孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

心霊体験(?)っぽい話

私は怖い話が好きだ。

 

特に『洒落怖』などのネットの海に眠っている怖い話が好きでよく読んでいる。

しかしながら、実際に心霊スポットなどを訪れることはない。『君子危うきに近寄らず』とあるように、万が一があったら絶対後悔するだろうと思うのと、シンプルに一緒に行く友達がいないからだ。

 

 

怖い話は好きでよく読んだりホラー映画を時々見たりするが、実際に私自身が心霊体験っぽいことがあったかと言うとまあそれっぽい経験はなくはないが直接的には一回もない。

 

例えば私は中学高校時に金縛りに何回もあったことがある。でも、考えてみると中学や高校では部活動をやっていて毎日体が疲弊した状態で帰っていたのだから恐らくそれが原因だったと思われる。それっぽい幻聴も聞いたことがあるが、私は寝る時はうつぶせ寝で目を固く閉じて眠っているため心霊的なものを見た事は1度もない。

そして大学生以降、金縛りにあったことは1度もない。このことからも私の金縛りは部活動による身体の疲労がトリガーになっていたことはほぼ自明だろう。

 

 

 

そんな私にも1度ガチの心霊体験っぽい経験をしたことがある。

それは、小学校6年生の修学旅行の時だ。

私が人生で初めて金縛りにあったのが、小学校6年生の修学旅行の夜なのである。

修学旅行では広島と山口に行った。お察しの通り、原爆ドームに行ったり平和祈願のモニュメントに千羽鶴を捧げたり、当時の凄惨な体験を老人の方から聞いたりした。その影響が恐らくは出ていたのであろう、その日の夜に金縛りにあったのだ。

 

今でも覚えているのだが、明け方(深夜4時〜5時くらい?)に突然体が全く動かない感覚に陥って目を覚ました。

そして、驚いたことにまるで幽体離脱をしたかのように大部屋で雑魚寝している(確か8人くらいで同じ部屋で寝ていたと思う)グループがよく見えたのだ。その中にもちろんうつぶせで眠ってる私自身の姿もあった。

私は当然パニックになった。だが、声も出せないし体も動かせない。頭が混乱している中で『目で見えていないはずなのに』部屋の四隅がどんどん暗黒に塗り潰されていることが理解できた。

部屋の四隅から暗闇がどんどん寝ている私たちを覆い尽くすように迫ってくるのだ。

 

私はどうしたらいいか分からずにとにかく『神様仏様助けてください、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏』と念仏っぽいものを心の中で唱えて固く目を閉じた(でも自分の姿や迫り来る暗闇は目を閉じても知覚できる)。

 

絶望的な気持ちになりながらしばらく念じ続けていると、唐突に目が覚めたというか、朝の日差しを感じて起きた。

びっしょりと寝汗をかいていて心臓がバクバクしていた。身体が動かせることに気づくと私は怖さのあまり足で隣で寝ていた同級生をげしげしと蹴って起こして凄いイラつかれた。

金縛りの体験に関しては話しても信じて貰えないだろうと思って、話すことはなく『起こしてごめん』と謝った。

 

時計を見ると、朝の5時くらいでまだまだ明朝だったことをよく覚えている。そんな時間に起こされたらそりゃ怒るだろう。

 

 

あれは心霊体験だったのかもしれないし、広島の原爆関連を見て色々感じた結果と身体の疲れが結びついたものなのかもしれない。真相はわからないが、その日のことはよく覚えている。

 

 

 

P.S.

人生初の金縛りを体験した翌日、昼ご飯にカツカレーを食べた。

小学生当時の私は育ちが悪く、カレーのルーとご飯をぐちゃぐちゃに混ぜて食べる癖があった。カツも一緒に混ぜるので衣が剥がれてとんでもない見た目になっていた。

それを見た一緒に食べていた同級生全員から「その食い方気持ち悪いからマジでやめろ」「きもい死ね」などと言われまくってめちゃくちゃ腹が立った。

そして、その日を境に食べ方を矯正してカレーをかき混ぜずにそのまま食べるようになった。

 

今になると本当にあの時カレーの食い方を矯正して良かったと思う。同級生のF君、本当にありがとう。(そいつとは正直仲が悪かったのだが……)