孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

キングオブコント2014を改めて視聴してみたゆる~い感想

前回大会のブログはこちら!

 

2arctan-1.hatenablog.com

 

 

というわけでキングオブコント2014です。

「制度がめちゃくちゃ変わってたな~」以外はかなり印象の薄い大会だった記憶ですが、それゆえ改めて見直してみると色々印象が変わりそうです。

というわけで今回もTVer様の力を借りて楽しく視聴していきたいと思います!

 

tver.jp

 

 

例の如く、感想内にあるネタの名称は私が勝手に書いたもので正式名称ではないのでご注意ください。

 

 

目次:

 

 

 

全体の感想

採点制度が一新されたこともあって、歴代のキングオブコントの中でもかなり異質な雰囲気が漂っていた気がします。進行が今までとまるで違うからでしょうか。

2014年は歴代キングオブコント唯一の一騎打ちトーナメント方式&勝ち抜け方式です。そして、今大会から現在に続く決勝進出10組に増えたんですね。

かなり不評だったので、後にも先にもこの制度のキングオブコントは二度とないと言えるでしょう。「どんなやり方でもネットは荒れるんで」と冒頭で松ちゃんが言っているわけですがこの年は燃料が豊富ですね。

今までの賞レースでは順番による運が絡んできましたが、今大会ではそれに加えて組み合わせによる運も絡んできます。そして結構実力が拮抗していて混戦という印象がありました。そして、巨匠の2本目が見たかった……。

メンツとしては、当時見ていて印象的なのは優勝者のシソンヌ、準優勝のチョコプラ、そして個人的にめちゃくちゃ推していた巨匠(解散済)、そして一躍ブレイクしたバンビーノなどです。

一方でアキナとかラバーガールとかそこらへんの実力派も出場していたけど覚えてなくて「出てたんや!」となりますね。あとこの年は人力舎率が高いです。印象に残った組と覚えていない組がちょうど半分くらいで、見返していてかなり面白かったです。

 

 

 

 

 

第1試合

54対47でシソンヌが勝利です。これは本当に接戦だったと思います。

当時は「巨匠の圧勝だろ!」と思ってシソンヌが勝って怒った覚えもありますが、今見ると本当に甲乙つけ難い勝負だと思います。

従来の審査方式だったらどうなっていたか本当にわからないな……と改めて感じますし、今大会で最も惜しいと感じられるところです(だからこそ印象深かった試合でもありますが)。

 

【シソンヌ】

ネタは『くせえラーメン』で点数は54点。決勝初出場でそのまま優勝です。

2014年度の優勝者がいきなりの登場です。日常にいるちょっとおかしいおじさんを少し誇張してポップで強烈なキャラに仕立て上げたじろうの演技力と、怒りつつも相手をしてあげる店主の長谷川のかけあいが絶妙に面白いです。シソンヌ好きで単独ライブとかも行ったことがあるんですが、キャラの作り込みがすごくて本当に生き生きとしているんですよね。

シソンヌの紹介VTRの時にスタッフが間違えてボタンを押してCMに行くくだりありましたね~!生放送でもなかなかお目にかかれないトラブルだと思います。

 

【巨匠】

ネタは『ダメなおじさん』で点数は47点。決勝初出場。当時の岡野の借金は700万円だったんですね。

このネタ、歴代キングオブコントの中でもトップクラスに好きなものの一つです。

パチンコ玉を競馬新聞で包んで自分よりダメなおじさんを創り出すというぶっ飛んだファンタジー設定がめちゃくちゃ好みです。その上で、岡野演じるダメなおじさんが小学生に対してあくまで理にかなったような分かりやすい喩えで諭しているのが最高に面白いです。また、本田演じる小学生の疑問や反論が見ているこっち側の意見と一致していて、違和感を感じたところを過不足なく指摘してくれているのが気持ちいいです。岡野陽一の的を得たクズおじさんの描写やあるあるが土台となって、突飛な設定なのにも関わらずリアリティが感じられます。最後のオチまで抜かりなく面白いです。

こんなに異質な設定でやってることは無茶苦茶なのに、おじさんのやっていることが理に適っているように聞こえるところが面白いし凄いなあと今見ても思います。巨匠は本当に解散が惜しいコンビです(岡野は元気にピン芸人をやっていますが)。

 

 

第2試合

同じ人力舎の先輩後輩対決で、83対18でラバーガールの圧勝です。

今思い返してみるとリアルタイムで見ていた時はラバーガールを一番応援したので、注目の一戦だった記憶があります。結果としてはもろに芸歴の差が出た気がします。あまりにも差があきすぎて、勝者のラバーガールが気を遣っていたのが面白かったです。

 

ラバーガール

ネタは『子供用衣服店』。久々の出場。

冒頭から大水がすっとぼけまくって、逐一冷静に飛永が訂正するというラバーガールらしさが出まくった最初から最後までずっと面白いネタです。かなりの量のボケを次々畳みかけて外さずにどんどん笑いを取っていて、ラバーガールってやっぱりすごいなあと感じますね。ラバーガールの強さをひしひしと感じるネタでした。

 

【リンゴスター】

ネタは『企業スパイ』。初出場でキングオブコント史上最年少出場者らしいです(ググったら現在でも最年少とのこと)!ちなみに今の私の年齢よりも年下。

リンゴスター、全然ネタ覚えてなかったしそもそもトリオということも知らなかったです。企業スパイとして働いていた社員が出世し過ぎて社長になっちゃうという設定で、非常に若々しさを感じます。後半のツッコミがノリノリで叫んでるところ気持ちいいだろうな~と思いました。ここまで出た3組はいずれも演技力が高い組が続いたので、短い芸歴ゆえの拙さとかコント時の棒立ち具合が少し気になりました。

まだ若いしこれからもっと伸びるだろうなと思って今を調べてみたら、2017年に解散していました……。

 

 

第3試合

58対43でバンビーノが勝利。

3年連続出場のさらば青春の光をバンビーノが破るという大番狂わせでした。

さらばのネタも設定が面白いし個人的にかなり好みだったのですが、バンビーノのネタがそれ以上にインパクトがあってまたスッと内容が理解できて老若男女誰でも笑えるという凄さがあった分軍配が上がった気がします。

 

【バンビーノ】

ネタは『ダンシングフィッソン族』。決勝初出場。

「ダンソン!フィーザキー!」「二―ブラ!」「ニーブラゴンサ!ニーブラ!」とフレーズも振り付けも滅茶苦茶印象の残るリズムネタです。課長→専務→社長→同じ狩人と闘いの流れも分かりやすいし、工夫を重ねて色々なリズムで敵を狩っていくのがすんなりと理解できてただの一発ネタでおわらないすごさがあります。ていうか久々にバンビーノのネタ見たらめっちゃ面白くて笑い転げてしまいました。

紹介VTRで両者海外留学経験があると聞いてへえ~となりました。確かに言葉を必要とせず世界でもウケそうなリズムネタですもんね。

 

さらば青春の光

ネタは『下ネタ無理なおっさん』。

所属がフリーからザ・森東に変わっています!この年に事務所設立したんだ!キングオブコント2012から2018までの歴史はそのままさらばの歴史も辿ることができますね。

中年の汚いおっさん同士が野球見ながらヤジってて笑い合うけど、下ネタの時だけ東ブクロ扮するおっさんが無反応で、下ネタが無理であることが発覚するというネタです。前振りに十分時間をかけての「わし、下ネタダメやねん……」っていう種明かしのところが抜群に面白いです。このネタは今のご時世だとちょっと炎上しそうですね。また、オチの意味が当時は分からなかったんですが今改めて見ると爆笑してしまいました(見ていた当時は今より純粋だったので……)。

面白かったんですが、バンビーノのファーストニーブラのインパクトにそのまま飲まれてしまった感じでしたね。

 

 

第4試合

94対7で犬の心が勝利。もはや放送事故レベルの点差ですが会場のウケの差を考えたらまあ妥当かなと思いました。

 

ラブレターズ

ネタは『野球選手のお見舞い』。2011年以来2回目の出場。

病気の少年のところに憧れの野球選手が来たけど、ホームランの約束をするのではなくただ病気の少年を嘲りにきたというネタです。どんどんウザくなっていく森安がたまんないですし、最後の最後までしっかりウザいのがよかったです。あんまり会場にハマっていなかった感じはしますね。

両方学生にいじめられてたっていう紹介VTRはこれからネタを見るっていう時に哀愁がありすぎるのであまりよくないなあと思いました。

 

【犬の心】

ネタは『手品』。決勝初出場。2014年時点で芸歴17年目というベテランです。

手品で一万円を消した後輩から意地でもお金を取り戻そうとする先輩の姿が面白いし、ツッコミの先輩がバイセクシャルであることが発覚したりと所々でドカンと面白くてウケた箇所があってベテランの腕を感じます。最初の後輩の服脱がせたところのリバーシブルのくだりでラブレターズのネタの全部足したくらいのウケがあったのが印象的でした。あまり記憶になかったですが、かなり面白かったです。

 

 

第5試合

80対21でチョコレートプラネットが勝利。チョコプラの勝利は納得ですが、こんなに点差開いてるのか、という気持ちがあります。

アキナのネタもかなり面白かったので、2本目が見たかったです。つくづくこの一騎打ち制度というのは……。

 

【チョコレートプラネット】

ネタは『ポテチ開ける業者』。第一回以来2回目の出場。今や売れっ子の二人ですが、この頃はまだ長田も松尾も何となく若いですね。

チョコプラが小道具を使い始めました!ポテチを開けるというしょうもない理由のためにすごい小道具が次々登場して笑いが起き、溜めに溜めてのポテチの袋が一瞬で開けられるところが最高に面白いです。チョコプラはピエロンリーの方の印象がすごく強かったんですが、見返してみると1本目もかなりウケてますね。

今大会はチョコプラがネタでも平場でも良く盛り上げてくれたなって思います。またチョコンヌでも単独でも、キングオブコントの決勝に再び立つ姿が見たいですね。

 

【アキナ】

ネタは『ボール取れへん』。藤本が問題を起こしてコンビになってから2年目で初出場。

ボール投げて遊んでる少年がボールを隙間に入れてしまって「取れへん!」連呼して取ろうとしたら取れた……というのを繰り返すなんとも耳に残る癖になるネタです。このネタ自体は良く知ってるんですが、キングオブコント2014でやってたんですね(もっと後だと思ってた)。私が知っている限りでは、アキナのコントの中で秋山が明確にボケに回ってるのは結構珍しい気はしますね。絶妙に秋山の演じるガキがウザくていいですし、最後のオチも中々気持ちいいです。

それにしても、この頃から山名はイキってますね。

 

 

ファイナルステージ

2回目のネタ順は抽選で、そこから一騎打ちで対決していき最後に残った組が王者というこれまた順番による依存性が大きい制度です。そして金色の球を取った人から決まっていくくじ引きのシステムに無駄が多いのが気になります(普通に1~5の番号の球を一度に引けばいい話では?)。

イキり散らしていたチョコレートプラネットが本当にトップバッターになったのが面白いです。チョコプラの二本目は本当に面白いしインパクトもあるネタなので、順番が違えば優勝した可能性はかなり高かったんじゃないかなと思います。たらればはありませんが。

後はファイナルステージ開始待ちの時のロッチ中岡のコメントが最高でした。

 

【チョコレートプラネット】

ネタは『カラオケ』。

カラオケに来た長田が九城伸明とかいう全然知らない歌手の歌を歌い出すけど、やたら当て字が多いというネタです。ベースは歌ネタなんですが、発想が天才的だと思います。ずっと当て字がすごいっていうネタだけど顔文字が流れてきたり、最後草が画面に生えまくるところが無茶苦茶面白いですね。視覚のインパクトが強くてパワフルだったんじゃないかなと思います。後何気に歌自体は普通にいい曲なのが凝ってていいです。

嬲(ピエロ・ピエロ・ピエロンリー)……。

 

【バンビーノ】

ネタは『ハグハグハグゲッター』。

右足前、左足前、トルネード()、攻撃、しゃがむ、ハグするなどのコマンドで動く男と女のキャラクターが動き回るというネタです。ダンソンのネタよりもかなりタイミングを必要で難しいネタなんだろうなあって見てて思いました。中々ハグできないもどかしさとか次々新しいコマンドが出てくるビジュアル的な面白さがあります。分かりやすくてインパクトがあってめちゃくちゃ面白い1本目とどうしても比較してしまいますね。

結果は83対18でチョコプラの勝利で敗退です。

 

【犬の心】

ネタは『物凄く妹がほしい』。

2本目も先輩後輩のやりとりを軸にしたネタで、会話が進むにつれて先輩の34歳の弟と後輩の17歳の妹のイメージが鮮明になっていって、最後に裏切られるって感じです。掛け合いの感じは面白いですが、1本目よりも大きな笑いどころが少なかった感じはしますね。チョコプラインパクトは覆しきれなかった感じはします。

85対16でチョコプラの勝利で敗退です。チョコプラ松尾の勝利を確信した感じのコメントが良かったですね。

 

ラバーガール

ネタは『美容室』。

1本目から引き続いて安定の面白さです。ラバーガールは2本とも実力を出し切って面白かったんですが、めちゃくちゃ跳ねるって感じではないのでこういう一騎打ちの仕組みだとどうしても華やかなネタに押されてしまった気がします。またラバーガールキングオブコントの決勝で見たいですね……。

61対40でチョコプラの勝利で敗退です。

 

【シソンヌ】

ネタは『タクシー』。

泣きながらタクシーに乗り込んだ女性と紳士的なタクシー運転手の掛け合いがロマンチックなネタです。このネタ、1本目と違ってどっちもボケらしいボケをしてるわけでもないしツッコミもなくてただドラマを演じているだけなんですがなんでこんなに面白いんですかね……。「プロね」って口パクでじろうが言うところとか最高に面白いです。2014年当時は「チョコプラの優勝やろ!」と思っていましたが、今見ると演技力で観客をコントの中の世界に引き込んだシソンヌの優勝は納得です。

74対27で同期対決はシソンヌの勝利となりました。チョコプラとシソンヌ、並んだらシソンヌの二人の方が圧倒的にデカいのなんか面白いですね。

 

 

 

 

 

 

 

2014年はシソンヌに始まりシソンヌに終わる、まさにそんな年でしたね。

シソンヌはもちろん面白かったですが、3組勝ち抜きをして準優勝のチョコプラは順番次第では結果が違ってきたかもしれないなとは思います。相対的な点数しかつけられていないので、全体として誰が何位かはわかりませんが採点制度が2013年とかと同じだったらかなりの大混戦だったと思います。

 

後はやっぱりつくづくシソンヌに僅差で敗れてファイナルステージに残れなかった巨匠の2本目が見たかった……。