孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

第42回ABCお笑いグランプリ感想

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2021年度のABCお笑いグランプリ観ました!

今年は決勝進出したのがテレビ等で割と露出のある有名なコンビばっかりで華のあるメンツだったと思いますが、実際期待以上にすげー見てて楽しかったです!

 

せっかく見たんだから、各組の面白かったポイントを備忘録をかねてまとめてみようかなということで書きなぐりました。本当は日曜日のうちに一気に書きあげるべきだったのですが、眠くなって放置してたらめちゃくちゃ時間たってました。

当然のごとくネタバレを含んでおりますので、まだ見ていない人はまずAbemaTVの見逃し配信をご覧になってきてください!

 

目次:

 

 

【全体の感想】

全体的に番狂わせのない展開だったと思います。

芸歴がある程度長かったり、過去の大会でファイナルまで進出したことのある芸人がそのまま勝ち上がったという構図だったんじゃないかなと。

大会が始まる前に昨年度優勝のコウテイ、そしてM-1王者のマヂカルラブリー、ミルクボーイのネタがありました。

コウテイのネタはめちゃくちゃふざけてて、リポーターの仕事でも下ちゃんがマイク食べたりやりたい放題で徹底的にふざけ倒してて最高でしたね。

マヂカルラブリーは2018年のM-1グランプリ予選でやってた(だったかな?)オーロラのネタでした。村上のガチのアザラシは何回見ても面白いな〜って印象です。

ミルクボーイの漫才はうまい棒のアイツが題材で、初めて見るネタでした。ミルクボーイってやっぱりめちゃくちゃ面白いんやなぁってゲラゲラ笑いながら思いました。

 

 

 

【Aブロック】

オズワルドがめちゃくちゃ面白くて圧巻だったなという感じです。M-1グランプリ2年連続ファイナリスト兼昨年準優勝は伊達じゃないですね。

 

・Gパンパンダ

マジックバーで、やたら店員が煽ってくるっていう内容のコントで絶妙にイライラ感があって後半で展開の一転もあって面白かったです。

その割にはあんまり会場がウケてなかったな〜っていうのは1個目の掴みであまりハマってなかったのかなと思います。溜めての「俺を下げるな!」のところでドカンとウケる予定だったんじゃないかな〜と思います。

 

・さすらいラビー

導入の「学生時代の恋愛にはもう戻れない!」っていう掴みでかなり面白いなと思いました。その後も好きすぎてキモくなってしまう男子と困惑する女子のやりとりがテンポ良く、後半にくしゃみの伏線も回収したり1回安心させて緊張させたりと色々盛り込まれてるなと思いました。

あとは、審査員の濱口が少し言った「滑舌が悪い」っていうのが少しネックになっているところがあったのかな(普通に台詞が聞き取りにくい箇所とかあってそこが気になった)と思いました。

 

・オズワルド

Aブロックの中だと面白さと完成度が別格だなと思いました。さすが二年連続M-1ファイナリストです……。

ダイエットの話から畠中の淡々とした疑問の連続に対する伊藤の丁寧で切れ味あるツッコミがめちゃくちゃ気持ちよくて、どんどんトーンが上がって盛り上がっていく感じが自然でめちゃくちゃ面白いし『気持ちいい』と感じました。TOが隣の奥さんっていう伏線はカレーの畳み掛けで何となく気づいていたのにも関わらず明かされた瞬間には爆笑してしまいました。不可避の笑いって奴ですね。

 

さや香

子供の頃鼻くそ食べたことあるっていう題材を否定する石井に対して新山が「認めろよ!絶対食べたことあるやろ!」ってぶちギレながら迫る漫才でした。

新山がオーバーリアクションで畳み掛けるいつものタイプのさや香の漫才かな……?と思ったら中盤で石井が気持ち悪くなっていつの間にか石井がボケになってるっていう所が新しいなと思いました。俺は関西住みでさや香はローカル番組などでよく見るんですが、その度に「新山よりもどう考えても石井の方が(いい意味で)キモイだろ……」と思っていたので、その石井のキモさがよく出ててかなりパワーアップしてるように感じました。このスタイルをもっと洗練させていけばまたM-1決勝とかもあるのかなと思いました!

 

 

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全員1位投票はさすがにヤバすぎる。

 

 

 

【Bブロック】

蛙亭インパクトのあるネタをやっていましたが、審査員票が割れつつもファイナルに進出したという感じでした。多分二位はコットンだったのではないかなと予想しています。

 

・パンプキンポテトフライ

今大会で唯一ネタを見た事がなかったコンビです。

ロン毛の奴が変なことを言って、ツッコミの方も緩い空気で突っ込んでポイズンガールバンドを何となく思い出しました。

ガラ入れのくだりとか、レゴのツッコミとか、部分部分で面白いところはあったのですがコロコロ話題が変わって単発に終始した印象があるのが面白さのわりに会場がウケてなかった理由なのかな〜と思いました。

 

・ダブルヒガシ

ダブルヒガシって結構正統派のコント漫才をやってるイメージがあったんですが、『パーティーでどんどん凄い人を出していく』というネタでダブルボケみたいな感じで応酬を繰り返すネタで意外な凄い人がどんどん出てくる面白さがありました。

ダブルボケで応酬を繰り返すネタって既にキャラクターの濃い芸人が結構やっていて強烈なものが多く、それ故初めて見るネタのはずなのに既視感を覚えたところがありました。累進的にどんどんさっきの凄い人を超えて面白くなっていくっていう感じでもなかったのでカタルシスが足りなくて物足りないところもあったのかなとか思いました。

 

・コットン

お見合い相手の女性がめっちゃタバコ吸うっていうコントで、煙草だけで話をめちゃくちゃ広げられるのはコットンの2人の演技力の賜物なのかなと。終わったあとのコメントや急な手品なども含めてやっぱりコットンのふたりって芸達者で器用で面白いなと思いました。

後の蛙亭がかなり攻めた感じのネタだったので、もしかしたらコットンがファイナル行く可能性もあったのかなと思いました(結果的には意見は割れつつも蛙亭が進出でしたが)。

 

蛙亭

『自転車の違法駐輪が重犯罪になっている平行世界』を描いたドラマって感じのコントでした。

自転車撤去の情報収集をするために誰とでも寝る女岩倉と、自転車撤去に命をかける中野と、明らかにおかしい世界の出来事なんですが蛙亭の圧倒的な演技力と異常性でそれが『その世界の普通』のように感じられるからめちゃくちゃ面白かったのかなと思いました。

途中でミスったり台詞を間違えたら途端にお客さんが冷めちゃうような危険を孕んだネタをここまでやり切るのがカッコいいなと感じました。

 

 

 

【Cブロック】

一番激戦区というか、みんな拮抗して面白かったブロックなのではないかなと思いました。その中でもファイナルに進出したカベポスターがさらに抜きん出て面白かったと思います。

 

・チェリー大作戦

チェリー大作戦って本当に唯一無二の空気感を出してるなと思います。

お笑いの賞レースのネタってどんな芸人でも結構バチバチしてるというか、「仕上がってる」という表現がよく使われるように競技性を伴うものだと思うんですが、チェリー大作戦のネタは自然体のまま肩の力を抜いてやっているように見えます(私がそう見えるだけで実際はそんなことないと思いますが)。

他にはない面白さというか、宗安さんってまじでどんな漫才やコントでも宗安さんですよね。急に何の前触れなくだるまさんがころんだが始まっても、それがすんなり受け入れられて面白いな~と思いました。

 

・赤もみじ

ネタは去年のM-1予選でやってた友達へのプレゼントのネタに短い掴みが追加されていたり色々変更されていた感じでした。

ツッコミがぶちギレながら『言い過ぎだけど言いたいことがよく分かる偏見』を撒き散らすのが赤もみじのすごい面白いところだなと思いますが、今回のネタだと田んぼのくだりで一旦勢いが落ち着いちゃったのかな〜と思います。

 

・カベポスター

今大会で1番面白かったのはカベポスターの1本目の少年探偵のネタだと思います!

統括すると、かまいたち山内の審査員コメントが本当に全てだと思います。

元々カベポスターの理論だった話の展開と謎解きをしていくような気持ちよさはそのままにネタがシンプルで分かりやすくなっててめちゃくちゃ面白かったです。去年のM-1グランプリでこのネタ仕上がってたら決勝行ってたんじゃないかっていうレベルだと思います。カベポスターは特に去年からのパワーアップが凄まじいなと思いました。

 

空気階段

かたまりがボケなんや!という驚きがまずありました(だいたいもぐらがボケかWボケのイメージがあったので)。

コント設定自体はストーカー気質の学生のかたまりが女の子の無実を証明すべくストーキング犯行をカミングアウトし、やがて暴走するというものでそこまでヒネった展開ではなかったんですが、最後のかたまりが暴れ回るところとか『ぶちギレた陰キャそのもの』でめちゃくちゃ面白かったです。

 

 

 

【ファイナルステージ】

くじ引きの順番で、カベポスター、蛙亭、オズワルドの順番になりました。全員過去にABCのファイナル進出経験があり、既に様々な方面で注目されている実力派で例年以上に華のあるファイナルステージだと感じました。

 

・カベポスター2本目

カベポスターは2本目はコントに変えてきました!

カベポスターって言うと漫才のイメージが強かったんですが、コントもこんなに見ていて気持ちよくて面白いのか!という衝撃でした。1個目のレッドカードとトランプのカードが手品で入れ替わるところから引き込まれてそのまま最後のオチまで走り切った印象です。

 

蛙亭2本目

蛙亭は2本目もコントで、色々な場で結構披露してきたポイ捨てのネタでした。去年から作ってきたネタの中で特に自信のある勝負ネタだったんでしょうか。

岩倉の脳内が垣間見えるようなぶっ飛んでるようでいてヘンなリアリティのあるやりとりの面白さがあり、『ポイ捨て、アカン!』のメッセージ性が強烈に駆け巡る蛙亭らしいネタで面白かったです。

 

・オズワルド2本目

オズワルドは去年に引き続きファイナル進出で、三組の中だと唯一の漫才でした。

割り込みするおじさんにムカついたという話から始まり前半はいつものオズワルドの漫才の感じでしたが、途中から畠中がどんどん意見をコロコロ変えて全然話が進まないという形で後半が圧巻でした。普通こんな内容のネタしようとすると後半しっちゃかめっちゃかになりそうなんですけど、それを圧倒的な実力でまとめ上げるオズワルドに対してゲラゲラ笑いながら「スゲー!」と叫んでしまいました。こういうネタを今年のM-1に向けて色々仕込んでいるのかと思うと今から楽しみで仕方ありません。優勝おめでとうございます!

 

 

 

 

 

ファイナル全組見終わって、『僅差でオズワルドかカベポスターだろうな……』と個人的に予想し、1本目のネタの素晴らしさとコントでもポテンシャルの高さと唸りあげるような構成力を見せたカベポスターを今年の優勝に予想しました。

結果としては僅差でオズワルドが優勝で微妙に予想を外したわけですが、全組めちゃくちゃ面白かったので大納得です。カベポスターはまだラストイヤーじゃないのでまた来年に期待です!(もちろん今年のM-1グランプリも)

 

全体を通して振り返ってみると今年は元々テレビや賞レースなどである程度有名な芸人がそのまま強かった年だったんじゃないかなと思います。特にオズワルドはやはり強かったです。

来年のABCお笑いグランプリで楽しみにするところとしては、ダークホースによる番狂わせ展開だったりだとか、後は今大会でいなかったピン芸人やトリオがファイナリストに上がることを期待したいと思います。

 

それでは、気が向いたらお笑いの賞レースの感想などはまた書きます(こういうのは見た直後に一気に書き上げてしまわないとしんどいので)。