。最低限FE合格に必要な範囲はカバーしてるっぽかったので普通に役には立ちました。

 

 

 ↑午後問題の分野の内のソフトウェア開発(プログラミング言語の問題のことです)以外の分野の過去問が各5~8題ずつくらいでまとまってます。丁度試験本番までにやり切れるくらいの分量でよかったです。

 

FEは令和に入ってから試験内容が大きく変わっているため、不安ならケチらずに最新年度の教科書を買った方がいいと思います。

私は「合格最低点60点とかだし、大筋は変わらんから過去問道場とかで適当に新しい範囲カバーすれば余裕やろ!」と思ってやりませんでした。結果的にそれで特に問題はなかったです。

 

【試験の範囲と配点を見て対策を立てる】

試験に臨む前にざっくりと、公式ホームページのシラバス(本当にさっと目を通しただけ)や基本情報技術者試験.comで出題範囲と配点に目を通しました。

 

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引用:https://www.fe-siken.com/fekeisiki.html

 

まず午前試験の範囲を見ると、『テクノロジ系』の出題量が多いことが分かります。そして、全80問で60点以上取ればいいということは全問題が同じ配点(1.25点)と仮定した場合10問以上間違えても全然大丈夫ということがわかります。これはかなり気が楽です。

とりあえず『テクノロジ系』を重めに勉強して、多少分からない問題があっても気にせず、落ち着いたら必ず取れる問題(計算問題など)を潰していけば大丈夫だろうと判断しました。

 

 

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引用:https://www.fe-siken.com/fekeisiki.html

 

午後試験の方を見ると、11題ある問題の中から全5題を選んで解答する必要があります。午前と比べて自由度が高いです。

まず『情報セキュリティ』、『アルゴリズム』、『ソフトウェア開発』が必修であり必ず解かなければいけないことがわかります。そして配点も選択問題と比較して高い……。

さらに、ソフトウェア開発は任意の言語(C、JavaPython表計算Pascal)から1つ選ぶことができます。これについては大学時代研究で少し齧っていたC言語を選ぶことにしました。

それ以外の選択問題2つについては、薄く広く過去問題をやっておいて当日問題を見て解きやすそう分野を選ぶことにしました。最初から選ぶ科目を決めて対策した方が楽だろうとは思いましたが、実際一通り午後問題をやってみるとどれもそんなに得点率が変わらなかったからです。選択問題は必修と比べて配点も低いので「当日ざっと目を通して何となく解きやすそう」というものを選んで解いて安心すればいいかなと考えました。

 

 

2.勉強方法とだいたい費やした時間

【午前試験】

本番の10日前くらい前から重い腰を上げて勉強を始めました。

とりあえず最初の3日で教科書を2回くらいざっくり流して読んで出題分野とか出てくる単語の意味とかを何となく覚えました(この時点だと教科書の5割も頭に入ってないと思う)。

そして残りの7日間、終業後や空いてる時間に過去問道場で午前試験の過去問を解きまくりました。過去問道場はマジで便利です。

 

 

www.fe-siken.com

 

方針としては最初は範囲を定めず1日200問を目標にとにかく解いて合ってても間違っても解説を読んで正解に至る道筋をしっかり理解するようにしました(実際には200問できない日の方が多かったです)

最初のうちは過去問道場の問題の正答率が全体で7割行かないくらいでしたが、毎日地道に数をこなしていると8割は安定して取れるようになってきました。所詮は4択問題なので数こなせばなんとかなります。

そして試験日が近づくと模試みたいな感覚で最新3年度の過去問を重点的に解き、苦手そうな分野の教科書部分を見直して備えました。

 

【午後試験】

午前試験と午後試験の間に1ヶ月ほど期間を開けておりましたので、午前合格するまで午後の対策は一切行ってませんでした。

午前の受験日から1ヶ月ほど期間が空いて余裕だったのをいいことに少し勉強を休んでいたらいつの間にか本番1週間前になっていて、慌てて問題を解き始めたら、意外と問題が難しく感じて(特にアルゴリズム)点数が安定しませんでした。このままだと落ちる可能性高いなと思ったので、午後試験の日程を2週間後にズラしました(笑)

日程をずらすことによって3週間の猶予ができたので、気持ちを改めて午後試験の問題集に取り掛かっていきました。

必須問題の情報セキュリティ、アルゴリズム、ソフトウェア開発(C言語選択)は基本的に1日1題解くようにしました。

情報セキュリティは何題か過去問解けば安定して0~1ミスくらいに収まるようになりました。アルゴリズムは最初はミスが多くてひどい有様でしたがめちゃくちゃ相性悪い問題でなければ(ポインタきらい、再帰処理すき)大体解けるようになってきました。コツとしてはめんどくさがらずに具体的な数字を代入して書き出すことだと思います。

ソフトウェア開発はC言語でしたので、過去問題を解きつつ文法的によくわからんところがあったら教科書参照するって感じでした。プログラミング経験はほぼないに等しいですが大学の授業で基本文法くらいは習ったのでその知識を思い出しながらやっていったって感じです。最初は全然ダメでしたが不貞腐れずに一週間くらい過去問演習を続けてると悪くても半分くらいは正解できるようになってきました。

 

 ↑ちなみに私の持ってたCの教科書はこれです(ブックオフで210円で買いました)。

 

選択科目はとりあえず過去問題集に載っている分を日替わりで3題くらい制限時間25分くらいで解いてみて答え合わせをして1番点数が安定しそうな分野を選ぶことにしました。その結果、どの分野でもそんなに正答率が変わらなかったので、文章をしっかり読めば解きやすいマネジメント/戦略系の大問と、単純に解いてて楽しいハードウェア/ソフトウェアの大問を難しそうじゃなければ本番では選ぼうと決めました。

 

 

3.試験の感想

【午前試験】

 CBT形式の受験ということで身構えましたが、基本的には就活時のテストセンターとほぼ同じ感じでした。

注意点としては、筆記用具など荷物は一切持ち込めないことと、冷房がかなり効いていて半袖シャツ一枚だとかなり寒かったことくらいでしょうか。試験が始まるとお腹が冷えてもトイレには行けませんので……。

試験時間は150分でしたが、かなり慎重に解いて見直しをしても30分余りました。絶対合格ラインに乗っている確信はありましたが満点を狙おうと思って分からない知識問題を時間いっぱい悩んで考えました。結果は80点弱で時間の無駄でした……。

  

【午後試験】

 午後試験も基本的には午前と同じ流れでした。まず初めに必修問題から解き、その後は選択問題をざっと見て解きやすそうなものを選ぶという戦略を取りました(結果として確実に全問正解できそうなマネジメント・戦略系の2題を取りました)。

全体的に比較的私が得意なタイプの問題が出題されたため手応えがあり、スコアレポートを見ても余裕を持って合格できたという感じです。

大きな注意点としては午前試験と違って午後試験は選択問題があり、選択タブをしっかり押していないと解いていても採点されません。

さらに悪いことに、選択ミスをしていても終わった後に自動送信されるスコアレポートでは普通に点数が表示されています。そのため、実際の合格発表があるまで自分が選択ミスをもしかしたらしてるのではないかという不安に怯えることになります……。

 

 

Twitterなどで検索するとこの選択忘れが原因で不合格になった人がチラホラいるみたいなのでマジで忘れないようにしましょう!

 

 

4.おわりに

 午前試験はまあちょっと勉強すれば余裕で受かって、午後試験はアルゴリズムとプログラミングの両方事故らなければ受かるかなという肌感覚でしたが大体その予想通りの結果でした。

私は理系出身なのでテクノロジ系はちょっと勉強すれば全て余裕だと思っていましたが、午後問題のアルゴリズムおよびソフトウェア開発はしっかり問題に慣れておく必要があると思いました。後はまあ教科書と過去問で培った知識と義務教育で培った読解力が全てだと思います。めんどくさがらずに問題を解くことですね、結局。 

 

FEは試験範囲が令和に入ってから大幅に変わったとはいえ基本的に問われていることの大筋は変わっていないため、ブックオフで安く教科書買って基本的な範囲を勉強してその後過去問道場で経験積めば十分合格できると思います。

 

FEを取れたので、次はAP合格を狙おうと思っています。そして合格したらまたブログを書こうと思います……(今回ほどの文量にはならないと思いますが)。