孤独な弧度法

ブログのタイトルは完全に語感だけで決めました。そこそこ良いブログ名だと自分では思っています。

泉の広場の赤い女はどこに行ったんだ?

梅田で映画を見た帰り道の途中、こんなものを見つけた。


Whityうめだの改装工事で、泉の広場へと通ずる階段が封鎖されていました。
泉の広場と言えば、梅田有数の待ち合わせスポットである地下の広場です。




何かとゴチャゴチャしている梅田の中でも目立つ場所で、華やかな噴水を私は何度も横切りました。残念ながら待ち合わせ場所として利用したことはありませんが、たまに風俗嬢っぽい人が彷徨いてるのを見かけました。泉の広場で合流して、階段を上がってすぐの兎我野の歓楽街へと赴くのでしょう。


この泉の広場をネットで検索すると、必ず『泉の広場 赤い女』というワードが出てきます。
ネットの黎明期に流れた一種の怪談で、少し探せば直ぐにその話を読むことが可能です。


https://xn--u9jv84l7ea468b.com/kaidan/172wa.html


この話が本当かどうか私が知るよしもないのですが、少なくとも私は明確にこの話に現れるような赤い服の女性を見たことはありません。
だけど、まあまとめでも見てもらえればわかる通りかなりの数の体験談が湧き上がってくる『くねくね』等に匹敵しうる類の話だと思います。
元々は昔大阪にいた娼婦のアキちゃんという人がモデルになっているという話もありますが、これまた眉唾物です。

私が工事中の泉の広場を見て真っ先に思ったのは『赤い女はどこに行ったんだ?』というものでした。
自分のいわば縄張りである泉の広場が改築で誰もいなくなったしまった今、それでも彼女は工事現場をうろついているのでしょうか?(ほとんどガタイのいい男性しかいないと思いますが……)
あるいは、梅田や故郷といった他の縁ある場所に移っているのでしょうか?
怪談の中にある私怨がベースになってあるのならば、売春を行っていた泉の広場という場所の持つ性質そのものが彼女を繋ぎ止めているように思われます。
改装が終わって生まれ変わった元・泉の広場(次に何が出来るのかは知らない)に赤い女はまた現れるのか?
そして現れたとしてもそれを知覚できる人はいるのか?
なかば怪談と化した心霊のお話は数あれど、その心霊が現れた場所が無くなってからどうなったかの後日談はほとんど聞いたことありません。




赤い女はもう現れないのか、またどこかで現れるのか。



何となくそんなことが工事中の泉の広場跡を通りかかってふいに気にかかったのですが、泉の広場そのものの存在が潰えた今、赤い女がまた現れない限りはいずれこの話は忘れてしまうのでしょう。