孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

東京。

関東圏以外の地方に住んでいる方にお聞きしたいのですが、皆さんは何回東京に行ったことがありますか?
東京にはどれくらいの頻度で行ったことがありますか?

私は大阪(2年前までは奈良)に住んでいるのですが、大学在学中の4年間だけで少なくとも100回以上は東京へと足を運んでいます。新幹線で行ったのは極小数で、その殆どは粗悪な4列夜行バスで寿司詰めにされての行脚でした。


東京という街に初めて行ったのは大学に合格してすぐの浪人生最後の春休み、3/15でした。
当時1番ハマっていたアイドル(今でももちろん好きですが)のももいろクローバーZの国立競技場での単独ライブに参戦するためです。

修学旅行以外で関西圏を出た経験のなかった私は、親のお金を使って新幹線に乗り込み、大阪から名古屋、そして東京へ至るまでの風景を食い入るように見つめました。そして生まれて初めて東京駅に着いた時にはその人の多さ、乗り換えの複雑さ、ホームの多さ……とにかく目に映る景観全てに圧倒され感動したものです。
ライブの感想は本題から逸れるので割愛させて頂きますが、国立競技場付近で余りにも多い人々の群れの中で、本当に知り合いが一人もいなかった自分は開演時間まで会場の隅でじっと何もすることもなくうずくまっていました。そんな私に話しかけてくれた同じような身の上の歳上のオタクの方がいましたがその彼も北海道出身……東京の人混みは大阪のそれを遥かに凌駕する異質なものに見えました。

ライブ終了後、新宿のホテルに泊まるとその翌日には逃げ帰るように新幹線で奈良まで帰宅しました。帰ってきてから凄く疲れていたのもあり、私はぼんやりと今後東京は暫く訪れることは無いだろうと考えていました。しかしながら、その予想は外れることになります。



ブログでも何度か申し上げている通り、私の大学4年間はほとんどアイドルと共にありました。1年生の入り初めの頃はサークルに入り大学生活を謳歌する予定でしたが、浪人生活から解放された反動でももクロのファンクラブイベントが見たすぎて、そこで初めて一人で自分のお金を使って夜行バスを使うことを決意。東京と大阪は往復で1万円もしないことを知ってしまうのです。
そして、それから私にとって東京は実家の奈良から大阪の梅田に行くのとさほど変わらないノリで気軽に足を運ぶ場所になりました。


日本のおおよそあらゆるカルチャーは東京を中心に回っています。アイドルもその例に漏れず、おおよそのイベントやライブは東京を中心とした関東の都市圏で行われるものです。

私は大きなライブや握手会を中心に、まずは関東圏の大きなホールを回るようになりました。東京なら国立競技場や日本青年館代々木第一体育館など、神奈川に向かえば横アリや日産スタジアム、埼玉の西武ドームSSA、千葉でも幕張メッセ舞浜アンフィシアターなど……。ライブハウスや野外のフェス会場を併せれば書ききれない膨大な数にのぼります。
アイドルを通して知り合ったオタクの友達の家にも泊まり歩き、ライブハウスや会場が存在しないような東京の住宅街も色々なところを回りました。東京都23区以内には余すところなくオタクとしての思い出がぎっしり詰まっていて、2019年の今、どこを訪れるにしろアイドル関連の思い出が蘇ります。


そして、いつの間にだか更にマイナーなアイドル(所謂ももクロの妹分と呼ばれる子たち)にハマるようになりました。関東近傍でしかイベントをしないアイドルだったので、ライブを見てお話をするために、私はいよいよ毎週のように夜行バスに乗り込み東京に行くようになりました。わざわざ奈良からせっかく東京に来たのに、毎週毎週関東の外れのショッピングモールで一日を潰し同じようなライブを見て物販に足繁く通うだけの週末……周りには自分よりも歳上の関東在住のお金を持った人達ばかり。
金銭的にも体力的にも疲弊しつつも、いくばくかの大学の講義や生活を犠牲にして、バイトで稼いだ泡銭をすべてつぎ込んで遠征を繰り返していました。


そんな生活を続けているとどこかで糸が切れるのは当たり前で、ある日突然私は夜行バスに乗ることも、東京の嫌気がさすほどたくさん人が乗っている電車を見ることも、関東じゃなくてもどこにでもあるような僻地のショッピングモールに出向くことも、代わり映えのないライブを見ることも、もはや話す内容もないのにアイドルとの会話を捻出することも、全てが嫌になってしまいました。

最初に来た時にはあれほど広く見えた東京は、いつしかやたら人が多いだけの窮屈なウサギ小屋にしか見えなくなったし、結局凄そうに見えるのは見た目だけで本質は田舎の寄せ集めみたいな場所だなと色褪せて感じるようになりました。



そんな境地に達してから一、二年が経ちますがアイドルじゃなくて大学関係の用事等で東京を訪れることはままあります。

夜行バスではなく、移動には新幹線を使うようになりました。
今度は親の金ではなく、大学のお金です。



新幹線に乗ると3時間少しで大阪から東京に着くので、「な~んだ、やっぱり大阪と東京は近いじゃん」と思ってしまいます。
そして人がひしめき合った東京の街を歩いていても都会に来たという感覚はなく、ただ自分が住んでいる大阪の延長線にある街の一つに来たに過ぎないとさしたる感動もなく目的地へと向かうだけです。
東京の主要な場所そのものにはもはや目新しさはなく、あるのは在りし日のアイドルやオタクの友達との思い出だけです。


ですが、東京の全ての輝きか失われた訳ではありません。
オタクとしての活動をしているときなら行かなかったような場所、その一例として、たとえば東京の美術館や博物館などを巡っていたり少し高いランチを食べたり普通なら行かないビルとビルの隙間を敢えて通ったりする時にまだ見たことのない場所を踏みしめる新鮮さを感じます。



これからは新しい側面から東京と接することができたらなと思いつつ、今後も出張等であまりに慣れた道のりをなぞって東京に何度も向かうのです。